フォレスト大楽では、コーチングゼミ2年生を対象にファシリテーションのコンテンツを提供しています。
その中で、「中庸が難しい」という感想をいただいています。
この「中庸」という概念は、ファシリテーションではとても大切なマインドだと私は考えています。
なぜなら、例えばファシリテーションの場において、ある時は静的な場(静かで熟考する)がふさわしかったり、動的な場(ダイナミックに参加者が動き回ったり脳をフル回転させる)がふさわしかったりする。その両方のモードを使い分ける必要があったりする背景があるからです。
あるいは、ある時はルールや時間などを厳格にコントロールしながら会議を回すときもあれば、ある時は時間を決めずに自由に。ルールづくりも参加者に任せるといったスタイルがあるかもしれません。こうしたときも中庸やバランスがものをいいます。
しかし、どの塩梅が正解かというふうに考え始めると、資格試験のジャッジのように客観的な判断基準はないので、どのへんの塩梅がいいかをつかみにくいものだと思います。
そこで、おすすめする「中庸の磨き方」
まずは、両極端を考えてみるのです。例えば、どのくらいコントロール(介入)すればいいか判断に迷ったとき。
最もコントロール具合が高いのは、すべてをファシリテーターが決め、ファシリテーターがリードしてしまう場づくりです。
さすがにこれはレアケースでしょう。
逆に、最もコントロール具合が低いのは、すべてを参加者任せにし、ファシリテーターは一切かかわらない場づくりです。
これも、一部の場合をのぞき、現実的ではないです。時間の管理や最低限のグランドルールは示さないと場が乱れて収拾がつかないということになりかねません。
では、その両極端ではない「在り方」が中庸であり、両極端のケースを意識しながら、どのへんが一番この場にふさわしいかを進めながら考えるといいと思っています。そのレンジ(範囲)はさまざまで、0~100の間であったら55~60の狭いレンジときもあるし、30~80くらいのレンジの広い場合もあるわけです。
このように中庸具合を調整しながら試行錯誤する経験を重ねると、それぞれの場づくりにおいて、どのへんの塩梅が適当かというのがファシリテーターの身体感覚として自覚できてくると思うのです。
中庸の磨き方 いかがでしたでしょう?
この情報が役立てばぜひお使いいただき、紹介していただけたらと思います。