卓写!! ―Taku's Nature Photo Gallery―

野鳥,植物,昆虫,風景写真を中心にしたフォトギャラリー&日々の雑感などを徒然なるままに・・・

トビ

2015-01-05 00:43:13 | 野鳥
トビはタカ科の鳥であり,おそらく最も身近な猛禽類である。しかし他の猛禽類に比べて一段格下に見られているのではないかと思う。
トビは狩りをすることはまずない。動物の死骸を食べたり,時には生ゴミをあさったりもする。他の猛禽が肉食なのに対し,トビは雑食なのだ。


私が小学5年生の時,クラスの友達が登校途中に大型の鳥に頭をつかまれけがをするという事件があった。彼は頭から血を流しながら学校に来て保健室で治療を受けた。幸い帽子をかぶっていたため大きなけがにはならなかった。彼は「トンビにやられた」と言っていたのだが,もしかすると他の猛禽だったのかもしれない。また,私自身も猛禽に襲われかけたことがある。大学2年生の時,福島市と米沢市の境目にある板谷峠付近で地質調査のため3人で山道を歩いていると前方の木のてっぺんに一羽のタカがとまっていた(今考えるとオオタカだと思う)。その下を通ったときもタカは動かず私たちを睥睨していた。その場を通り過ぎふと振り向くと,我々に向かって急降下しているではないか。咄嗟にしゃがみ込むとタカは羽音もたてずに頭上を通過していった。あの時のタカの目はいまだに鮮明に覚えている。

トビに話を戻そう。私が25年ほど前に石巻に勤務していた頃,日和大橋近くの水産加工会社の工場が集まっている辺りにはそれこそ無数のトビがいた。トラックの荷台からこぼれる魚を狙っていたのだ。また,最近も栗原市の若柳金成インター付近を流れる夏川沿いの電線に20~30羽のトビがとまっているのを見た。川原に何かの死体があるのではと思って見てみると,遡上してきて最期の役目を終えボロボロになったサケが数尾横たわっていた。トビはこれを狙っていたのだった。

大崎市蕪栗沼の堤防を歩いていると,前方にトビがうずくまっているのが見えた。けがでもしているのだろうか…。しかし,私の姿を認めると普通に飛び立っていった。トビは何をしていたのだろう。その場所に歩を進めてみた。


そこにあったのはカモ(たぶんオナガガモ)の残骸だった。おそらくキツネかイタチにやられてほとんど食われたカモの残骸をこのトビがあさっていたのだろう。



帰りに伊豆沼まで足を運んだ。2羽のトビが葉を落とした木に佇んでいる。陽もだいぶ落ちてきて夕暮れ時が迫っている。その後ろ姿に幾ばくかの寂寥感を感じながら伊豆沼を後にした。
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