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教育のとびら

教育の未来を提言 since 2007
presented by 福島 毅

通り魔事件の背景

2008-08-18 | 雑感(教育以外の話題)
通り魔殺人の背景について少し考えてみました。通り魔殺人は、何の罪もない人が犠牲になるという悲惨なものです。これを防ぐには、社会背景の分析が不可欠だと考えます。
厳密性はありませんが、思考の取りかかりとしてマインドマップを描いてみました。
犯人に共通するキーワードとして、まず孤独というものが浮かびます。仲間すなわちよき相談相手がいなかったのではないか。家族や身近に親身になって相談できる人がいれば、なんらかの歯止めになったのではないか・・・1人で悩む姿はネット社会にもつながっていきます。

次に地域社会の崩壊、雇用の問題があると思います。どこかでドロップアウトすると元に戻れない状況が本人を追い詰めていると。これはマスコミでもよく話題になっている要因です。

家族形態の変化についても大きいでしょう。家族からの接触が過保護であったり過干渉であったり、あるいは全く興味を持ってもらえずネグレクトされた家族関係であったりします。祖父母がいない核家族化のために、子育てのノウハウが伝わらなかったり、親モデルがないなどが健全な家族内コミュニケーションの欠如をもたらしています。

ネット社会への移行も大きいと思います。メールや掲示板で仮想的な相手とつながっている。このことは1人での悩みの逃げ場になっていたり、メディアに触れる映像や情報が殺人などへのベクトルを向かわせている可能性を感じさせます。

加えて短絡的な思考状況があります。どうでもよかった、誰でもよかった、何もかも終わりにしてしまいたかったといった発想。ゼロかイチかでゲームのように解決しようとしてしまう。生身の生の重みの不足感を感じます。これは豊かな文化・芸術などに触れたり、自然体験などの不足とも関わっているかと思います。

そして死に対する隔たりが薄いということ。身近での死を実感する機会が少なくなりました。だんだん老いて死に至る祖父母の姿を見たり、昆虫採集などで虫の死を身近で観察するなどという体験も少なくなって、死がどういうものかという実感が伴っていない。なのに、メディアでは大きくそれが肥大化されて伝わってくる。死や殺人をモチーフにした作品はあまりに日本で氾濫しています。
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