<葛葉川の河畔から表尾根の山々を望む>
「ひるやすみ」を何回も取りながら登る丹沢(後編);菩提峠・葛葉の泉
(ARENAオフミ)
2019年8月25日(日) 晴
前編の記事
↓
https://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/fab1dd303f7d491d8a3ab563a14b4ad1
<ルート地図> ※再掲
←クリック拡大
<少し早めの昼食>
▇ハングライダー滑走台
10時50分に岳ノ台を出発した私たちは,途中で何回も「ヒル休み」を取りながら,11時37分,やっとハングライダー滑走台前に到着する.
数名のハンガー(こんな言葉あるのかな?)が,飛行準備をしている.
何時の間にか雲が湧きあがっているが,ここからの相模湾の展望は正に絶景である.文字通り鳥瞰である.滑走台の前は急斜面で落ち込んでいて断崖に近い.
”こんな高いところから走り出すなんて!・・・”
高いところが怖い私にはとてもではないが,想像すらできない.
物珍しさもあって,私達は何時飛行するのかなと期待しながら見物を続ける.
「今は,まだ良い風が吹いてこないんで待機ですよ・・・」
と年配のハンガーが言う.
なるほど,考えてみると,
一旦,飛び出したら後戻りできないので,下の方に着地するしかないな?
大きなハングライダーは多分自動車に積んでここまで来たんだと思うが,一体どうするんだろう?
ハングライダを下に置いたまま自動車を取りにまたここまで登ってくるんだろうか?
私は見物している内に,どうでもいいことが気になり始める.
「まだ,一寸時間が早いけど,ここでお昼にしましょう・・・」
と幹事長のNOさんが提案する.勿論異論はない.
<ハングライダー滑走台からの眺望>
▇テーブルに腰掛けて昼食
滑走台から30~40メートル離れたところに,夏草が刈り込まれた広場があり,そのこ3台のベンチが設置されている.私達以外に誰も居ないので,三々五々適当に分かれて3台のベンチに座る.
まあ,ここなら山ヒルは居ないだろうと思った直後,
「あっ! 山ヒル居ますよ!」
とどなたかが言う.
どうやら,刈り取られた下草の中に山ヒルが執拗に住みついているようである.これでは,気楽にベンチに座っているのは無理.仕方なくテーブルに座って,ベンチを足台にして座る.行儀が悪いが,防ヒル対策には,足を地面から浮かせるしかない.
教の私の昼食は,大船駅前のコンビニで買い求めたオムスビ2個.写真を撮って記録したかったが,山ヒルに圧倒されて写真を撮る気にならない.
▇山ヒル談義
暫くすると,先ほどであった5~6人のグループが到着する.私達が座っているテーブルを数名分空けて,このグループに譲る.そのまま座ろうとするので,
「下の刈り取った草に沢山山ヒルが居ますよ」
と注意する.それが切っ掛けで,雑談を始める.
「皆さんはどちらから来られたんですか・・・?」
正直なところ,一瞬返答に窮する.
「え~と・・・横浜,鎌倉・・・小田急沿線・・・バラバラですね」
「えっ! どういう集まりですか,旅行社のツアーですか?」
ARENAの由来を説明するのも冗長だし・・・どう説明したら良いのか迷う.すると,
このグループの男性が,
「私達は〇〇市△△区のハイキンググループで月に1回,ハイキングに出掛けています・・・」
とのこと,
「私達も毎月近場の山に出掛けています」
と答える.
その内にお互いのグループの平均年齢の話になる.
ARENAでは私が最年長だが,まだ現役の方々も居られるので,
「そうですね,大体ウン十歳ぐらいでしょうか」
と答える.すると,
「私達の方が平均年齢ちょっと高いようですね」
とのこと.その内に,リーダーらしい方が,
「岳ノ台には,もう何回も来ています・・・」
といささか自慢話めいてくる.この主の話は,ちょっと敬遠したくなる.
さらに,
「私達3人は,もううん十5歳ですよ・・・」
凄いだろうという仕草で胸を張る.私,内心で,
”オレの方が干支で1回り高齢だよ”
と言いたくなるが,そんなこと言わずに,
「そうですか,お元気ですね」
と返答する.
<林道を下る>
▇林道へ
12時23分,幹事長が,
「そろそろ出掛けましょうか・・・」
と一同を促す.
跡から来られたグループに,
「山ヒルを拾いながら先に行きます・・・」
と挨拶して歩き出す.
再び足許が分からないほど夏草が繁茂する山道が続く.山ヒルがウジャウジャ良そうな雰囲気である.私は歩き出す前にそれこそ靴やズボンの裾がべたべたするほど防虫剤を吹き付けておいたが,果たして効果があるかどうか.
地図を見てあと少しで林道に出られることが分かっている.早く林道に出たいなと思いながら歩き続ける.
夏草の中を泳ぐように歩いて,ようやく足許が見える階段道に入る.やがて眼下の林道が見え始める.
”やった~ぁ・・・!”
12時28分,ようやく林道に降り立つ.これで山ヒルの心配もなくなるぞ.
林道に出たところで,一同,山ヒルチェックを行う.
脹ら脛を噛まれた男性の足は血だらけになっている.傷口に何枚ものバンドエイドを貼って応急手当をする.
<林道が見え始める>
▇上空にハングライダー
緩やかな下り坂の林道歩きを始める.
ふと上空をみあげると,ハングライダーが音もなく滑るように舞っている.気持ち良さそうだが怖いだろうな.
私は思わず,
”鳥が高所恐怖症になったらどうするんだろう”
と訳の分からないことを連想する.
ハングライダーは気持ち良さそうだが,私は真っ平ご免だ.
<ハングライダーが舞っている>
▇曲がりくねった道
12時42分頃,見晴らしの良いところを通過する.遠くには相模湾,足許には急カーブが続く林道が見下ろせる.
山の急斜面や林道の形状から,手許の地図上で現在地を確認する.
<つづら折りの林道>
▇小さいけど見事な滝
12時49分,小さいけど見事な姿,形の滝の袂を通過する.
多分,まとまった雨が降ったときにだけ出現する幻滝かと思うが,なかなか風情があるので思わず写真を撮る.
<風情のある小さな滝>
▇分岐を通過
林道ながら一応舗装されている.山ヒルに取り付かれる心配も無いので,気楽に歩き続ける.
12時44分,「菩提ー菩提峠」の案内標識の前に到着する.ここは三叉路,私達は左側の道を選んで坂道を下り続ける.
さらに下り続けて,12時57分,眺望の素晴らしいところに到着する.思わず足を止めて,この眺望をデジカメに収める.<Y字の三叉路を左へ>
<葛葉の泉>
▇林道終点
13時18分,林道終点に到着する.立派な門が林道をふさいでいる.私達は立派な門の脇を通過する.急いで断っておくが,この林道は車の通行は禁止だが,歩行は許可されている.
この辺りの地理に疎い私は,
”この林道が通れないのなら,先ほど見たハングライダーの皆さんはどこから車で来たんだろう・・・”
と余計なことながら気になる.気になり始めたらますます気になって仕方がないので,地図で確かめると,どうやらヤビツ峠方面からの迂回ルートがあるようだ.
<林道終点>
▇葛葉の泉到着
林道終点から少し歩くと前方に沢山の人集りが見える.
”ああ,あそこが葛葉の泉か”
13時19分,無事,葛葉の泉に到着.
泉の廻りにはベンチが何組か設置されている.沢山の観光客がベンチで寛いでいる.一目見ただけで登山姿のバッチイ私達とは異なる.ここに居られる方々は,自家用車で来られた方のようである.
泉の近くには「五所神巡りコース」の案内板が取り付けられている.ちょっと興味がそそられるコースである.
<葛葉の泉に到着>
▇湧水を楽しみながら山ヒルチェック
何人かの人が10リットルも入りそうな大きな水タンクを持参して,この湧水を汲んでいる.
”さぞかし美味しい水なんだろうな・・・”
ということで,私も,早速,湧水をペットボトルに受けて試飲してみる.
”冷た~い・・・!”
軟水だろうか.とにかく,とても美味しい.ちょうどのども渇き気味だったので,一気に500ミリリットルほどを飲み干す.もう一本のペットボトルに入っている予備の水を捨てて,ここの湧水に詰め替える.
湧水を飲んで一息入れたところで,私達は,全身の山ヒルチェックを行う.登山靴の中まで入念に・・・
「鎌倉に山似る運んだら恨まれますよ・・・」
とどなたかが私をからかう.冗談ではなく全くその通りである.
私は途中で10匹ほどの山ヒルに取り付かれたが,幸いなことにどこも噛まれることはなかった.実際に噛みつかれてしまった運に見放された方も何人居られる.
<葛葉の泉の湧水>
<大パノラマを眺めながらバス停菩提原へ>
▇表丹沢野外活動センター
山ヒルチェックを終えて,13時30分,葛葉の泉から歩き始める.
そういえば,ハングライダー滑走台で私達に追いついたあのグループはまだ葛葉の泉に到着していない.まさに一期一会.
ここから先は単調な下り坂が連続する.それも舗装道路.ただただ黙々と下り続ける.
暫く下り続けている内に,進行方向左手前方に大きな建物が見え始める.
”何だろう? あの建物・・・”
近づいても人の気配が殆どない.建物から少し下ったところに石垣の立派な入口があり,そこに「表丹沢野外活動センター」の門札がある.素晴らし施設のようだが,老いぼれ集団の私達は多分使えないんだろうなと思いながら通過する.
<表丹沢野外活動センター入口>
▇桜沢橋を渡って左岸へ
13時44分,桜沢沢橋を渡って川の左岸沿いの道を下り続ける.橋を渡ってすぐの左手にある社会福祉法人くず葉学園前を通過する.
さらに下って,13時52分,路傍の無人販売所で道草.どなたかが,なにがしかの買い物をしたようである.
<桜沢橋>
▇子之神社
13時58分,立派な子之神社鳥居の前を通過する.20段足らずの石段の先に社殿が見えている.石段を駆け上がって,社殿の写真を撮りたいなという衝動に駆られるが,今回は突飛な行動をとらないことにしよう.
・・・て,ちょっと残念な気もするが鳥居の写真を撮っただけで通過する.ただ子之神社って,余り聞いたことがない名前なので,あとで調べてみよう.
<子之神社>
▇大山から二ノ塔までの大パノラマを後ろにバス停菩提原へ
14時03分,葛葉川沿いの三叉路に突き当たる.そこを右折する.この辺りから山の方を見上げると,大山を始め,先ほど登った岳ノ台,菩提峠,それに二ノ塔が聳えているのが見える(冒頭の写真).
14時08分頃,建設中の高速道路の下を潜る.ここから先は住宅地の中に入る.信号を渡って左折し,14時15分,バス停菩提原に到着する.
<バス停菩提原>
<バスと電車を乗り継いで帰宅>
▇路線バスで秦野へ
バス停に到着したときは,たった今,秦野行きのバスが出たばかり.次のバスは14時30分.15分ほどの待ち時間がある.でも,この辺りは1時間当たり数本のバスがある.意外にバスの便が良さそうである.
何時の間にか空は晴れ渡っていて,夏の日差しがジリジリと肌を刺す.早くバスが来ないかなと思いながらひたすらバスを待つ.
定刻,14時30分にバスが到着.先客はほんの数名でバスは空いている.何よりも涼しいので大助かりである.バスは住宅地や商店街を抜けて,14時44分,無事,秦野駅に到着する.
ここで解散.
<秦野駅前で解散>
▇相模大野経由で帰宅
大半の参加者は,秦野駅ビル内のどこかで反省会を行うようである.私は真っ直ぐ帰宅するつもり.
秦野14時50分発急行新宿行に乗車,相模大野で乗り換えて藤沢へ.藤沢から東海道本線で大船駅へ.大船駅からは路線バスを利用して.16時17分無事帰宅する.
帰宅すると近くに住む長女が私の帰りを待っていた.近々,某学会誌に投稿する論文を見て欲しいとのこと.このロートルに.
”う~ん・・・,まだまだ青二才だな・・・”
と口には出さないが,そう思いながら思いつくままにコメントする.ちょっとした論文だがこんなことに2時間ほどを費やしてしまう.
そのご褒美は,どこかの寿司屋から取り寄せたお寿司である.これは実に旨かった.
<ラップタイム>
9:57 ヤビツ峠歩き出し
10:12 ヒルチェックのため休憩(10:17まで)
10:48 岳ノ台(10:50までヒルチェック)
11:37 ハングライダー滑走台脇ベンチ(12:23まで昼食)
12:28 林道に降りる
12:44 分岐
13:18 林道終点
13:19 葛葉の泉(13:30まで休憩)
13:44 桜沢橋を渡る
13:44 表丹沢野外活動センター
13:48 くず葉学園
13:52 無人販売所
13:58 子之神社
14:15 バス停菩提原着
[山行記録]
▇水平歩行距離 7.0km
▇累積登攀下降高度 1,269m
▇所要時間(休憩時間込み)
ヤビツ峠発 9:57
菩提原着 14:15
(所要時間) 4時間12分(4.20h)
水平歩行速度 7.0km÷4.20h=1.67km/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
https://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/baa805e7cc9cd3d1af81d53b8466a50d
「丹沢の山旅」の次回の記事
https://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/2d1fabe1f36983fccdf74c7284f326a2
お断り;
これらの記事は,私の趣味仲間を読者対象としたものであり,一般の読者を対象としていません,したがって,まったく個人的なものです.また十分に時間を掛けて編集していませんので,記事は正確とは言えないし,誤字脱字転換ミスも多々あると思います.このことを前提にしてご覧下さい.
また,当ブログ記事を読んで,不快になられた方は,以後,当ブログへアクセスされないようにお願い致します.