K.Aさんは、脳脊髄液減少症の治療のため上京し、
その足で、お母様に付き添われて、私の整体室にいらっしゃいました。
「今日は体調がいいので、こちらへ伺うことが出来ました」
と、優しい声音で、ごあいさつ。
・・2児の母とは思えない、ほっそりとしたお嬢さんのような体つき。
K.Aさんが抱える難しい症状。(脳脊髄液減少症という病名)
この症状は、左側の頭に強い打撲を受けた後、発生しました。
打撲の衝撃で、脊髄の硬膜に孔が空き、脳脊髄液が漏れている可能性があるということで、
K.Aさんは膜の孔を塞ぐブラッドパッチ療法を受けています。
が、根治していない様子。
この症状に対して、私には一つの推想がありました。
K.Aさんが左の頬に強い打撲を受けた時、その衝撃で、
---1 頭蓋骨(顔面を含む)の縫合にズレが生じて、頭蓋が変形した
---2 頭蓋と頚椎の間でズレが生じた
それが原因となって、脊椎~頭蓋内を還流する脳脊髄液をはじめとして、血流、神経系に支障が生じている状況。
~~それが、K.A.さんの現状ではないか、という推想です。
私には、自分の技術は、この症状を和らげることが出来るだろう、という自負心がありました。
この日私は、K.A.さんに約2時間の整体施術を行いました。
少し専門的な話になりますが・・、
頭蓋の縫合に関しては、
左耳が下垂し、また耳の前後幅が拡大していました。
また、左耳変形に併せて、頬骨、あご、後頭、首, etc も変形。
そしてこれらの変形が、頭蓋内の環流に影響している可能性があり、
仰臥位で頭を支えて触診すると、
頭蓋が膨張気味で、しかも重々しく感じられました。
・・この触感は、頭蓋と頚椎とが接合不全のときに現れる触感です。
また、個人的な骨格の特徴として、
左腕の位置が、肩関節からややズレ(亜脱臼)ていました。
これは、左頭蓋への衝撃に対して抵抗が弱いことを示します。
私は精一杯、整体の施術をしました。
整体が終わる頃には、パーフェクトではないにしても、
「これで、だいぶ好くなるんじゃないかな・・」
と、期待感を感じました。
2時間の施術中に、K.A.さんといろいろお話しました。
K.A.さんが受けた、予期せぬ一瞬の衝撃によって、
地獄のような苦しい日々が始まったこと、
愛する子供たちに、良き母になれなくなったこと、
愛する夫に迷惑ばかりかけていること、
幸せだった家庭が、暗く陰鬱な家庭になってしまったこと、
そして、この苦しみを他人に理解してもらえないこと・・。
K.A.さんは、お母様と共に、九州へと帰って行きました。
「ごきげんよう、どうぞ、お大事に」
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