・唐辛子 蕃椒Red(Chili) pepper とうがらし
ナス科、熱帯アメリカ原産。熱帯では多年草だが、温帯では、一年草で淡黄色の清楚な花が7月ごろに咲く。日本へは16世紀頃導入されたらしく南蛮、蕃椒という字があてられている。
8~10月に掛け初秋に収穫し実が熟するに従い緑色から鮮やかな赤色に変わる。品種は数多く一般にいわれる唐辛子は、鷹の爪の類で辛味種をいう。
辛味種は、鷹の爪、八房(やつぶさ)、伏見辛(ふしみがら)、三鷹(さんたか)、タバスコ、カイエンが、甘味種は、ピーマン、しし唐辛子、伏見甘、パプリカがある。
最初の緑の果肉には、緑色でクロロフイル(葉緑素)を多く含み完熟してくるとカロテノイド(カプサンチンCapsanthin、βーカロテンを主とする)が増加し赤くなる。カプサイシンCapsaicinは、ひとつの実に0.5~5mg程度含む。
1985年頃、京都大学でトウガラシの研究中に辛くないトウガラシを発見し、カプシエイトCapsiateと命名している。「脂肪燃焼」という注目すべき生理機能を有し、カプサイシンより辛味が極めて弱い。
緑色のものは、緑黄色野菜とし焼き物、炒め物、揚げ物、薄切りしサラダの彩りに、葉を佃煮にする。
完熟し赤くなったものは、おもに調味料、香辛料、薬味として用いられ殺菌、防虫、防かび、防腐作用があり乾燥させ利用している。乾燥、加熱しても辛味に変化がないことから七味唐辛子、ラー油、タバスコTabasco、漬物に使われ漬物のキムチ(朝鮮漬け)はよく知られる。
香り、辛味成分は、種子には多くは含まれず、胎座(種のついている中央部分)、皮などの部分に多く含みカプサイシンが発汗作用があり新陳代謝をよくし体脂肪の燃焼させる。一部に唐辛子を多く摂る韓国、インドのような国では胃癌の発生率が高く、唐辛子の過剰摂取との関連性の指摘がある。
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