「君の名は。」予告
2016/1/9
・諸々の評判を見聞きした上で再観。
・巷でよく言われている問題点を意識しながら見ても、簡単には崩れない作品の強度はさすが。
・3年もタイムラグがあったら、もっと早く気づいて当然という指摘はもっともすぎるんだけど、巧みな編集と絵と音の迫力で最低限の傷に押さえている。
・それでもわかりやすい傷なので批判されやすいところだけど、製作側もそれらの傷を把握した上で、どのように向き合っていたのかということのほうが大事。
・そもそも、人格入れ替わりにしても過去(未来)の人とコミュニケーションを取るのも、どうやったって理屈付けには限界がある。
・傷というより破綻と言った方が近い。
・本作では、何重にも伏線の糸を張り巡らせて、そんなストーリーラインの断絶に見事に橋を渡している。
・組紐、口噛み酒のエピソードとか、洞窟に描いてあった彗星→龍→紐→運命の人とか、黄昏→彼は誰→片割れ時(方言?)とか。
・ただの言葉遊びと言ってしまえばそれまでなんだけど、それがダメなら野田秀樹の作品は全部楽しめない。
・その構成がただの劇中の仕掛けにとどまらず、「運命の人と出会うというのはこういうことだ」という、新海誠作品の重要なテーマに組み込まれている。集大成といっても良いかもしれない。
・ライムスター宇多丸師匠の「新海作品の過去作では二人は擦れ違ったままで終わるが、今回は二人が出会うことで青春の終わりを描いた」とう評がしっくり来る。
・二人はこれから結婚してセックスして子ども生むのかもしれないけど、ごく平凡な夫婦が一組できるだけ。それが幸せかどうかもわからない。
・個人的には「運命の人」という概念は全く信じてないけど、自分と別の価値観を持った人の作品として楽しめるし、そのへんは人それぞれで良いと思う。
・『言の葉の庭』のユキちゃん先生が馴染んでいた。
・みつはが「この街には何にもない」と言った後にすばらしい湖の景色を見せるところと、瀧くん(姿はみつは)がバイトのスキルを活かして簡易カフェを仕立てて友達の憧れを叶えてみせるところが好き。
・みつはの提案に乗っかるテッシーは明らかにやりすぎなんだけど、彼は彼で田舎の閉塞感にうんざりしていたんだと思う。
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