教育のとびら

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presented by 福島 毅

「日本の教師はだめなのか」という記事について

2014-08-29 | 雑感(教育関連)

日本の教師は本当にダメなのか? OECD教育局長は高く評価 という記事(THE PAGE 2014/7/14の記事より)

という記事をfacebookのフィードで見かけました。

記事によれば
****ここから引用
OECD非公式教育大臣会合に出席するため来日していたアンドレアス・シュライヒャー教育局長は日本向け発表記者会見で、日本の教師について「非常に素晴らしい。PISA(生徒の学習到達度調査)で最も良い結果を出しているのに、もっと学びたい、もっと力をつけたいと考えている」と絶賛した
****ここまで引用

ということです。

PISA順位があがっているにもかかわらず、さらに研鑽しようという意欲がみられること、しかし現場が忙しく研修時間が取れないというような主張のように思います。


私はちょっと違った観点で日本の教育を観ています。
まず、いいかだめかという2元的な評価はあまり意味のないものと考えています。
世界中、どの国や地域をまわっても、いろいろな教師はいるわけで、一概に国家単位でひとくくりにして議論するのは乱暴です。
ただ、国の文化背景や教育の大方針や取組には違いがあるので、おおざっぱな統計的なキャラクターは出るでしょう。
例えば、日本の教師の労働時間は国際比較で最長クラスであるといったことです。

教員研修などを仕事柄やっていると、日本の教師を客観的に観たときの強み、弱みに気づきます。
以下にまとめてみます。

〇強みと捉える場合  【×同時に、それが弱みとなる要素】

〇教える内容に忠実。ミッション遂行力 【柔軟性にかける。自分オリジナルな工夫が少ない】
〇全体を一律に指導する力 【個に応じた教育力。またはその企画力】
〇学校の中で教育を完結する。なんでも教師がやろうとする。 【地域や外部人材のリソースを有効活用できない】
〇教科指導、進路指導、生活指導、部活指導なんでもやる 【過労、鬱、燃え尽きなどを生み出す、生徒との触れあう時間がない】

このように、良いか悪いかという評価軸ではなく、何がおきているのか、それが行き過ぎればどうなってくるのかというバランスある視点が必要なのであり、総合的にみるとどうかというひとくくりでは強みや課題は見えてこないと思うのです。




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