「ENU」のハンス同様、自身に靡かない男はいないと自惚れる女アサシン。
元々、利益と損害の駆け引きに塗れた外部の暗殺者だけあって、余命幾許も無いドン・バハモンテを早々と見限って不平分子の幹部達に媚び諂うBEVII。幹部の密命を受け来日し別荘へとやって来たが、既にその日の内にDIVはフランツに連絡を取り彼女のダイヤルナンバーを聞き、処刑の準備は整っていたのだった。更には、毒針のBEEの由来である爪に仕込んだ猛毒をDIVに、強力な睡眠薬を慎悟に注入するも手の内を読んでいたDIVは解毒剤を飲み慎悟にも与えていたため、DIV殺害と慎悟の略奪は失敗した。彼女に加担した組織の運び屋達は瞬く間に皆殺しにされ、BEVIIもバルコニーに追いつめられ隠し持っていた拳銃で反撃しようとして掴まっていた左手を切断されて落下し、自身の体内に埋め込まれた爆弾を起爆させたDIVにより爆殺された。
その死後、DIVの無意識下で失われた自我を取り戻そうとする“もう一人のDIV”として、彼女の声がDIVの心の中に響き渡る。
「Mission8:episode6」
(ミステリーボニータ2013年10月号)
慎悟:(泣きも笑いもしない機械のような人間。あいつと同じ感情表現が苦手なんだと、ずっとそう思っていたが……そうじゃない。苦手なんじゃない、こいつは感情が―――――ないんだ。…どうして、どうしてそんな…。)