毎日が観光

カメラを持って街を歩けば、自分の街だって観光旅行。毎日が観光です。

砂場総本家

2005年06月27日 13時41分38秒 | 食べ物
 福永武彦に「廃市」という小説がある。大学生の主人公がゆっくり論文を書くために訪れた堀割で知られる美しい柳川。何一つ新しいことが起きる気配もなく、ただ死んでいくのを待っていくような街。時の停滞。ジョルジュ・ローデンバッハの「死都ブリュージュ」がもとになっている美しい話だ(大林宣彦の映画も秀逸)。「私の郷里柳河は水郷である。さうして静かな廃市の一つである。」(北原白秋「水郷柳河」)。
 そしてここにも廃市があった。都電の終点三ノ輪橋。 

 ここジョイフル・ミノワ(三ノ輪橋商店街)に一歩足を踏み入れると、そこは昭和50年代を最後に時を刻むのを放棄してしまったような印象を受ける。

 荒川区政50周年ポスター(昭和55年)。あなたはいったいどなたなのでしょうか?
そして、目指すお蕎麦屋さん「砂場」

 蕎麦というと江戸、という感じだが、発祥は大阪。大阪城築城の際、その砂の置き場(砂場)にあった「いづみや」や「津の国屋」などの店が蕎麦のルーツ。徳川家康の江戸入城にあわせて職人も江戸に入り、蕎麦がもてはやされるようになった(虎ノ門砂場の暖簾には「大坂屋砂場」と今でも書いてある)。現在東京には200軒近い「砂場」を名乗る店があり、巴町、虎ノ門、室町の砂場など名店も多い。その砂場の総本山がこの三ノ輪の「砂場総本家」である。建物は大正元年建設。
 入るとそこはぼくが子どもの頃行ったお蕎麦屋さんそのもの。ちゃんとテレビもついてる。店内にはさまざまな古いものが情け容赦なく飾られている。最初は意図的じゃなかったかもしれないが、今は結構意図的に飾ってんじゃないか、という感じもする。うきうきしちゃうね。柏の竹やぶ以来だ、店に入っただけでウキウキしちゃうのって。
 なぜか、「apaisez le soif(渇きをいやしてください)」とフランス語でグラスビールを勧める紙が貼ってある。なぜ、フランス語? それも墨で。不思議だ…
 ここを支配しているのは、ぼくとは別の論理のような気がする。
 トイレには鍵がない。「扉を押さえながらやれってことか?」とあたりを見回すと、棒。
 その棒で扉を押さえろ、と。棒だよ。マンガじゃアトムが飛び交う21世紀なのに、棒。
棒を見て、もう何を見ても驚かないぞ、と思ったが、やはり驚いたのが座った後ろにあった、これ。「ご自由にお遊びください」って。

 どう、ご自由に遊べばよろしいのでしょうか。
 食べ終わって、店の外に出ると、正面右下に鉄道模型のディスプレイがあり、心底楽しませてくれます。

 そんな砂場とすてきな三ノ輪をもうちょっとご紹介(味の話はないのか、とお思いの方もいらっしゃることと存じますが、そいつは野暮ってもんだ)。


 ディスカウント・ストア。いろんなものがお安く売っています。もとは何屋さんだったのだろうか、いろんな店名の上に無造作にディスプレイされています。


 うそ。やってませんでした。
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桃井かおり

2005年06月27日 10時56分56秒 | 観光

「あたしって、アンニュイとか最初言われててぇ」と桃井かおりの口調を思い出して頂けたらうれしいです。

 鎌倉円覚寺にて
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恵比寿

2005年06月27日 10時49分24秒 | 観光
 割とお気に入りの街。いつもどっかで撮影してて、メディアへの露出が多い街ですね。で、同級生二人(主婦と記者)と駅下の恵比寿さん前で待ち合わせ。今日も何かの撮影。

 上に行くとガーデンプレイスやウェスティン、下はおしゃれなのと庶民感覚のお店とのざったに混ざった不思議な街です。途中、記者をやってる子(?)が「ウェスティンに泊まったことがある」と失言。
 「誰と? 東京に住んでてなんでウェスティンに泊まるのよ?」
 「恵比寿の町中で華麗な性生活についての告白をしたいわけ?」と突っ込みの嵐。
 かわいそうだが、おいしそうな話題にはとことん食らいつかせてもらう。
 久しぶりに恵比寿神社に。

 ここに恵比寿神社があるからこの土地を恵比寿と呼ぶようになった、のではない。エビスビールの工場ができたからここを恵比寿、と。で、恵比寿という名の土地だからってんで、できたのがこの恵比寿神社。
 何年か前に入って、こりゃすぐに潰れると思った神社そばの駄菓子バーが健在なのにびっくり。

 そしてこれ。松坂屋ストアの坂より一本駅寄りの道にあった、これ。これなんだと思います?


 これね、寺。浄土真宗本願寺派の泉明寺。法事とかやる寺の会館ではなく、本堂。檀家さんたちがこれにOK出したのがすごいね。そこらへんが恵比寿、か。

 大阪の四天王寺そばにも、なんか極度に近代的な寺があったっけ、そう言えば。
 こんな仁王さんがいて。


 で、結局このあと、こじゃれた料理屋さんのハッピーアワーでがぶ飲みして、焼鳥屋でホイスを飲んで、What the Dickens!ってえクラブで飲んで、しめが「なゝ樹」の蕎麦と酒。
 次の日5時起き。我ながら、なんてタフ。

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