(Davedehetre/Creative Commons)
私の診療所に通っている患者のジェンさんはある日、「持っているピアノを売りたいので、買ってもらえませんか。あなたがこのピアノを見る前に、決して売りはしません」と私に言いました。私は特にピアノを必要としていなかったので、ずっと見に行かなかったのですが、ジェンさんはくり返しこの話を持ち出してきました。
ある日、夫と一緒に出かけたとき、彼女の住む家の近くを通ったので、ついでに訪ねて行きました。部屋に入った瞬間、黒色のアップライトピアノが目に映りました。試しに一つのキーを叩いてみると、その美しい音色に感動して思わず涙がこぼれました。
20年前、私がまだ音楽学部の大学生だった頃、私はとてもピアノが欲しかったのです。しかし、兄弟が多く、3人も大学に行っているため、ピアノを買う余裕はありませんでした。ピアノを練習するために、私はよく遅くまで学校のピアノ室で待っていました。また、早朝は誰もピアノ室を使っていないので、よく早起きして学校へ行きました。自分専用のピアノを持つことは、あの頃の私の最大の夢でした。
夫は私の反応を目にして、すぐジェンさんにピアノの値段を聞きました。ジェンさんが楽譜から20年前の領収書を取り出すと、夫はピアノを買い取りました。
そして、ジェンさんはこのピアノにまつわる物語を教えてくれました。
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