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「流しのしたの骨」 江國香織  マガジンハウス

2005年08月10日 | ’05年読書日記
この本は、ある6人家族の日常の様子などがえがかれた小説です。

家族構成は、父、母、女の子3人と一番下の弟の4人きょうだいです。
主人公は、3番目の女の子で、20歳ですが学校にも行っておらず就職もしていないという状況にいます。


全部読んでみて、不思議な小説だな、と思いました。
江國さんの本は以前、「ウエハースの椅子」というのを半分くらい読んでみて挫折した事があるのですが、これは最後まで興味深く読めました。

ストーリーの内容が、とか、主人公の性格が、とかではなく、この本を書いた「江國香織」という作家が、ただなんとなく気になったのです。

シルバニアファミリーというおもちゃの家があるのですが、(想像しにくい方はりかちゃんハウスのようなものを思い浮かべてください)そんなおもちゃの家に、それぞれ登場人物のお人形を置いて、それを作者が動かしながら遊んでいるような印象を受けました。

その理由は、①登場人物たちの感情が全くといっていいほどえがかれていない
      ②その代わりに、人間以外のモノの細部に奇妙にこだわってえがかれている
      ③主人公が、20歳なのにもかかわらず、行動や考え方が2,3歳の幼児のようだから。。。です。

①ですが、感情が見えない分、その人が実際したことや言ったことなどを記録するように(少し機械的に)表現されている…のですが、これは、わざとそういう風に書いたのか、或いは作者が素直にそのまま自分の感性で書いたのか、気になりました。

最後に、、、、こんな1文があったので、書いてみます。

”律は、ペットショップボーイズを聴きながら、未亡人フィギュアをつくっていた。人形はショートカットで、黒いレースの下着姿だ。”

英国二人組、こんなところにも、ご登場。。。



コメント (2)
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