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イギリス人の犯罪  ジャン・ルノワール

2008年05月02日 | 読書記録
イギリス人の犯罪 ジャン・ルノワール  青土社

 1イギリス人の犯罪
 2ジュヌヴィエーヴ

一冊の本に、二つの話が入っています。
ただし、2のジュヌビエーヴと言う話は、作者の体験が元になっているエッセイです。
1のイギリス人の犯罪は、小説です。

1
この話は、19世紀にフランスの田舎で実際に起こった犯罪をモチーフに書かれた、と話が始まる前のページに書いてありました。そこを今読んではじめてそうだと知りました。
ブルゴーニュにある、「シューズ・デューのお屋敷」で、家主はじめ、家主の母や召使などが全員殺されていた。
犯人は「イギリス人」と言うあだ名の男。(本当はフランス人)

時代の設定が19世紀の後半なので、当たり前ですがちょっと古めかしい感じがしましたが、そんなに抵抗なく読めました。

犯人の、ブルジョワに対する憎しみ…の感情に、少しぞっとするものを感じました。





2のジュヌビエーヴは、作者が学生時代カンヌの学校に行っていたときに知り合った、地元の資産家の娘の話。
体に障害があり、母親は娘を乳母に預けっぱなしでアルコールに溺れ、出産後娘と一度も会わずに死んでしまい、ホテル経営者の父親には、途中から愛され、だんだんと外に出て、学生たちと交流するが…。

こちらはエッセイです。
エッセイはあまり好きなほうではないのですが、この話はまるで小説のようで1の話よりも印象に残りました。
著者はこの話を書き上げた数日後に亡くなったそうです。


コメント
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