子どものスポーツの大会などを見に行くと、横柄な親の姿が目につきます。あからさまに、審判をやじったりコーチをバカにしたりして、子どもに恥ずかしい思いをさせる親もいます。でも、困った親はそれだけではありません。善意からの行為が、無意識のうちに我が子のスポーツという体験を台無しにしているケースもあるのです。よかれと思ってやっているだけに、むしろこっちの方がやっかいなのかもしれません。
Proactive Coaching LLCのブルース・E・ブラウン氏とロブ・ミラー氏は、かつてスポーツコーチをしていた経験をいかし、学校などで大人向けの講演を行い、知らず知らずのうちに困った親にならないための方法を伝授しています。2人は数百人の大学生アスリートを対象に、子どものころにあったスポーツにまつわる最悪の思い出を調査しました。その結果、「試合終了後に親に送ってもらう車の中」という答えが圧倒的に多かったのです。
その理由は、「まだ汗も乾いてないうちに」、親が試合内容についてあーだこーだ言うからではないかと言われています。試合直後の子どもにとっては、勝ち負けは関係なく、自分のプレーやコーチの采配などについてグダグダ言われるのが嫌なのです。観客でも偽コーチでもなく、「親はただの親であってほしい」のが子どもたちの願いだと、ミラー氏は言います。