ロマンスカーの車窓からきれいな富士山が見えたが、山に入ってしばらくすると雲と霧で視界はかなり悪くなってしまった。
おまけに登山用のスパッツを持ってない、手袋がゴアテックスなどでない、などなど装備の不備。
金冷シ近くで、もうどうにもこうにもならなくなってしまった…
塔ノ岳から下りて来る人たちの頭が凍っている。
様子を聞いてみると上は吹雪だと言う。寒くて、冷たくて、風が強いので、いたたまれない、とのこと。
展望がないことだし、ここで引き返すことに。
なんなら来週にもまた来られるようなところ。体が冷え切って動かなくなる前にやめるのが賢明だろう。
下るために、道の脇によけて、シューズにアイゼンをつけてると、カップルが下ってきた。
「もう、あんな風に転ぶなんてショック。立ち直れないよお。お尻あざになってるよお、きっと」と女の子が言った瞬間、彼女はぼくの目の前で舞った。
転んでお尻を打つ話をしながら、転んでお尻を打つ人を見たのは初めてだ。下りにはアイゼンが必要だろう。
少し下ってテーブルのある場所でお湯を沸かしてカップ麺の昼食。こういう寒い日は温かい食べ物が何よりのごちそう。
霜が降りても緑が美しかった。
帰りのロマンスカーで宴会。スーパーで刺身と筑前煮を買って食べた。
ナイスだ、小田急OX。
朝6時に出て家に帰ったのは7時。
塔ノ岳には立てなかったし、重い機材担いでいったのに写真もロクに撮れなかったが、また雪山に登りたくてならない。