オリーブグリーンには「人生のプロセスを信頼する」というメッセージがありますね。
オリーブの木は、荒れた土地で育ち、成長がゆっくりで結実するまで時間がかかります。成長の途中苦しいことも多々ありますが、それぞれには大切な意味があり、あせらずじっくりとそのプロセスを楽しんでしまいましょうというものです。
朝日新聞で、今「玉村豊男のスローライフは忙しい」というコラムが連載されています。タイトルになるほどと思い、毎回読んでいますが、<その7>のコラムのテーマが「過程を楽しむ」というものでした。なおさら興味を持って読んでみると、これってまさしくオリーブグリーンの意味じゃな~いと感じ入りました。
玉村豊男氏は、画家でエッセイスト。以前はよくグルメ番組のコメンテーターとしても登場していましたね。ソムリエの田崎真也さんと一緒の講演を聴きに行ったこともあります。私はどちらかというと田崎さんファンだったのですが、このコラムを読み始めてから今は玉村さんもいいな思っています。
玉村さんは今ワイナリーを持つ農場主。そのブドウ畑に来る人は、判を押したように「収穫が楽しみですね」というそう。そしてまた「収穫はいつですか」「私も収穫を手伝いたい」と追い討ちをかけてくるといいます。
みんな、なぜ収穫のことばかり気にするのだろう。確かに栽培の目的は収穫ではあるが、楽しみも苦しみもひっくるめた農業のやりがいというものは収穫にいたるまでの日々の営みの過程にあるのではないか。
収穫は結果であり、結果だけを求めていると、その過程を楽しめず、毎日の労働に何の意味があるのだろう。
精一杯その日を働いて、今日もよく働いた、明日もがんばろうと風呂に入り酒を飲み、寝床につく瞬間に最高の幸福感を抱く。
そんな生活こそ人生を生きることの喜びと感じたい。
「収穫が楽しみですね」という人には「手をかけて世話をする途中の作業が楽しいんですよ」と答え、「私も収穫を手伝いたい」という人には「草むしりを3回以上やらないと収穫に参加する資格はないんです」と答えることにしている。
という話・・・。
オリーブがブドウになっただけで、その意味は通じてますね~。
ワイナリーをつくるとき莫大な借金をしたそうですが、そもそも彼は定年も退職金も有給休暇もないフリーランスの生活しかしてこなかったので、60歳を過ぎても仕事ができることがうれしいとのこと。労働は義務ではなく、権利だと思っているから。ゆっくり眠るのは死んでからでいい。とは・・・そのバイタリティーに敬服します。
プロセスを信頼するということは、自分が成長する段階を味わったりかみ締めたりする感じでしょうか。
「前」よりはオリーブの苦味を味わえるようになったかなあ。。。
オリーブは、グリーンとイエローが混ざった色です。カーキ・モスグリーン・抹茶の色。