水月光庵[sui gakko an]

『高学歴ワーキングプア』著者 水月昭道 による運営
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高学歴ワーキングプア問題 ここのところ凄いニュースばかり

2009年06月02日 | 庵主のつぶやき
ポスドク:倍増も職なし 海外流出は加速 大学准教授調査

2009年5月30日 毎日新聞

↑素粒子のほうは、昔から酷いとはきいていましたが、こうして具体的なデータを見せられるとやはりショックは大きいですね。ポスドクが就職する(専任ポストを得る)までの平均年数が約6年とは。。海外流出は41%と、これまた凄い数字です。

多額の税金をかけて育てあげた博士の四割が、国内に仕事がないばかりに海外(特に、韓国や台湾などの東アジア)に流出してしまう。よそさまのお国はさぞ喜んでいるかもしれませんが、これで(教育に税金をつぎ込んだ)我が国の国民は納得するんでしょうか。ま、博士に仕事がないのは自己責任とかいっちゃっている国ですから、いいのかもね。。


お次はコチラ↓
博士課程の縮小要請へ=財政支援で大学院再編促す-近く国立大に・文科省

時事ドットコム 2009年5月31日

文科省がついに博士課程の縮小を決断。つい先日、500万円持参金の大盤振る舞いを決定したかと思った直後に、今度はコレ。揺れてますね。そもそも、ほんの少し前までは、「まだまだ博士の数が足りない」という発言もあったように記憶していますが、いきなりの軌道修正にはびっくりです。「ただし、修士は増やす」なんてオチがあったりして。。

しかし、博士課程への進学者が減ったから定員も絞るというのでは、この問題、解決に至るまで、まだまだ先は長そうです。やるべきは、博士課程に進学したいという土壌をこそ作らなければならないはずだからです。「もっと学びたい・もっと高みにのぼりたい」という気持ちが自然に湧くような教育および社会環境づくりが、本来、望まれているはずですが、現状は、「これ以上、上に(博士課程)いくとまずい・一番上まで(博士)までいったら終わりだ」という恐れの気持ちを抱く若い人たちを増やすばかりに終始しています。それで、定員割れになったので、入口を絞りますというのでは、本質的な問題解決には繋がらないでしょう。

博士の有する専門知識やスキルを「使ってみたい!」と思う人たちは、間違いなく一般社会のなかにいるはずです。どこにそうした声があるのか、そしてどうすれば(そうした声を)掘り起こせるのか、どのようにしてそのマッチングを成立させればよいのか、などといったことに早急に取り組むべきではないでしょうか。




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