2021/4/22
・母から虐待されていた中学生の一果が、親戚のトランス女性である凪沙の所に居候しながら、バレエの才能を開花させていく話。
・一果役には服部樹咲さん。公式HPを見ると、バレエ経験者からのオーディションという話。
・全くの初心者から、若き才能として舞台でパフォーマンスするまで、成長の過程を演じきったのはものすごい。
・「もう一回やって」と言われても同じことはできないはず。映画だから切り取れる身体性。
・常識や客席の喧騒なんかをすっ飛ばして、それでも踊りたい衝動が勝るショークラブの1シーンが強い。
・彼女は別格として、あの会場で一番いい仕事していたのは、たぶん音響オペの人。
・あんなハプニングでもさっと音を入れてくる。あそこに橋本一生くんがいたらやってくれそう。いたのかも。
・反対に、ホールのコンクールで、客席から舞台に人が上がってくるシーンにぎょっとする。会場スタッフは何をやってるんだ。
・トランス女性の凪沙を演じるのは草薙剛さん。
・最初はわりと記号的な女性らしさが目立つけど、後半のある変化から表情だけで雰囲気が伝わるようになる。
・国民的人気者がここまで役に寄せなくてもと思うくらい。だからこそ信頼できるんだけど。
・トランス女性が女性のステレオタイプをなぞってしまうのはジェンダー平等の考え方と相性が悪そう。だからクィア思想になる。新しい言葉が沢山出てきて大変。
・トランスの書き方に批判が出るのもわかる。
・そもそも性的マイノリティ=不幸みたいな見せ方は偏見を助長するものになりかねない。
・1ケースとして見られるかどうかだから、お客さんを信用しているとも言えるし信用しすぎているとも言える。
・終盤のショッキングなシーンも、(そういう事例が現実にあたったとしても)2020年にもなってわざわざ見せなきゃいけないことなのか疑問。
・あそこまでしないと終われない内容とも思えず、それまで最低限の言葉で丁寧に上品に作ってきたドラマの範囲を踏み外してしまったような感じ。
・一果の悪友の子、どういう風になっていくのかと思ったら、最終的に席で声出そうになった。出たかも。
(サツゲキ)