2015年、当時自由党の党首だったトルドー氏は、選挙戦で、世界で最も大麻使用の多いカナダにおいて100年近く続いた大麻使用を違法とする法律の無効化し合法化することを選挙公約に掲げ、世論調査で大多数のカナダ人が大麻合法化に賛成だとの結果を踏まえ、ウルグアイ(2013年12月大麻を既に合法化)に次いで、娯楽目的の大麻使用を合法化する法案が昨年2018年6月に賛成52反対29の投票結果を得てカナダ議会上院を通過し昨年10月17日に大麻使用が合法化し法案が施行。
その背景として2015年の調査でカナダ人は大麻に年間約60億カナダドル(約4975億円)を費やしていると試算され、市場規模は同国のワイン市場と同規模ということや、大麻の所持などの処罰には02年に年間10億カナダドル(約850億円)以上かかっていたそうで、カナダの少年の大麻使用率は先進国で最悪なのだそうだ。
そこでカナダ政府は「大麻の大人の使用は合法化しつつ、未成年への譲渡などを厳しく禁じて、若者対策に力を入れる方向に切り替える」としている。
合法化に踏み切った理由としてその他に、カナダ政府は年間70億カナダドル(約6000億円)の違法大麻の売り上げが犯罪組織に流れ込んでいると分析し、合法化して政府が流通を管理することで闇市場を縮小させて税収を上げる道を選んだということらしい。
EUではオランダなどでは大麻を違法としつつも積極的には罰しない「非刑罰化」政策を採っている。
米国では民主党が強い東西沿岸部のリベラルな州を中心にコロラド州やカリフォルニア州など9州と首都ワシントンで嗜好用娯楽目的の大麻使用が合法化されているそうなのだ。
2018年1月時点で米国とカナダの証券取引所に上場されている大麻関連企業は39社で、調査会社Genesis Market Insightsのデータによると、2017年には171億8000万ドル(約1兆9000億円)だった世界の大麻市場規模は、18年から23年かけて589億ドル(約6兆6000億円)まで伸びると予想されているそうで、製薬業界、ビール・タバコ業界と大麻企業との提携が進んでいるという現状らしい。
こうしてカナダや米国の一部の州など北米で「大麻の合法化」が進む一方で、世界で薬物の直接的な影響による死者は2015年で約17万人。そのうち最多の死者を出しているのが米国だという。17年に史上最多の7万人以上が過剰摂取で亡くなり、その内特に深刻なのがオピオイド(麻薬系鎮痛剤)の乱用が広がっていること。
米国では現在、末期がんやリウマチなどの激痛に対する強力な鎮痛剤であるオキシコンティン(OxyContin)(パーデューファーマ社 コネチカット州スタムフォード) などが本来の使用目的と異なる目的で様々な薬物常習者が好む薬物として街中で流行してしまい、薬物蔓延へと繋がっているらしい。
日本では「麻薬使用者の2割は覚醒剤使用へと繋がって行く」などの実態が指摘されており、薬物常習者は薬物の危険性に鈍感になって、さらに強い薬物使用へとエスカレートして乱用―依存―中毒となる危険性があることも指摘されている。
北米での大麻の解禁は非常に危険なことであり、麻薬の使用はまったく別の深刻な薬物蔓延への入り口でとなるケースが多いということを理解しなければならない。
北米で企業による合法大麻のブランド化やトラッキングサービスの立ち上げが進む一方、皮肉にも19世紀に英国のアヘン貿易でオピオイドであるアヘンを合法化され国内に大量に持ち込まれた中国をはじめ、シンガポール、インドネシア、ドバイ、イラン、サウジアラビアなどの国々では大麻の持ち込みには厳罰を科している。(サウジアラビアでは麻薬で捕まってしまえば基本は公開処刑なのだそうだ)
日本でも、大麻は使用はおろか所持することなども法律で禁じられているのである。日本では「大麻使用は覚醒剤使用の入り口になる」という認識があるからだ。今月、覚醒剤使用で経産省のキャリア官僚が逮捕などが報じられているが、北米に渡航する機会がある方々などは、現地で誘われても麻薬や様々な「ドラッグ」に手を出さないよう心して警戒して頂きたい。
引用:
http://www.kvp.co.jp/news/20190116/
常習化すると次第に強い薬物使用へとエスカレートし、覚醒剤やオピオイド薬物の中毒へと発展してしまうケースが増えているということらしいですしそうなると抜け出せなくなってしまうようです。
覚醒剤は特に脳が委縮しますし、その恐ろしさを世間が認識すべきですね。
北朝鮮では覚醒剤を外国向けに輸出できなくなった代わりに「正月のプレゼント」として覚せい剤が贈られる有様で、国内で蔓延し出しているのだそうです。まさに末期的ですね。
麻薬使用から覚せい剤使用へとエスカレートしていき需要があると蔓延することにつながりますから初めから手を出さないことですね。