(阿修羅より転載)
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/460.html
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/201583
2017年3月16日 日刊ゲンダイ
爆弾は1つじゃない(森友学園の籠池理事長と記者の質問に答える菅野氏)/(C)日刊ゲンダイ
■稲田防衛相の大ウソと籠池一家の本当の関係
悲願の小学校の認可申請取り下げで、おとなしくなるようなタマじゃなかった。15日上京した「森友学園」の籠池泰典理事長(64)が向かった先は“不倶戴 天の敵”の家。「日本会議の研究」の著者・菅野完氏(42)の単独インタビューに応じるためで、詰めかけた大勢の報道陣を前に、菅野氏は「籠池さんの持っ てはるモンが全部出てきたら、内閣が2つ飛ぶ」と不敵な予言だ。幕引きを図ったはずが、想定外の2次ラウンドに突入─―。籠池爆弾の破壊力に、裏切りの 「恥知らず」たちは一様に、青ざめている。
籠池理事長を最も怒らせているのが、稲田朋美防衛相だ。ブチ切れるのも無理はない。
「10 年前から会っていない」「法律相談は受けていない」「裁判に出廷したことはない」――。弁護士時代の籠池氏との関係について、息を吐くように嘘をつき続 け、証拠を突き付けられると、「夫の代わりに出廷したことを確認できた」「記憶に基づいて答弁をしたものであって、虚偽の答弁をした認識はない」とこの期 に及んで居直る。
菅野氏は「人として美しくない」とバッサリだったが、この稲田の言い訳も限りなく「大嘘」に近い。
弁護士の小口幸人氏がこう言う。
「『夫 の代わり』というのは疑問です。夫の龍示氏が本来の担当なら、第1回の口頭弁論に本人が出廷しないのは不可解です。なぜなら第1回の期日は、裁判所が必ず 原告の訴訟代理人と日程を調整して決まります。原告の代理人が日程が合わずに出廷できないなんて通常あり得ません。しかも、04年に森友学園と顧問契約を 結んで最初の訴訟です。他の弁護士に任せるような失礼なことをするでしょうか」
しかも籠池氏は、稲田とは父親の代から家族ぐるみの付き 合いのようだ。父親の椿原泰夫氏(昨年10月に死去)は元高校教諭で、京都のヘイト団体「頑張れ日本!全国行動委員会」の代表も務めた根っからの極右思想 の持ち主。関西保守系では有名人だった。12日に動画サイトに公開された菅野氏とのインタビューで、籠池氏はこう語っていた。
「教育関係の人間ですから、お嬢さん(稲田大臣)より、椿原泰夫先生の方が昵懇だった。ある時期までは」
籠池氏に「お嬢さん」と呼ばれる稲田。弁護士や政治家としてやってこられたのも、父親や籠池氏の“助け”があってこそではないのか。まるで汚物を振り払うかのように“旧恩の人”を突き放す卑劣な態度は、大臣の資質ウンヌン以前に、人間失格だ。
■政権の思惑に乗っかり、籠池一人を悪者にしようとした大メディアの右往左往
大メディアの報道もひどい。籠池理事長がきのう午前11時前に東京・羽田空港に到着すると、パパラッチのように追跡を開始。
日本外国特派員協会での会見を中止し、菅野氏の自宅に入ると、記者やキャスターが何十人も自宅前に押しかけ、代理人状態の菅野氏に「会見は中止か、延期か」と激しい形相で詰め寄った。
だが、ちょっと待って欲しい。確かに籠池氏はウルトラ右翼の言動を繰り返す“大阪の怪しげなオッサン”だ。しかし、本質はそこではない。矢面に立った菅野 氏が「マイクを向ける相手が違う」「ホンマ悪いヤツを追いかけた方がええ」と忠告したように、疑惑を覆い隠そうとする権力者たちの闇を追及するのがメディ アの仕事のはずだ。
元NHK政治記者で評論家の川崎泰資氏がこう言う。
「マスコミは籠池氏を追いかけ回し、彼の一方的 な主張をタレ流しています。恐らく、キャラが濃く、視聴率が稼げるので“おもちゃ”にしようとしているのでしょうが、そんな報道を見て『しめしめ』と一番 喜んでいるのは安倍政権だと思う。政と官をまたぐ一大疑獄になる兆しがある大事件なのに、ワイドショーネタに矮小化されて伝えられているからです。果たし て政治家の“口利き”があったのか、あったとすれば誰なのか。報道機関として調べることが山のようにあるはず。本質を突くのがジャーナリズムの本来の役目 なのです」
先週の会見で籠池氏は「あまりにもひどくえげつない報道」と大メディアに恨み節だったが、それも「むべなるかな」という気がしてくる。
予想外のタッグ(森友学園の籠池理事長と菅野完氏・左)/(C)日刊ゲンダイ
■籠池、菅野コンビが仕込んでいる爆弾は他にもある
稲田が弁護士時代に森友の訴訟を担当していた事実を突き付け、国会答弁の嘘を暴いたのも菅野氏だった。
すでに籠池氏と何時間も膝詰め談判した菅野氏は、稲田の問題以外にも政権を揺るがす爆弾を手にしたはずだ。きのう、都内の自宅で籠池氏と会談する直前には、報道陣にこう話していた。
「爆弾は(稲田の話以外に)あと4つある」
「きょう話を聞いて、さらに7つくらい出てくると思う」
彼はモノ書きだから、慎重にウラ取りをした上で、信じるに足る事実は発表していくだろう。どんな爆弾が飛び出すのか。安倍官邸は戦々恐々である。
「稲 田大臣の他にも、森友学園と関係の深かった政治家の名前が間違いなく出てくる。国会議員から森友サイドにカネが渡っていたという話も流れているし、これに は現職の閣僚も関わっているらしい。そんな話が表に出てきたら大変だ。総理に近い代議士の秘書が土地取引で暗躍したという噂もある。4月に予定されている 集中審議の前に、何とか森友問題を沈静化させたいのだが、投下される爆弾の内容によっては、今以上に燃え広がってしまいかねない」(官邸関係者)
これまで菅野氏は森友学園の教育方針を厳しく批判してきた。その菅野氏と籠池氏がまさかのタッグ。この展開は予測不能で、森友の認可申請取り下げで幕引きを図っていた官邸にとっては大きな誤算だ。
「恐らく籠池さんが持ってはるもんが全部出てきたら、内閣が2つ分くらい飛ぶと思うんです。安倍晋三みたいなん、どうでもエエって話になると思う」
菅野氏は爆弾の破壊力をこう表現していた。事件はこれからが本番だ。
■もう収拾不能、破廉恥内閣を待ち受ける悶絶死の運命
与党の中からも「事態収拾には稲田防衛相の辞任は避けられない」という声が上がり始めていたが、籠池氏が菅野氏に爆弾を託したことで、完全に潮目が変わった。もはや、稲田のクビ程度で収束は無理だ。
「稲 田防衛相の辞任は当然ですが、誰が見ても能力不足の彼女に目をかけ、防衛相にまで就けたのは安倍首相です。任命責任は免れない。それ以上に、森友疑惑の背 後には安倍政権と極右のいびつな人脈があることが国民に広く知られれば、政権は持ちません。極右思想を共有する仲間内で便宜を図り、甘い汁を吸う。安倍政 権がやっていることは国家の私物化です。罷免された韓国の朴槿恵前大統領と構図は変わらない。籠池理事長が本物の愛国者なら、知っていることを洗いざらい ブチまけるべきです。この破廉恥政権を倒すことこそが真の国士の役目です」(政治評論家・本澤二郎氏)
権力に驕って好き放題を続け、保 身のためには熱心な支援者も平気で切り捨てる。そういう安倍政治の本質が問われているのだ。安倍に「しつこい」と罵倒され、稲田からも「大変失礼」と非難 された籠池氏は、「トカゲの尻尾切りはやめて欲しい」と訴えていたが、渾身の反撃で追い詰められるのはトカゲ本体の方だ。
何しろ、籠池爆弾は「内閣2つ」吹っ飛ばす威力なのである。安倍政権は確実に倒れる。周囲まで延焼し、現政権の中枢は二度と立ち上がれなくなる。そんな悶絶死も、ロクでもない勢力に支えられてきた安倍政権の宿命なのだろう。自業自得という他ない。