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教育のとびら

教育の未来を提言 since 2007
presented by 福島 毅

いじめ問題のそもそも会議in栃木県下野

2012-08-06 | 研修・セミナー・講演など
そもそも会議を栃木県下野市の石橋公民館で行いました。
石橋公民館での開催は、春夏秋冬で1回ずつ予定されており、春の第1回につづき、今回は夏の第2回です。

前回のそもそも会議in下野から3か月が経ったのですが、その間に起きたいじめ問題は、避けて通れない大きなそもそもだと思ったのでこのテーマにしました。
まずは、「お金のいらない国4(学校編)」の動画を視聴。この物語では、不登校や学校でのいじめに悩むお母さんが登場。お金のいらない国からやってきた紳士との対話が始まりまるというストーリーです。

そもそも会議では、まずこの動画の感想を5分ほど自由に述べ合いました。今回は10人の参加だったので、5人グループ2班としました。
その後、「そもそも いじめはなぜ発生するのか」という問題について、単に○○が悪いという犯人捜しをするのではなく、もっと日本社会全体の構造を見ていきましょうということで、まずは個人のシンキングタイム。付箋に思いつく理由を書きます。
5分程度考えて、付箋に書き出してから、各自がそれをもとに発表。その後、自然な流れでグループ討論へ。

30分ほどして、他人の意見を聞き、最初に書いた付箋内容と比較して、自分が発見したこと、気づきなどをさらに付箋にメモしてもらいました。このことで、自分の中でどんな変化が現れたかを明確化します。そこで休憩。

休息後は、輪になった机配置に移動。「ようこそ賢者会議へ。皆さんは神様です。ですので思ったことは実現できます。どのような世界にしたら、いじめはなくなりますか? 人はどんな生き方をめざせばいじめをしなくなるのでしょうか? この賢者会議で提案してください。」という前ふりで、サークルの中で自由に意見を出してもらいました。

それが以下です。
+++++++++++++++++++++++++++++

◎もしも、こういう世界になったら いじめはないだろう。
 なくなるんじゃないか。(賢者の会議)

 人はこんな生き方になったらいじめはなくなるだろう。

・宗教心が薄れている。どんな宗教でもいいけど、宗教心を持つべき。。
”あるがまま” 人間平等というけれど、実際には能力や貧富の差はある。
これらの差を解消するのは事実上不可能だから、もちろん解消に向けて努力する必要はあるが、
そのままでもいいという、それぞれの居場所があれば、いじめはなくなる。

・「みんな違って みんないい。」という比べられない精神が大事。
日本国憲法に金子みすずの唄をのせる。また、それを挨拶にしていく。

・子供と親が一緒にご飯を食べる時間がないので、そういった時間をつくる。
トトロの世界がいい。昭和30年代、のんびりしていた。
一生懸命、お父さん、お母さんがいる。働く姿をみられる国。
昔のハングリーさが必要。ハングリーなら人々は助け合うのではないか。

・経済格差がない社会にする。ちゃんとした仕事があり、将来に対する不安がない社会。
医療、福祉、年金の不安がなく、安心・安全がある社会。
政治・経済・文化的に良い社会であれば、いじめはなくなる。

・そもそも「お金がなくなればいい」のではないか。
物の量で比べるのが経済で、お金が出回って人は比較をするようになった。
自分の子供でさえ、お金に換算しているのでは?
社会全体が物で比較し、優劣をつけている。これは、争いを生む。
比べることが無くなれば、いじめはなくなる。

・今の自分が一番だと思う、自損感情が育つ社会。

・物質的に満ちてきたが、精神的貧困度はあがっている。
これもしたい、こうしたいという欲求水準があがってきている。
あまり高望みしない日本になれば、精神的に豊かになる。

・CMなどにより、必要以上の欲望をあおりたてられてる。
競争社会になると居場所がなくなるので、反発したくなる。
力の強いものに反発できないから、弱い者にあたるといった構造が生まれる。

・支援されると自分が小さくなってしまう。
震災時、「ただあなたの存在があれば、それだけでいい」といってもらえて嬉しかった。
能力ではなく、その人のそのものが認められる社会。
その社会では、子供たちにもその価値が伝わる。
「これができるから価値がある」という条件づき社会ではだめ。
人はあるがままでいい という価値観を育てる。
そうであれば、各自が十分みたされるから、いじめに向けている余計なエネルギーが回らない。
みんながそういう意識を持つことが重要。

・いじめはとにかく早く気がつく。大きないじめになる前に助言、親へ伝える。
子供が意思表示できるようにする。
先生は、学校の中のいじめは特に気を遣うこと。もっと先生が積極的に関わる。

・「良い加減」に生きる社会。迷惑かけちゃいけないという思いや義務感しかないと苦痛。
親は親で一生懸命やっているが、それでも「最近の親は・・・」となる。
ちゃんとなっているのに認められないとつらい。
そうなると、大人もお酒やギャンブルか、人に対して攻撃的になる。
きっちりしようとするのがストレスになる。

・昔は道徳でしばられてきた。価値観が自由になってきた。
ものの捉え方、感性が違ってきている。どこまで歩みよるのかが難しい世の中。
多様性はみとめて、自由でいいということが、かえって混乱を大きくしていることもある。 
みんなで受け入れられるものをどうつくっていくかが課題。

・その子がどんな感情になっているのか?をみんなで知ることが重要。
いじめ自体の中身だけで、感情を度外視して見ている。
どんな感情を育てているのか? 大人が理解する必要がある。

・赤ちゃんは純粋無垢な存在。母乳、布オムツで育てるのがいい。
紙オムツは感覚がわからなくなる。
母ができることはなにか? 「お帰り」がいえる家庭。
三つ子の魂100までは、子育ての根源。

・社会全体にみると、インスタントがとても多い。
会議もインスタント。本来1年かけるものも1時間くらいのインスタント。
人間関係もインスタントになっているのではないか?
人間関係もインスタント料理といっしょで効率的が重視され、
なんでも速さに置き換えている傾向があるのでは。
もっと世の中ゆっくりでいいんじゃないか。

・親子でコミュニケーションはかっている社会。
家庭の中で話し合う、コミュニケーションをはかるだけでなく、学校も家庭もリンクできている社会。

+++プチまとめ+++++++++++++
・みんなが気遣って見いてくれる社会。

・他人と比較されない社会

・条件づきで評価されない社会

・社会にある、見えないストレスを取り去る。


とまぁ、長くなりましたが、エッセンスも出てきたように思います。
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