・榧の実 torreya-nut かやのみ
イチイ科、雌雄異株、常緑15~20mの高木で主に東北、本州の山岳地帯にみられる。名前の由来は、枝葉をいぶし蚊を追い払う「蚊遣(かや)り」として使ったことにちなむという。
長径3cm、幅1cmの褐色をした種子で凶作(きょうさく)時の救荒(きゅうこう)食品として用いられた。
秋の9~10月に種子が熟し採取する。縄文時代からの食用とし、そのままで渋みがあるので皮をむいて数日水に浸しあく抜きして、くるみに似た味ともいわれる。実と味噌をあわせてすりつぶすかや味噌がよく作られ、煎餅に混ぜて使われたりする。
日本のアーモンドとも称されビタミンE35.6mg/100gに含みアーモンド30mg/100gより多く抗酸化作用がある。精製油したものは、淡黄色の乾性油で香りが良く天ぷら油にしている。
漢方で虫下しに用いたり、塗料、灯油にも利用する。