・ナイアシンNiacin ないあしん
1937年エルビエムElvehjemらによってペラグラに有効な成分として発見した。ビタミンB群に属しビタミンB3ともいわれる水溶性ビタミンであり、トウモロコシ(ニコチン酸とトリプトファンが少ない)を常食とした亜熱帯に発生した欠乏症状により「ペラグラ(イタリア語で荒れた肌)」の皮膚炎を発症する。
タバコのアルカロイド(植物界に存在する窒素を含む塩基性物質:苦味がある)でニコチンを分解して得られることからニコチン酸ともいいナイアシン(ニコチン酸+ニコチン酸アミド)の構成物質としている。欠乏によっておこるペラグラが知られているが日本での欠乏は殆ど見られない。
腸内細菌の働きでトリプトファン(60mg)からニコチン酸・ナイアシン(1mg)に変化するがその生成過程でビタミンB2、B6が必要でこれらが不足するとナイアシンは作られない。熱、酸、アルカリ、光に安定、水に少し溶ける。トリプトファンを動物性蛋白質、植物性蛋白質で1.5%~0.5%程度含み血液中の基準値として3~7μg/dl(100ml)であり成人の1日の推奨量9~15mg、上限量300mgとしている。栄養機能食品としての上限が60mg、下限3.3mgとし示す。
酸化還元、エネルギー発生糖質、脂質の代謝に関与し、胃腸の働き、血流をよくしてヒスタミンの抑制、脳神経の働きを助ける。紫外線を受けると変化してカルシウムの吸収を助けるビタミンDを生成する。二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解し血行を良くする。糖尿病と関係が深くビタミンB6とともにインスリンの合成と関係するが 過剰に摂取すると糖質の処理能力を妨げる。
胚芽、酵母、肝臓に多く含む。100g中で食パン1.2mg、玄米6.3mg、精白米1.2mg、落花生17.0mg(可食量20g-3.4mg)、えのきだけ6.8mg、生椎茸3.8mg、なめこ5.1mg、まいたけ9.1mg、鯵5.4mg、まいわし8.2mg、かれい2.5mg、鯖10.4mg、鮭7.0mg、海老・いか、蟹類2.5~8.0mg、蓄鶏肉類4.0~9.0mg、肝臓13.5mgを含む。
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