地域の力 つづき。
朝日に輝く、まだうす緑のイチゴの実たちを
おばちゃんは満足そうに見ていた。
が、次の瞬間
「ありゃ~。」
おばちゃんは残念そうな声を出すと、その場にしゃがみこんだ。
「おくさん、この実、摘んだらなあかんで。ほら、こういうの。」
おばちゃんは、黒い毛のびっしり生えて固くなってしまっている実を
指差した。
イチゴは、うまく受粉しなかったら、黒い毛がびっしり生えたまま
大きくならないので、早く摘み取ってしまった方がいいよ、というのは
このイチゴの苗をくれた、となりの奥さんから教わっていた。
だが、このイチゴはみなみが所有権をもつイチゴなので、
みなみが、それでもいいから残しておきたい、というので、
摘まずに残していたのだ。
しかし、そのような長い文章をこのおばちゃんに話す気力もなく
「へー、そうなんですかぁ。」
などと言葉を返していた。
すると、おばちゃんは、なんと、私に許可もなく
ブチブチと黒い毛の実を指先で摘み取り始めた!!
ぎゃー!やめろー!!みなみがおこるぞー!!
しかし、止めてください!とは言えない。
相手は微塵の悪意もない、ありがたいご地域様である。
黒い毛のイチゴはどんどんと摘まれていく…。
「黒くてもな、茎の細いのはもうちょっと置いといたらええ。
でも、ほら、この茎の太いのんは、もうあかん。」
さっき、人間の子もイチゴも一緒やと言っていたおばちゃん的には
この現象はどのように説明付けられるのだろうか。
毛の黒い子はもうあかん、のだろうか。。。
デキのいい子をより成長させるために、
デキの悪い子は摘み取られて捨てられてしまうのだろうか。
しかし、作業の一通り終わったイチゴのプランターは
すっきりして、なんだか、イチゴも喜んでいるようだった。
摘み取られて、プランターの横に捨てられたイチゴたちも
別にうらめしそうな様子もなく、残されたイチゴたちに
エールを送っているように見えた。
おばちゃんは、満足そうに、帰っていった。
その数秒後、ランドセルを背負ったみなみが玄関から出てきた。
摘み取られて捨てられている黒い毛のイチゴを見て
「なんで取っちゃったん!?」と大声を出した。
みなみに事情を説明し、
このほうが、大きくておいしいイチゴができるんだって、と
これまでもしてきた説明を繰り返してやった。
これまでは、それでも、納得せず、黒いイチゴも残していたみなみだったが、
みなみも、のこされたイチゴのうれしそうなのを感じたのだろう。
「そうか!楽しみやな!」
と元気に登校していった。
な~んだ、そうか。
朝日を浴びて、すっきりとしたイチゴたちは
きっとおいしいイチゴとなるであろう。
つぎは、おばちゃんのどんなアドバイスをいただけるのか、
ありがたいような、もうええような、
どちらかというと、もうええと思う私である。
いまがいちばん あしたもいちばん!
朝日に輝く、まだうす緑のイチゴの実たちを
おばちゃんは満足そうに見ていた。
が、次の瞬間
「ありゃ~。」
おばちゃんは残念そうな声を出すと、その場にしゃがみこんだ。
「おくさん、この実、摘んだらなあかんで。ほら、こういうの。」
おばちゃんは、黒い毛のびっしり生えて固くなってしまっている実を
指差した。
イチゴは、うまく受粉しなかったら、黒い毛がびっしり生えたまま
大きくならないので、早く摘み取ってしまった方がいいよ、というのは
このイチゴの苗をくれた、となりの奥さんから教わっていた。
だが、このイチゴはみなみが所有権をもつイチゴなので、
みなみが、それでもいいから残しておきたい、というので、
摘まずに残していたのだ。
しかし、そのような長い文章をこのおばちゃんに話す気力もなく
「へー、そうなんですかぁ。」
などと言葉を返していた。
すると、おばちゃんは、なんと、私に許可もなく
ブチブチと黒い毛の実を指先で摘み取り始めた!!
ぎゃー!やめろー!!みなみがおこるぞー!!
しかし、止めてください!とは言えない。
相手は微塵の悪意もない、ありがたいご地域様である。
黒い毛のイチゴはどんどんと摘まれていく…。
「黒くてもな、茎の細いのはもうちょっと置いといたらええ。
でも、ほら、この茎の太いのんは、もうあかん。」
さっき、人間の子もイチゴも一緒やと言っていたおばちゃん的には
この現象はどのように説明付けられるのだろうか。
毛の黒い子はもうあかん、のだろうか。。。
デキのいい子をより成長させるために、
デキの悪い子は摘み取られて捨てられてしまうのだろうか。
しかし、作業の一通り終わったイチゴのプランターは
すっきりして、なんだか、イチゴも喜んでいるようだった。
摘み取られて、プランターの横に捨てられたイチゴたちも
別にうらめしそうな様子もなく、残されたイチゴたちに
エールを送っているように見えた。
おばちゃんは、満足そうに、帰っていった。
その数秒後、ランドセルを背負ったみなみが玄関から出てきた。
摘み取られて捨てられている黒い毛のイチゴを見て
「なんで取っちゃったん!?」と大声を出した。
みなみに事情を説明し、
このほうが、大きくておいしいイチゴができるんだって、と
これまでもしてきた説明を繰り返してやった。
これまでは、それでも、納得せず、黒いイチゴも残していたみなみだったが、
みなみも、のこされたイチゴのうれしそうなのを感じたのだろう。
「そうか!楽しみやな!」
と元気に登校していった。
な~んだ、そうか。
朝日を浴びて、すっきりとしたイチゴたちは
きっとおいしいイチゴとなるであろう。
つぎは、おばちゃんのどんなアドバイスをいただけるのか、
ありがたいような、もうええような、
どちらかというと、もうええと思う私である。
いまがいちばん あしたもいちばん!