野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

豪奢なピンクのバラ「クイーン・エリザベス」(薔薇シリーズ05)

2019年11月06日 09時54分02秒 | 

栄誉殿堂入りのバラの品種の五番目は、周知のバラ「クイーン・エリザベス」。大英帝国の女王の名前にふさわしい堂々としたピンクの大輪だ。おおらかに咲いているところがいい。グランディフロラ系統第一号のバラだという。

(2019-10 東京都 神代植物公園) 

クイーン・エリザベス

Queen Elizabeth
バラの系統 グランディフロラ【Gr】orハイブリッド・ティー【HT】
開花のしかた 四季咲き 3輪ほどの房咲き
花径 12cm
花形 丸弁抱え咲き or 盃状咲き
香り 微香
樹形 ブッシュ樹形(直立性)rose_1
作出情報 1954年 アメリカ/Dr. Walter E. Lammerts
1979年の世界バラ会議で殿堂入り

グランディフロラ系統【Gr】は、ハイブリッド・ティー系統のゴージャスな花形と、房咲きするフロリバンダ系統の特徴を兼ね備えた系統です。1954年にアメリカで作出された「クイーン・エリザベス」に対して、アメリカバラ協会は、これを新しい系統と認めグランディフロラ系統(Grandiflora)のバラとして発表しました。つまり「クイーン・エリザベス」は、グランディフロラ系統第一号のバラなのです。

しかしグランディフロラ系統とハイブリッド・ティー系統のバラの区別がつきにくくなってきたことから、現在ではグランディフロラ系統を正式な系統名として採用していない国が多くあります。日本でも「クイーン・エリザベス」を「ハイブリッド・ティー系統」としている場合がよく見られます。

品種名は、1952年に女王となったイギリスのエリザベス女王の戴冠にちなんで命名されました。現在のエリザベス女王を象徴するバラとしては、やや初々しさのある色味ですが、即位当時26歳のエリザベス女王に捧げられたバラですから、美しいピンク色のバラが選ばれたのも頷けますね!

「クイーンエリザベス」は、1979年に南アフリカのプレトリアで開催された世界バラ会議で殿堂入りを果たしています。


黄色い花がよく映えるキンロバイ(箱根シリーズ09)

2019年11月06日 07時32分56秒 | 

樹木のような草のようなキンロバイ。暗い緑の葉と梅に似た形の黄色い花がよく映える。湿性花園では岩場に植えられていた。

(2019-09 神奈川県 箱根町) 

 

キンロバイ

キンロバイとは

キンロバイは、「金露梅」という名前のとおりウメに似た黄色い花を咲かせ、シンプルでふくよかな花形と、明るい花色が人目を引きつけます。小さな葉が密生し、よく枝分かれして、花が株全体に散らばるように咲きます。1輪の寿命は短いですが、次々と長期間咲き続け、特に冷涼地では秋まで咲くこともあります。

日本では、中部地方以北にキンロバイ(Potentilla fruticosa var. rigida)、中部地方以西にハクロバイ(ギンロバイ、P. fruticosa var. mandshurica)が自生しています。標高3000mの高山帯にも自生していますが、耐暑性もあるので、平地でも庭園樹として古くから利用されています。自生地では低く這うように育ち、平地では樹高1mくらいになります。鉢で盆栽のようにつくることもでき、高山の岩場のような雰囲気が出せます。個体差や地域による変異が多く見られ、いくつかの変種に分類されることもあります。

園芸品種は、英国を中心に海外で100以上が育成されています。自生地が広く、地域による変異が多いので、園芸品種にもいろいろな系統や個体差が見られ、バラエティー豊かです。そのうちの一部が日本でも流通しています。品種名がなく、野生種や個体選抜されたものなどがキンロバイの名前で流通しているものも多く見られます。


橙色のミニボールのダリア「マレン」(ダリア・シリーズ18)

2019年11月05日 09時44分51秒 | 

ボール咲のオレンジ色の小輪のダリア「マレン」。ミニボール咲ともいわれるように、小さな花が次々と咲いて楽しい。マレンというのはドイツ人の作者の名前らしい。

(2019-10 東京都 神代植物公園) 

 

ダリア「マレン」


素晴らしい生命力に感嘆するナガボノシロワレモコウ(箱根シリーズ08)

2019年11月05日 09時03分35秒 | 

ナガボノシロワレモコウは「長穂の白吾亦紅」だ。ワレモコウの穂が白くなり、長く伸びたという意味で、実に特徴をそのまま示している。ショウマ類にも見えるが、花はよく見るとワレモコウだ。氷河時代からつづいている植物らしい。すごい生命力だ。

(2019-09 神奈川県 箱根町) 

 

ナガボノシロワレモコウ

ナガボノシロワレモコウ Sanguisorba tenuifolia var. alba (バラ科 ワレモコウ属)
 ナガボノシロワレモコウは湿原や湿性の草原に生育する多年草。北海道・関東地方以北の本州、樺太に分布するが、中国地方などにも隔離分布している。湿原に生育する植物は、氷河時代に分布したものが生き残っていることがあり、ナガボノシロワレモコウもその例の1つである。
 地下に太い根茎があり、8月から10月にかけ、高さ1mほどの茎を出して花を付ける。茎の上部は枝分かれして長さ2~5cm程の花穂を出し、長いものは垂れ下がる。花は先端から咲き始め、花弁はない。萼片は4枚で白色であり、これが花の色となっている。雄しべは4本で長く、黒い葯が目立つ。葉は11~15の小葉からなり、小葉の幅は狭いく、三角形の鋸歯がある。


甘い香りが強いドゥフトボルケ(薔薇シリーズ04)

2019年11月05日 07時41分58秒 | 

ドゥフトボルケとは「香りの雲」とでも訳せる名前であり、甘い香りが強いことから名付けられた。一輪から複数輪の房咲の赤バラ。1981年に栄誉殿堂入りした。花の開き方にそこはかとない色気があって魅力的である。

(2019-10 東京都 神代植物公園) 

 

 

 

ドゥフトボルケ

和名 ドゥフトボルケ
英名 Duftwolke
系統 HT
作出者 Tantau,M. (タンタウ)
作出年度 1963
作出国 Germany (ドイツ)

花色は上品なコーラルレッド。
花径13cmほどの大輪の整形花。
芳香種で、フルーティーなとてもいい香りがします。
暑さや寒さにはやや弱い品種です。

数々のバラのコンテストで受賞、栄誉の殿堂入りのバラ。

別名:Fragrant Cloud (フレグラント クラウド)
交配親:実生 × Prima Ballerina
四季咲き性。花径:13cm。樹形:半横張り性 w.80 × h.100cm。香り:強香。芳香種。


とても優雅な小さな花を咲かせるアキノウナギツカミ(箱根シリーズ07)

2019年11月04日 09時09分34秒 | 

アキノウナギツカミは花はママコノシリヌグイとそっくり。どちらもユニークな名前で笑わせる。この程度の棘でウナギが掴めるとも思えないのだが、花弁の先にほんのりと紅が残る咲き方はとても優雅だ。箱根湿性花園であふれるほどに咲いていた。

(2019-09 神奈川県 箱根町) 

 

アキノウナギツカミ
Persicaria sieboldii
イヌタデ属
ENG=タデ科 Polygonaceae
【漢字名】秋の鰻掴
【花期】7~11月 【分布】北海道・本州・四国・九州 【草丈】足首~腰
【環境】人里・田畑,山地・低山,河原・渓流,原野・草原,湿地・池沼

アキノウナギツカミは低地の湿り気のあるところに生える一年草。
同じようなコンペイトウ形の花序をつけるものに,ミゾソバやママコノシリヌグイがあるが,アキノウナギツカミの葉は細長く披針形になるので見わけることができる。
同じような環境でよく見かける種としてはヤノネグサガあるが,花序は顕著な球形ではなく花はやじり形に集まる。
ほかにもウナギツカミと名のつく同属の植物は何種かあるが,アキノウナギツカミはそのなかでもっとも普通に見られるもの。


優美な花と豊潤な香りの両方を楽しめるバラ「ダブルディライト」(薔薇シリーズ03)

2019年11月04日 08時38分49秒 | 

これも栄誉殿堂入りの名花「ダブルディライト」。二重の喜びという名前は、この内側のクリーム色と外側の赤との素晴らしい組み合わせを指したものだろうか、それとも花の美しさと高い豊潤な香りの両方を楽しめるという意味だろうか。いずれにせよ、眺めているだけで喜びが味わえる貴重な一品。半剣弁高芯咲きで、花が立ち上がってくるようにみえるのもいい。

(2019-10 東京都 神代植物公園) 

ダブル デライト

和名 ダブル デライト
英名 Double Delight
系統 HT
作出者 Swim,H.C & Ellis,A.E
作出年度 1977
作出国 USA (アメリカ)
紹介文 まるで花自身が光を放っているかのよう...。
花色は、クリーム色に紅色の覆輪。咲き進むにつれて紅色がのってきます。
色鮮やかで光沢感があり、輝いているように見えます。

芳香種で、フルーツのような甘い香り。
数ある覆輪系のバラの中でも、とても評価が高く人気のある品種です。

品種名のダブル デライト(Double Delight)は2重の喜びの意。
1977年AARS受賞。1985年 世界バラ会連合殿堂入り。

交配親:Granada × Garden Party
四季咲き性。半剣弁高芯咲き。花径:12cm。樹高:120cm。照り葉。芳香種。

 

 

 

 


たおやかなクリーム・イエローの花が魅せる「エリナ」(薔薇シリーズ02)

2019年11月03日 10時59分47秒 | 

栄誉殿堂入りの大輪「エリナ」。たおやかなクリーム・イエローの花を咲かせる。丸弁高芯咲きの淡いクリーム・イエローの花が魅せる。

(2019-10 東京都 神代植物公園) 


 

エリナ

バラの系統 ハイブリッド・ティー【HT】
開花のしかた 四季咲き、一輪咲き
花径 12cm
花形 丸弁高芯咲き
香り 微香
樹形 直立ぎみのブッシュ樹形
作出情報 1983年 イギリス/ディクソン
備考 2006年 日本で開催された世界バラ会議で殿堂入り
別名「dicjana」「Peaudouce」

明るいクリーム・イエローの大らかな大輪花
中心が明るい黄色、外側にいくほど淡いクリームイエローになる品のよい花を咲かせるエリナ。花径12cmの丸弁高芯咲きの花は、たっぷりとした大らかさを感じさせます。
樹形は直立ぎみのブッシュ樹形で、樹高1.4mと枝がよく伸びます。花壇では後列に配置するとよいと多くアドバイスされています。香りは微香。
品種名の「Elina」は女性名に由来します。フランス語名の「Peaudouce」は「柔らかな肌」の意味。
2006年、バラの栄誉殿堂入り
エリナは、2006年に日本で開催された世界バラ会議で殿堂入りに選ばれたバラです。
その理由は花の美しさはもちろんですが、何よりこのバラの育てやすさが高く評価されたようです。耐寒性、耐暑性、さらに耐病性にも優れ、うどん粉病や黒点病になりにくい育てやすいバラです。ほぼ無農薬栽培も可能と書かれているサイトもあります。
とても優れた、初心者にもおすすめできる育てやすい品種ですが、意外と知られていません。
理由は同じ2006年にエリナとともに殿堂入りに選出された「ピエール・ドゥ・ロンサール」があまりに人気になりすぎたためでしょう。さらに、世界的なバラの流れとして、オールド・ローズの花形が好まれるようになっていったせいもありそうです。
少し不運なところもあって、あまり知られていないエリナですが、後世に残る素晴らしいバラのひとつです。


力強い赤の大輪「ビッグファイアーバード」(ダリア・シリーズ16)

2019年11月03日 09時53分31秒 | 

赤の大輪のダリア「ビッグファイアーバード」。赤の大きな花を空に向けて開く。インフォーマルデコラ咲きの花は力強く、見る者を引き付ける。

(2019-10 東京都 神代植物公園) 



「ビッグファイアーバード」

日本最大のダリア園「秋田国際ダリア園」から出荷された良質の球根です。いずれの球根も秋田国際ダリア園の代表であり著名な育種家でもある鷲澤氏のおすすめ品種です。ビッグファイヤーバードは、強い花茎に支えられ上向きに咲く品種です。秋が深まった頃に咲く花弁には、不規則に白色が混ざることのある変わり咲き品種です。

花型:インフォーマルデコラ咲き
花色:赤(赤/白)
草丈:中高性
タイプ:キク科の球根植物
植付け適期:3月~6月
開花時期:6月~10月

栽培方法:
原産地の気候により、高温と乾燥を嫌います。日当たりが良く、しかも夏は涼しい、水はけのよい土に植えてください。植付け時に堆肥などを混ぜると大きく生長します。アブラムシが発生しやすいので、浸透性殺虫剤をまくなどして予防してください。寒さに弱い球根なので、晩秋には堀上げを行います。分球する際には、クラウンと呼ばれる球根の付根部分に発芽点があるので、傷つけないよう一緒に切り分けて下さい。


渋い白のギンミズヒキ(箱根シリーズ06)

2019年11月03日 08時55分39秒 | 

箱根湿性花園で溝の近くで咲いていたギンミズヒキ。ミズヒキの赤の花が白くなったものだ。キンミズヒキはよくみかけるが、ギンミズヒキはなかなかお目にかからない。それに写真に撮るのがとても難しい花だ。色があると撮りやすいのだが。それでも渋くていい花だ。

(2019-09 神奈川県 箱根町) 

 

 

 

ギンミズヒキ
北海道-九州の山野の林のふちなどに多く生える。高さは40-80cm。葉は楕円形で長さ5-15cm、先はとがる。両面に毛があり、時に表面の中央に黒い斑紋がある。花弁はなく、萼片は4個あり、白い。花柱の先はかぎ状に曲がる。ミズヒキの白花品種。花期は8-10月。
学名は、Persicaria filiformis f. albiflora
タデ科イヌタデ属


妖艶な緋赤色のバラ「イングリッド・バーグマン」(薔薇シリーズ01)

2019年11月02日 10時27分12秒 | 

2000年に栄誉殿堂入りのバラ「イングリッド・バーグマン」。赤いバラの代表作だろうが、本物のバーグマンのほうがもっと妖艶かも。緋紅色の半剣弁高芯咲きのハイブリッド・ティー(HT)系統。写真のバラは少し疲れているので、リンクのバラもごらんいただきたい。

(2019-10 東京都 神代植物公園) 

 

 

 

 

イングリッド バーグマン - Ingrid Bergman
大女優の名を頂くにふさわしい、ふっくらと端正な花容を持ち、しっかりとした花弁と輝くような色彩は特に素晴らしい。赤ばらと聞いて多くの人がイメージするような、誰が見ても美しい代表的な赤ばらといえます。よく整う赤ばらの傾向として香りが少ないのは惜しいところですが、花付きは大変良好です。樹の成長はやや緩慢でコンパクト、少し遅咲き。

品種名 イングリッド バーグマン
ローマ字 Ingrid Bergman
商品番号 1180037
系統 ハイブリッド ティー (HT)Hybrid Tea
咲き方 四季咲き
香り 微香
花径 10㎝
樹高 1m
樹形図 1c番 半直立
作出年 1984年
作出国 デンマーク
作出者 L. Pernille Olesen , Mogens Nyegaard Olesen
別名 Poulman


草原でアザミに似た花をつけるタムラソウ(箱根シリーズ05)

2019年11月02日 09時18分02秒 | 

タムラソウはアザミと見間違えそうだが、棘がないのが特徴だ。それと写真にみられるように、筒状花の末端が丸まることが多い。色もきれいだ。和名はたくさんの花がつくから「玉群草」だとか、玉帚だとか言われるらしい。果実は花がそのまま枯れたようにして結実する。果実のほうが「箒」に似ているかもしれない。

(2019-09 神奈川県 箱根町) 


タムラソウ
学名 Serratula coronata var.insularis
別名 タマボウキ
田村草 分類 キク科タムラソウ属 (多年草)
玉がたくさんついた草の意味の玉群草(タマラソウ)から転化したとされる。茎の先にたくさんの花が咲いた様子からついたようだ。別名も同じ。
原産・分布 本州、四国、九州
神奈川県 丘陵地を中心に分布する。草地や明るい雑木林、林縁に生える。
花の時期 8月~10月


赤い巨星「レッドマーズ」(ダリア・シリーズ15)

2019年11月02日 08時00分24秒 | 

インフォーマルデコラ咲の「レッドマーズ」。赤い火星の意味だろうか。堂々とした大輪である。火星は赤いとされているが、キム・スタンリー ロビンスン に「レッドマーズ」や「ブルーマーズ」や「グリーンマーズ」などのSF連作がある。

(2019-10 東京都 神代植物公園) 




王者の風格を漂わせるダリア「巨星」(ダリア・シリーズ15)

2019年11月01日 09時38分00秒 | 

20cmを越える超大型の黄色い花を咲かせるダリア「巨星」。その名前に恥じない大輪である。花弁のつき方がかなりまばらなところも、ゆったりとした王者の風格を漂わせている。

(2019-10 東京都 神代植物公園) 

 

ダリア「巨星」