トレンドマイクロは26日、ウィルスパターンファイル騒動の謝罪のために来日した取締役社長兼CEOのエバ・チェン氏も列席の上、東京・大手町において記者会見を開いた。記者会見はまず、チェン社長による今回の一連の騒動に関するお詫びから始まった。
またこの記者会見では、今回の騒動に関する対応策と、今後のウィルスパターンファイルの配布における対応策の2点についても発表された。
まず、今回の騒動に関する対応では、個人ユーザーに対するサポートの強化策として、外部業者に委託してのオンサイトサポートを行うとしている。すでに、問題の回避方法についてはWebサイトに掲載されていたり電話サポートなどが行われているが、初心者にはやや難しい作業であることから、このオンサイトサービスが提供されることになったようだ。なお、オンサイトサービスを受けるには、まず問い合わせ先であるフリーダイヤルにてサポートの依頼を行う必要がある。
また、先日の記者会見でも発表されていた問題対策プログラムが収録されたCD-ROMについては、27日より発送準備が整い次第希望ユーザーに送られるほか、30日からは全国の販売店にて無償配布する予定だとしている。
今後のウィルスパターンファイルに関する対策については、今回の問題をふまえた上でダブルチェックを行っていくほか、配信の前段階ではMicrosoftのすべてのOSで動作テストなどを入念に行っていくという。しかしながら、スタッフ人員の増員や新規マシンの導入などにより、今までとほとんど変わらない速度で同ファイルの提供を行っていく予定だとしている。
また、今回の問題で見られた、実作業を行っているフィリピン・マニラと日本との連絡の遅れなどについても、今後は連絡を密に行っていくとしているほか、パターンファイルのアップデート情報などをメールや携帯端末に知らせる情報伝達サービスなども併せて行っていくという。
今回の問題は、ワールドワイドに同時に起こったわけだが、そのほとんどの被害が日本に集中している。その理由の一つが時間帯の問題であったと予想されているが、ウィルスバスターの個人ユーザーの約8割が日本市場であることも大きな要因となっているようだ。現在トレンドマイクロでは、どの程度の個人ユーザーに今回の問題が発生し、そのうちどの程度の人がサポートに連絡できていないのかということを大変危惧している。
もし、ウィルスバスターを使用しているユーザーで、土曜日の朝にPCを起動した、あるいはしていて再起動後PCが遅くなった、起動しなくなったという人が知人にいたらサポートの連絡先を教えてあげるといいだろう。
●トレンドマイクロ緊急対応窓口
フリーダイヤル:0120-538-108(5月8日まで24時間対応)
トレンドマイクロ、CEOが来日し謝罪会見を実施。今後の対応についても発表
皮肉にも世界中で一番早く朝が訪れる日本が今回最大の被害を受けた事になる。今後も同様な障害が発生すると、日本が世界中で最初に被害を受ける事になるわけで、日本での素早い対応が世界中への被害の拡大を防ぐ鍵となりそうだ。
個人ユーザーの8割が日本というのも深刻だ。個人ユーザーではいまだに復旧していないユーザーもいそうだ。