・家畜の福祉 かちくのふくし
鳥、豚、牛などのストレスのない生育環境(Quality of Life)で育て質のよい肉質を目指す試みが行われています。
国際的には家畜福祉への関心が高まっており、また健康志向ともあいまって、霜降りを求めるような日本の特殊な肥育方法、欧米のフォアグラに対しては批判があるところです。
肉質を良く、柔らかにするためにオスの去勢、霜降り肉を作るために、失明してしまう牛もいるといいます。怪我の防止から牛の除角、鶏のくちばし切りなど高密度の飼育は牛の成長、飼料効率、生存性、肉質、行動(移動、休息、食餌、飲水) に悪影響を与えます。
家畜・動物福祉Animal Welfareを促進するために必要な包括的な措置を定めた法律でその先駈けは、アメリカ合衆国(1966年)やイギリス(2002年)などで法律として存在しています。
このほかに、多くの国々で同様の意味での動物福祉を掲げています。
日本では、動物虐待を禁じる動物愛護法などが該当しています。日本で2012年6月からペット販売展示業者に対して午後8時から午前8時までの夜間におけるイヌやネコの展示を禁止しています。
多くの動物は人間の利益のために動物本来の特性や行動、寿命などに大きく規制が科されています。こうした利用を認めつつも、それら現場で動物の感じるストレス、苦痛の回避などに極力配慮しようとする考えが家畜動物福祉としての考え方です。
ストレスは多くが脳下垂体前葉の副腎皮質刺激ホルモン、グルココルチコイド Glucocorticoid 分泌の増加などがみられます。
生活の質に影響する主たる要因としては、
1)食事の栄養バランス、
2)温熱や畜舎構造等の衛生・物理環境、
3)病気やケガ、
4)管理者からの取り扱いや凶暴な仲間からの攻撃等による恐怖、
5)環境と適応しやすい形質として進化してきた内的に仕組まれた行動の様式と時間配分の正常行動の発現などがあります。
人の手を極力加えない木々に囲まれ、牛、羊などで放牧が行われ、養豚エサは地域の施設からもらう米や野菜くずなどを時間かけて煮て、乳酸発酵させたエサには、豚も飛びついてくるようです。肉質は赤みがつよく柔らかい豚肉となります。
ヨーロッパでは2012年にはケージ飼いが禁止になっているといいます。
丁寧な取扱い、良質な飼料や水の給与等の適正な飼養管理により、家畜が健康であることが良質の人の食料ともなります。まさに命をいただくのですから、感謝の気持ちを持って粗末にはできません。
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