教育のとびら

教育の未来を提言 since 2007
presented by 福島 毅

格差をどう考えていくか

2008-01-19 | 雑感(教育関連)
さきほどの選択の話と対象連動しますが、今、教育の格差は、どんどん開いています。

学校選択制の導入などは、わかりやすい例です。学校選択制におけるメリットは、文字通り選択肢が広がるというものです。学力が高ければより多い選択肢の中から学校を選べる。このことが少し過大評価されていることには、警鐘を鳴らしておいた方がいいと考えます。特に小学校段階においては。

選択制が導入されると、人気校と不人気校の格差が生じていきます。先生や生徒、施設・設備面でほとんど同じだった学校に、格差が生じてくるのです。教える先生の人事、予算、生徒の心理的内面の格差などがどんどん開いていってしまうというのが現状です。特に他の学校の生徒との能力格差がそれほどないにも関わらず「不人気校に登校しているのだ」という劣等感を抱いてしまうとしたら、これは健全な状態とは言えないでしょう。

ある分野で能力のある子供達が、学習環境を提供されること自体は悪いことではありません。学力に限らずスポーツや芸術などでもそうです。ならば、理科の好きな生徒はオプションとしての理科教育施設、芸術に秀でていればオプションとしてそういった学校の選択などがあって良いと思います。しかしながら、基礎学力をつける義務教育段階での格差、(特に公立学校において)は、日本全体の教育の質の低下を招きかねないという危惧を持ちます。

可能性のある生徒がどんどん開花すべき教育のシステムは必要であると思う一方、いわゆる勝ち組・負け組といった構造のある格差は是正し、それぞれの生徒にあった質の高い教育を保障するシステム、枠組み、工夫といったものが制度全般についても現場にも求められているのではないかと思います。
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