・工場生産化に向かう野菜や魚
きのこの工場生産は、よく知られていますが、近年では、太陽が不可欠な野菜、きれいな新鮮な海水が必要な魚たちまでもが、室内で栽培し製品化しているというのです。
野菜は育成環境が重要であり自然環境では日照問題や風雨や害虫による被害リスクがありますが、屋内であれば環境さえ整えば安定した高品位な野菜を栽培できるというのです。大阪で、LED(Light Emitting Diode:ライトエミテッドダイオード:発光ダイオード)の光でレタス栽培をする「植物工場」を開設しています。
富山では民間会社や富山大学でLEDと海洋深層水を使った栽培実験に乗り出し、この工場によって生産規模の拡大を期待しています。
すでに室内で水や光、養分などの環境を管理しながら野菜を生産する植物工場は、全国に50カ所ほどあるといわれています。
この傾向は、食の安全の関心が高まる国産野菜へのニーズが増える一方で高齢化により農業の担い手が減少していることからビジネスチャンスとして生まれたといえます。
近年の製造業の国内事業縮小などで生まれた遊休地を転売することが難しくなっているという事情を解消する手立てとしても考えられたようです。
今は生産難度やコストの課題から🍅トマトやレタスなどの一部の葉物野菜に栽培可能なものが限定されています。いずれ技術の向上により、コストダウンが図られさまざまの野菜が工場によって栽培、生産し製品化される日も遠くはないでしょう。
魚🐟類では魚類に必要な要素を分析し、その成分を合成した粉が作られ、これを一定の割合で水に溶かし環境適応水の作成をおこなっていいます。
海のいけすで採卵し、成魚に育てる養殖技術は近畿大が2002年に既に開発し、2004年には初出荷もしているのですが、2014年5月の屋内研究所内での産卵は初めてとなります。
クロマグロ(太平洋・大西洋)は4万トンほどで、そのうちの1万トンが養殖・蓄養で生産しています。近年の多くは蓄養🐟ミナミマグロが出回り、主にオーストラリアから輸入しミナミマグロで小型のミナミマグロを捕獲し、生簀で育てられています。
2006年に開始した東海大での陸上でのマグロの完全養殖は海岸近くの地層からくみ上げた地下海水を使うことにより水質の安定した細菌の少ない水を供給しています。
栃木県の北東部にある那珂町(なかがわまち)という海のないところでのトラフグ(虎河豚)は、温泉の水質調査をしたところ海に棲む魚類が育つ環境に適していると判断して導入しています。地元の水資源のうまいアイデアより生まれた活用法でした。
養殖施設は廃校となった小学校、温水プール施設を利用していました。
岡山では、🐡とらふぐ、ヒラメの海の魚の養殖を、陸上、しかも海から離れた場所で岡山理科大学のもとで行われています。
その際、ポイントとなるのが水、「好適環境水」です。淡水に魚の成長に最低限必要な電解質を溶かした特殊な水でカルシウム・カリウム・ナトリウムの3つの成分を加えた水で、魚への負担が少なく、病気にかかりにくくて成長も早いというのです。
🐡トラフグなどの養殖に成功し、さらに、うなぎ、黒マグロなどの養殖にも着手しています。
「どこでも作れる」という利点から海外での展開も始まったこの好適環境水の、さらなる新たな養殖の可能性を秘めています。
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