・麻黄Ephedra まおう
マオウ科、中国原産の乾燥した奥地に産する草本状の低木、雌雄異株、松と同じ裸子植物に属し、緑色の細い木質の茎から伸びた草質の茎であり、退化した小さな鱗片葉が節で対生して目立たず、5月に黄色い塊状のものが花序となる。
偽果は肉質で夏に紅熟する。この緑色の細い茎、根が、生薬マオウ(麻黄)で、麻黄湯、葛根湯、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)などを始め多くの漢方処方に配合する重要な生薬の一つ。
マオウは神農本草経(しんのうほんぞうきょう)で中薬120種の一つとして収載がみられる。1887年に白色、結晶性のアルカロイドのエフェドリンEphedrineは、日本人の長井長義(ながいながよし:1845~1929)が発見したが、その有用性は1924年に陳克恢とカール・F・シュミットによって喘息の特効薬として応用、発表した。
現在では化学合成により発汗、抗炎、解熱、鎮咳、去痰、利尿にも使われる。エフェドリンはα,βの両受容体に作用し交感神経興奮作用があるほか、大脳に対する直接作用による強い中枢興奮作用があり、そのため副作用として頭痛、めまい、不整脈、不眠、神経過敏、血圧上昇などが起きる。
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