第1章 お風呂を知る
P.22~23お風呂の種類
風呂好き日本人のこだわりで浴槽の形は今も進化中
日本の家庭用浴槽というと、多くの人は膝~腿くらいの高さの長方形の形を思い浮かべるだろう。それは、かつての日本の浴槽と欧米の浴槽を組み合わせた和洋折衷式というものであり、現在、日本で新設される浴槽としては主流のタイプとなっている。かつて日本の浴槽は深くて狭いものが主流だった。これは洗い場で身体を流してから、全身を湯につからせるという日本の入浴文化が現れている。一方、欧米の浴槽は浅くて横に長いものが主流。欧米の風呂場には洗い場がなく、浴槽で身体を洗う。つかるための湯を張ることはなく、身体を洗って溜まったお湯も入浴後には捨ててしまう。入浴において、湯につかるという習慣がほとんどないのだ。欧米ではスペースの問題で浴槽自体がない浴室もある。浴室はあくまで身体を洗うところなので、シャワーだけあれば十分、ということなのだろう。使われているバスタブは足を伸ばせる広いものが多いことからリラックス空間としての概念はあるのだろう。しかし、全身たっぷり湯につかることを好む日本人からすれば、そんなバスタイムはどうも物足りないものではないか。和洋折衷式は、そんな身体を伸ばしてゆったりくつろぎたいという希望と、湯にしっかりつきりたい希望をどちらも叶えられるサイズになっている。近年では円形や扇形など、横にも広がったタイプの浴槽も登場しており、日本人の風呂愛は留まることを知らない。
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