ルアペフ山・タナラキ山登頂記(3)オークランドに到着
2006年1月28日(土) 機中泊
私達は成田発定刻18:00のNZ90便でニュージーランドのオークランドへ向かっている。成田の出発時間が1時間40分ほど遅れたものの,まあ順調に飛行している。そろそろ日本時間で22時を過ぎている。ニュージーランドは,今,夏時間,したがって日本との時差は4時間である。私は腕時計の時間を4時間進ませてニュージーランド時間に合わせる。
私達は,丁度今,機中で旅行2日目,つまり1月28日を迎えた。機内は照明を落として薄暗い。大多数の乗客は,うつらうつらと眠っている。機内はゴウゴウとエンジンの音が持続しているだけで,話し声は殆ど聞こえない。奇妙な静寂が続く。
狭い座席に座っていると,だんだんと足がだるくなってくる。身体をよじって無理に胡座をかいてみるが,変な姿勢になるので長続きしない。前の座席の肘掛けの端に足の先を引っかけてみるが,滑ってしまう。それではと前の座席の雑誌入れポケットに足を乗せてみるが,弱くて不安定である。それではと,このポケットに枕をねじ込んで,その上に足をのせてみる。やっぱり落ち着かない。その内に隣の席に座っているビアンコさんの夫がトイレに立つ。別にトイレへ行きたいわけではないが,私もつられるように,機内後方へ行って「つれ○。○」する。トイレ脇の狭い空間で暫く,足踏みやストレッチを繰り返して,足を労る。効果覿面で,すぐに足の具合が大変良くなる。気分が良くなったので,席に戻る。
2:46頃,これまで安定していた飛行機が,乱気流の中に入ったのか,かなり揺れ出す。しかし,足の方は,先ほどのストレッチのためか,随分と楽になる。でも,もう眠れない。その内に,機内が何となく暑くなってくる。
3:43,機長のアナウンスがある。全く聞き取りにくいニュージーランド訛りの英語で,
「・・・・当機はあと4時間余りでオークランド空港へ到着します・・・」
と言っているらしい。すぐにスチュワーデスが,日本語でほぼ同じ内容のアナウンスをする。
「・・・まだ,4時間も乗るのか!・・・あ~ぁ・・厭になるな~ぁ!」
私は,ただ,ただ,時間が早く経つことを願っている。眠るような,寝ていないような・・・疲れているような,鈍っているような・・・とにかく曖昧な時間がダラダラ,ユックリと,じれったく過ぎていく。
ようやく,7:55に,朝食が始まる。
以前より小さなトレーの手前にメインディッシュが乗っている。中には,白身の魚,おにぎり2個,シイタキの煮物2個,卵焼きが行儀良く並んでいる。その奥に「ガリア」という銘柄のヨーグルト,その右にオレンジジュースが並んでいる。
日本時間に換算すると,もう,お昼である。何となく奇妙な感覚で朝食を味わう。そして,例によって,不味いのは分かっているが日本茶を所望する。やっぱりがっかりして,立て続けに紅茶,コーヒーを頂く。どれもこれも今ひとつである。
9:06に機内アナウンスがある。
「・・・当機は,あと1時間で,オークランド国際空港に到着します・・・」
私だけでなく,周りの乗客にも,何となく「ほっ」とした雰囲気が流れる。もう少しで,この狭苦しいところから開放される。
9:29に,
「・・・当機は,あと5分で着陸します」
というアナウンスがある。
9:53に着陸。10:01に駐機場に停止。10:09に飛行機から降りる。途端に蒸し暑い夏の季節を実感する。
人の流れに沿って入国審査場に向かう。そこには,やたらに誘導テープが張り巡らされている。このテープに沿って,右へ左へと何回も曲がらせられる。この誘導路が何となくへんてこりんで,かつ不公平である。係員によって,途中から,いきなり他のレーンに誘導されたフクロウたちが,私達よりやけに早く入港審査を済ませて涼しい顔をしている。私達は彼らより随分と遅れて,10:28にようやく入国審査を終える。審査官がやけに鈍った英語で質問するので,聞き返すのに苦労する。
10:39に手荷物を受け取る。全員の手荷物が出てくるのに少々時間が掛かる。
10:57にやっと到着ロビーへ出る。そこで,昨年春にお世話になったSさんが,私達の到着を待っていた。1年ぶりの再会である。
ここで,私達は関空からクライストチャーチ経由で到着するTさんを待つことになっている。定刻のフライトだと待ち時間は3時間だが,幸か不幸か私達の飛行機が大分遅れたので,待ち時間は1時間少々に縮まっている。とりあえずは,空港ビルの2階にあるレストランで昼食を摂ることにする。
ビアンコ夫妻,スケルトンと私の4人は,日本食の「葉山」に入る。そういえば,昨年,ルートバーントラックを訪れたときも,ここに立ち寄った。今年も,去年と同じように,のり巻きと味噌汁を注文する。この店は少々高いように思えるが,この際止むお得ない。
12:20頃,Tさんが到着する。昨年9月にモンブラン山登頂でご一緒してから,4ヶ月ぶりの再会である。
12:24,旅行社が手配したリムジンバス乗り込む。いよいよ,トンガリロ国立公園のワカババビレッジまでの長いバスの旅が始まる。所要時間は約5時間の予定である。
(第3話おわり)
2006年1月28日(土) 機中泊
私達は成田発定刻18:00のNZ90便でニュージーランドのオークランドへ向かっている。成田の出発時間が1時間40分ほど遅れたものの,まあ順調に飛行している。そろそろ日本時間で22時を過ぎている。ニュージーランドは,今,夏時間,したがって日本との時差は4時間である。私は腕時計の時間を4時間進ませてニュージーランド時間に合わせる。
私達は,丁度今,機中で旅行2日目,つまり1月28日を迎えた。機内は照明を落として薄暗い。大多数の乗客は,うつらうつらと眠っている。機内はゴウゴウとエンジンの音が持続しているだけで,話し声は殆ど聞こえない。奇妙な静寂が続く。
狭い座席に座っていると,だんだんと足がだるくなってくる。身体をよじって無理に胡座をかいてみるが,変な姿勢になるので長続きしない。前の座席の肘掛けの端に足の先を引っかけてみるが,滑ってしまう。それではと前の座席の雑誌入れポケットに足を乗せてみるが,弱くて不安定である。それではと,このポケットに枕をねじ込んで,その上に足をのせてみる。やっぱり落ち着かない。その内に隣の席に座っているビアンコさんの夫がトイレに立つ。別にトイレへ行きたいわけではないが,私もつられるように,機内後方へ行って「つれ○。○」する。トイレ脇の狭い空間で暫く,足踏みやストレッチを繰り返して,足を労る。効果覿面で,すぐに足の具合が大変良くなる。気分が良くなったので,席に戻る。
2:46頃,これまで安定していた飛行機が,乱気流の中に入ったのか,かなり揺れ出す。しかし,足の方は,先ほどのストレッチのためか,随分と楽になる。でも,もう眠れない。その内に,機内が何となく暑くなってくる。
3:43,機長のアナウンスがある。全く聞き取りにくいニュージーランド訛りの英語で,
「・・・・当機はあと4時間余りでオークランド空港へ到着します・・・」
と言っているらしい。すぐにスチュワーデスが,日本語でほぼ同じ内容のアナウンスをする。
「・・・まだ,4時間も乗るのか!・・・あ~ぁ・・厭になるな~ぁ!」
私は,ただ,ただ,時間が早く経つことを願っている。眠るような,寝ていないような・・・疲れているような,鈍っているような・・・とにかく曖昧な時間がダラダラ,ユックリと,じれったく過ぎていく。
ようやく,7:55に,朝食が始まる。
以前より小さなトレーの手前にメインディッシュが乗っている。中には,白身の魚,おにぎり2個,シイタキの煮物2個,卵焼きが行儀良く並んでいる。その奥に「ガリア」という銘柄のヨーグルト,その右にオレンジジュースが並んでいる。
日本時間に換算すると,もう,お昼である。何となく奇妙な感覚で朝食を味わう。そして,例によって,不味いのは分かっているが日本茶を所望する。やっぱりがっかりして,立て続けに紅茶,コーヒーを頂く。どれもこれも今ひとつである。
9:06に機内アナウンスがある。
「・・・当機は,あと1時間で,オークランド国際空港に到着します・・・」
私だけでなく,周りの乗客にも,何となく「ほっ」とした雰囲気が流れる。もう少しで,この狭苦しいところから開放される。
9:29に,
「・・・当機は,あと5分で着陸します」
というアナウンスがある。
9:53に着陸。10:01に駐機場に停止。10:09に飛行機から降りる。途端に蒸し暑い夏の季節を実感する。
人の流れに沿って入国審査場に向かう。そこには,やたらに誘導テープが張り巡らされている。このテープに沿って,右へ左へと何回も曲がらせられる。この誘導路が何となくへんてこりんで,かつ不公平である。係員によって,途中から,いきなり他のレーンに誘導されたフクロウたちが,私達よりやけに早く入港審査を済ませて涼しい顔をしている。私達は彼らより随分と遅れて,10:28にようやく入国審査を終える。審査官がやけに鈍った英語で質問するので,聞き返すのに苦労する。
10:39に手荷物を受け取る。全員の手荷物が出てくるのに少々時間が掛かる。
10:57にやっと到着ロビーへ出る。そこで,昨年春にお世話になったSさんが,私達の到着を待っていた。1年ぶりの再会である。
ここで,私達は関空からクライストチャーチ経由で到着するTさんを待つことになっている。定刻のフライトだと待ち時間は3時間だが,幸か不幸か私達の飛行機が大分遅れたので,待ち時間は1時間少々に縮まっている。とりあえずは,空港ビルの2階にあるレストランで昼食を摂ることにする。
ビアンコ夫妻,スケルトンと私の4人は,日本食の「葉山」に入る。そういえば,昨年,ルートバーントラックを訪れたときも,ここに立ち寄った。今年も,去年と同じように,のり巻きと味噌汁を注文する。この店は少々高いように思えるが,この際止むお得ない。
12:20頃,Tさんが到着する。昨年9月にモンブラン山登頂でご一緒してから,4ヶ月ぶりの再会である。
12:24,旅行社が手配したリムジンバス乗り込む。いよいよ,トンガリロ国立公園のワカババビレッジまでの長いバスの旅が始まる。所要時間は約5時間の予定である。
(第3話おわり)