2025/3/2
・18世紀のフランス、男装の騎士オスカルが、自身の特異な生い立ちや、奔放なマリーアントワネット、荒廃していく民衆に翻弄されながらも、自身の正義を全うしようとする話。
・フランス革命という人類史屈指の大イベントを描いた少女漫画の古典中の古典。
・原作、アニメ、舞台など、色々なジャンルに翻案されているのにほとんど接したことがなかった。
・それでも登場人物の役割や個性がはっきりしているし、ナレーションも手厚いので初見でも迷子になることはない。
・ショックなときに目のあたりに縦線の影ができたり、眼球が小宇宙みたいになっていたりと、半世紀前の少女マンガの絵柄を前面に出す一方で、衣服などの装飾がびっくりするくらい細かい。認知できないところでも色んな工夫が入ってそう。
・見せ場であるはずの歌唱はやや線が細め。
・民衆の生活が困窮している状況で、愛だの恋だの言っているベルサイユ宮殿の連中。完全に違うレイヤーで生きていてイラっとする。メロドラマやってる場合か。
・ただ、アントワネットは望んで王妃になったわけではない。この人は王妃でさえなければ、幸せになれたのかもしれない。
・変わってしまったアントワネットが悪いというような見せ方だったけど、問題は夫だと思う。作中の存在感が希薄過ぎる。世襲は行き過ぎると非合理。政治は志のある人がやったほうがいい。
・ジャンル映画でもない限り、最近は恋愛の扱いが難しくて、安易に使うと嫌われてしまうけど、全くないというのもちょっと違う。
・そういう意味でオスカルの行動は納得いくものだった。
・立場と正義の板挟みでしっかり正義を取る強さを持っている。なんでもかんでも相対的に見てしまいがちな今の世の中ではとても新鮮だった。素直にかっこいい。
・多少総集編っぽい感じはするものの、最終的にはトリコロールが意味する博愛、平等、自由を感じさせるようなすごいバランスでまとめていた。
・本編のあと、衛星中継で平野綾さんと加藤和樹さんの歌唱とアフタートークがあった。アントワネットとフェルゼンの声優さんが人前で歌っても違和感がないということの違和感がすごい。
※パンフと入場特典