中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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歩いて巡る甲州道中四十四次(第6回);第2日目(5);駒飼宿

2013年10月29日 09時35分23秒 | 甲州道中四十五宿

                                <笹子峠を下る>

    歩いて巡る甲州道中四十四次(第6回);第2日目(5);駒飼宿
            (五十三次洛遊会)
       2013年9月28日(土)~30日(月)

第2日目;2013年9月29日(日) (つづき) 晴

<ルート地図>


※再掲



<笹子峠を下る>

■急坂を下る
 14時39分,笹子峠から下山し始める.かなり急な下り坂である.山道に馴れていない人も居るので,一寸心配.
 「お互いの間を空けて,一歩一歩丁寧に,ゆっくり下りましょう…」
と,しつこいほど繰り返す.
 結局,一同,何の問題もなく,順調に下山し続ける.

<笹子峠から急坂を下る>

トンネル組と合流
 14時42分,トンネル経由の素通り組と合流する.トンネル組の話では,トンネルの中は冷たい風が吹いて,途轍もなく寒かったという.
 ここからは,両グループ一緒に下山し続ける.

<トンネル組と合流>

<甲州街道峠道>

■険しい下りの峠道
 14時44分,「甲州街道峠道」という案内標識に到着する.
 …ということは,私たちがこれから下っていくところが甲州街道峠道というのだろうか.良く分からないが,ここからが峠道だということにしておこう.
 ここからも,森の中の急か下り坂が連続する(冒頭の写真).結構大変な山道である.
 14時48分,腐りかけた丸太橋を渡って,川の右岸沿いの道を少し下る.再び2本目の丸太橋を渡って,川の左岸沿いの道に戻る.
 15時05分,今度は「甲州街道峠道 自害沢天明水」という案内標識に到着する.どうやら,ここまでが峠道だったようである.案内標識によると,これから私たちが下る所が自害沢ということになる.
 この標識を通り過ぎると,のどかな草道になる.
 
<甲州街道峠道の標識>              <長閑な草道>

広場から県道に出る
 15時07分,山道が終わって公園風の広場に出る.
 これで,ずっと気にしていた笹子峠越えも,ほぼ終わった.1人の落伍者もなく,甲州街道最大の難所を一緒にクリアできたのは,何といっても嬉しいことである.
 私たちは,ホッとした気分で,10分ほど休憩を取る.
 広場の先は県道,舗装道路である.それも,今日の終点である甲斐大和駅近くまでは.緩やかな下りだけの筈である.
 
<案内板>                       <広場で一休み>

笹子峠の案内板
 広場の片隅に,今下ってきた笹子峠のことを説明した案内板が立っている.
 この案内板を見ると,「笹子峠は江戸から約27里(約100キロメートル)に位置していて,笹子宿と駒飼宿を結ぶ標高1,096メートル,上下3里の難所であった.峠には諏訪神社分社と天神社が祀られている.この広場には,常時,馬が20頭ほどが繋がれていた.峠を下ると清水橋までに馬頭観世音,甘酒茶屋,雑事場,自害沢,天明水があった.」
という趣旨の説明が書かれている.
 “ありゃ…! 峠に諏訪神社分社や天神社があったかな?”
 どうやら,私たちは見落としてしまったようだ.
 地図を見ると,説明文にある清水橋は,この広場の直ぐ近くにあるようだ.

<広場の片隅にある案内板>

<舗装道路を下る>

桃の木茶屋跡
 広場での休憩を終えて,15時17分に歩き出す.ここからは歩道道路である.直ぐに清水橋を渡る.
 やがて,S字型のヘヤピンカーブに差し掛かる.
 15時16分,桃の木茶屋跡の標識を通過する.資料1によると,往時,ここには3軒の茶屋があったという.
 資料1によると,昔の甲州街道は,この辺りから先,川の右岸沿いを下っていたようだが,今は痕跡もなく歩けないので,舗装道路の県道を下り続けるしか道はない.

<桃の木茶屋跡>

■芭蕉の句碑
 15時21分,大持沢橋を渡る.橋の手前で進行方向左からの道と合流する.その後は単調な舗装道路の下り坂を歩き続ける.
 15時30分,天狗橋を渡って川の右岸沿いの道を下る.
 天狗橋の直ぐ近くに芭蕉の句碑がある.ここで休憩を取る.句碑に刻まれた文字はハッキ見えているが,私には崩し字は殆ど読めない.読めないのが悔しいが素養がないので仕方がない.
 資料1によるろ,芭蕉の句碑付近に,甲州屋,日川屋という2軒の茶屋があったようである.

<芭蕉の句碑>

<駒飼宿>

■駒飼宿の概要
 資料2(pp.320-321)によれば,駒飼宿の宿内人口は274人.内,男139人.女135人.宿内惣家数164軒.内,本陣1軒,脇本陣1軒,旅籠6軒の規模であった.また,駒飼はこの地方の方言で「」コマッコフ」と言っていたようである.駒飼宿の名前の由来は,同書に詳述されているが,詳細にわたる引用は不適切と思われるので,この辺りで止めておこう.
 なお,この辺りは甲斐源氏の牧場があったことが,駒飼の地名の由来だという(資料1).

 以下に示す駒飼宿の案内図は,駒飼宿を通過する途中で見掛けたものである.

<駒飼宿の案内図>

■脇本陣跡
 天狗橋を渡ると,長閑な集落に入る.
 15時57分,脇本陣跡を通過する.今は脇本陣があった痕跡もなく,進行方向左手の空き地に「史跡甲州道中脇本陣」という杭が立っているだけである(資料1によると,富屋陣左衛門脇本陣).


<脇本陣跡>

本陣跡
 脇本陣のすぐ先,左側に渡邊家本陣跡がある.ここも空き地に「史跡甲州道中本陣跡」という杭が立っているだけで,本陣の痕跡すら残っていない.この杭から少し奥に「明治天皇御小休所址」碑が立っている

<本陣跡>

旧甲州街道を下る
 16時02分,Y字型分岐に到着する.資料1によるとこの辺りの左手に,「御休所すしや重兵衛」平山家茶屋があったようである.
 私たちは「旧甲州街道」の標識にしたがって,向かって左手の細い道に入る.やや急な下り坂になる.
 地図で確かめると,この辺りは日影という聚落のようである.


<旧甲州街道を下る>

石塔群
 16時15分,高速道路のガードを潜る.
 ガード手前の右手,川の向こうに諏訪神社があるが,時間が押しているので参拝見学は省略する.
 ガードの先,直ぐの所,左手に石塔群がある.どうやら巡礼供養塔のようである.小さな地蔵に着せられた赤い着物と頭巾が色あせている.何とも言えない哀愁が漂っている.

 
<高速道路のガードを潜る>                       <石塔群>

<甲斐大和駅へ>

■コンビニで休憩

 16時16分,国道20号線に突き当たる.旧中山道は,この三叉路を左折する.
 第2日目の私たちの行程は,この三叉路で終わりである.したがって,明日の3日目の始点は,この三叉路ということになる.
 私たちは,ここで右折して,最寄りの駅,甲斐大和駅まで歩ことになっている.三叉路を右折すると,目の前にウンザリするほどの登り坂が見えている.大して急な登り坂ではないが,笹子峠越えで疲れているので,
 “もう,うんざりだ…カンベンしてくれ~ぃ…っ!“
ともう一人の私が悲鳴を上げる.でも,登るしかない.
 トボトボと坂道を登って,16時26分,甲斐大和駅手前のコンビニに到着する.駅まであと僅かの距離しかないが,ここで休憩を取る.
 とにかく蒸し暑い.ガリガリ君が大評判である.勿論私もガリガリ君である.

<コンビニで一休み>

<甲斐大和駅から電車でホテルへ>

■甲斐大和駅
 16時33分,重い腰を上げてコンビニをスタート.
 16時37分に甲斐大和駅に到着する.おとぎ話に出てきそうな雰囲気の小さな可愛い駅である.
 甲斐大和駅16時44分発上り普通電車に乗車する.

<甲斐大和駅>

上野原駅
 17時25分上野原駅に到着する.辺りはもう薄暗くなっている.
 上野原駅17時36分発のバスに乗車する.バスは結構混雑している.17時45分,バス停本町二丁目に到着する.

<上野原駅>

■中華料理店で夕食
 バス停本町に到着したときは,もうトップリと日が暮れている.
 私たちが連泊しているホテルは,バス停の直ぐ側にあるが,さて夕食をどうするかである.それぞれの希望は異なると想定して,リーダーからここで解散しようという提案がある.勿論賛成.
 私は仲間数人と,ホテルに戻る前に近くにある中華料理店で夕食を済ませてしまうことにする.
 私が注文したのは塩ラーメン.
 私は元々ラーメンが大好きである,ただ,ラーメンは,意外にハイカロリーなので,平素はなるべく食べないようにしている.なので,今夜は,久々のラーメンである.実に懐かしく美味しく戴く.

 
<本町二丁目のラーメン屋>               

■ホテルルートインコート相模湖上野原へ戻る
 ラーメン屋での夕食を終えて,18時45分頃,ホテルに戻る.
 自分の部屋に戻る前に,ロビーで無料サービスのコーヒーを賞味する.そして,19時過ぎに自室へ戻る.
 まずはバスタブにちょっと温めの湯を張って,ゆっくりと入浴である.
 “それにしても,今日は一人の落伍者もなく,全員無事に踏破できて良かったなあ…”
と感慨に耽りながらの長風呂である.
 風呂から上がって,30分ばかり,明日,第3日目のコースの予習をしてから,21時少し前に就寝.今日も良かった! 良かった!
 

<第2日目のラップタイム>

 8:26  上野原駅発(中央本線)
 8:55  初狩駅着
 9:17  初狩駅歩き出し
 9:27  芭蕉句碑
 9:33  小林本陣跡
 9:49  船石橋
10:21  子神社
10:22  立石坂
10:30  萬霊塔
10:37  稲村神社(10:40まで参拝)
10:40  葦ヶ池
11:00  笹一酒造(11:10まで休憩)
11:32  普明院
11:43  笹子温泉休憩所(11:53まで休憩)
12:09  追分
12:35  県道と交差(12:45まで休憩)
12:46  矢立の杉案内板
13:05  矢立の杉(13:31まで昼食)(途中道に迷う;往路引き返す)
13:43  再び矢立の杉(山道を歩く)
14:06  県道に合流
14:20  笹子トンネル
14:27  笹子峠(14:37頃まで休憩)
14:44  甲州街道峠道案内標識
15:07  広場(15:17まで休憩)
15:16  桃の木茶屋跡
15:21  大持沢橋渡る
15:30  天狗橋
15:57  脇本陣跡
15:59  本陣跡
16:16  国道20号線に突き当たる
16:26  コンビニ(16:33まで休憩)
16:37  甲斐大和駅着
16:44  甲斐大和駅発(中央本線)
17:25  上野原駅着
17:36  上野原駅発(路線バス)
17:45  バス停本町2丁目着(解散)

[歩行記録]

■水平歩行距離     17:2km

■累積登攀高度           937m

■累積下降高度           767m

■所要時間
(休憩時間を含む)
  初狩駅発            9:17
 甲斐大和駅着        16:44
 (所要時間)         7時間27分(7.45h)
 水平歩行速度    17.2km/7.45h=2.31km/h

[参考文献]

資料1;完全踏査街道マップシリーズ「ちゃんと歩ける甲州道中四拾四次」五街道ウォーク事務局
資料2;今井金吾,1998,『今昔三道中独案内 日光・奥州・甲州』日本交通公社
                                         (つづく)

「甲州道中」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/349c79734771825f30ebe7cfeaa20643
「甲州道中」の次回の記事
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「甲州道中」の索引
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/a622a87fbc7f4454e3e837fc990ece58
「甲州道中」の目次
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