<農家のつるし柿>
熊野古道:中辺路を行く(6) 第2日目(3)
湘南カラビナ隊
第2日目 11月20日(火)(つづき)
<中辺路町近露へ>
■牛馬童子石仏
牛馬童子ふれあいパーキングの三角屋根売店近くで昼食を終えた私達は,12時01分に出発する。パーキングの片隅に,二人の語り部(かたりべ)が私達に笑顔を向ける。
「私達は,地元の語り部ですよ・・・中辺路にようこそ!」
これを切っ掛けにして,ほんの数分立ち話を楽しむ。
一旦,古道に入るが,直ぐに舗装道路に出る。相変わらず深い杉林が続く。なだらかな登り坂が続く。12時12分に24番道標(325m)を,そして,12時18分に和歌山から26番目の一里塚(330m)を通過する。
12時20分に牛馬童子石仏(335m)に到着する。ここで3分ほど立ち休憩を取る。
<中辺路の語り部> <牛馬童子石仏>
■近露王子跡
12時23分に牛馬童子石仏前を出発する。なだらかな下り坂を歩き続ける。そして,12時27分に25番道標(315m)を通過する。この辺りから眺望が開ける。下り坂の途中に休憩所があるが通過する。坂を下り終えると,中辺路町近露の集落に入る。一段と都会らしく感じる。
さらに,緩やかな坂を下って,12時36分に日置川に架かる北野橋(290m)を渡る。まずは,橋を渡った左手にある石段を何段か登ると近露王子跡に到着する(12時40分)。ここで暫く休憩を取る。
<北野橋> <近露王子跡>
■なかへち美術館
途中の歩行速度がやや速かったので,当初の予定より大分早く北露王子に到着した。そこで,この辺りで少々長めに辺りを見物することにする。
まずは,道路の反対側にある「なかへち美術館」の方へ行ってみる。
道路を渡って,川沿いに歩く。広い芝生の広場が続く。広場の先に平屋建ての大きな建物が見えてくる。どうやら,ここが「なかへち美術館」のようである。建物の入口が何処か分からないので,建家に沿ってぐるりと廻ってみる。
建物を半周ほどしたところに小さな入口がある。入口から一歩建家の中に入ってみる。全く人気がない。入口に「入場料210円」と書いてある。何となく気がすすまないので,中に入らずに,建物前の広場で,暫くの間,ブラブラする。
広場の前にお土産屋がある。客は私達以外誰も居ない。辺りには全く人気がない。
<人気のない中辺路美術館> <近露王子>
<一方杉から「のなか山荘」へ>
■エースコープで買い物
12時51分に,なかへち美術館前を出発する。再び,北野橋に戻り,集落の中心を通る舗装道路を先へ進む。長い登り坂になる。
12時55分,集落の中央部にあるエースコープに立ち寄る。小さい店ながら,一通りの品物が並んでいる。それぞれが,今夜の嗜好品を購入する。ある人は,まずビール,それに酒。他の人は果物とバラバラである。私は美味しそうなミカンを購入する。
13時02分にエースコープを出る。再び,坂道を歩き続ける。
<民家の軒先に大根> <無人スタンドに並ぶミカン>
■乙女の寝顔
だらだらと登り坂を歩き続ける。
農家の軒先に,干し柿がぶら下がっている。ミカンを売る無人スタンドもある。10個以上のミカンが入った籠が,1籠100円と安い。私はどうにもミカンが食べたくなり,100円でミカンを購入する。ミカンは小粒だが素晴らしく甘くて美味しい。皆にお裾分けするが,半分ほど残る。
その時,猫が1匹,のんびりと歩いている。
坂道を登り続ける。進行方向右側の視界が次第に開けてくる。眼下に集落が見えている。その遙か先にうねうねと続く山並みが見えている。13時14分に28番道標(275m)を通過する。近くに,「乙女の寝顔」と書いた案内板が建っている。
暫くの間,立ち止まって,どこが「乙女の寝顔」かを確かめる。なるほど,無理矢理に眺めれば,遠くの山並みが女性の寝顔のように見えないこともない。
<乙女の寝顔>
■日待供養塔
13時24分に標高310メートル地点に達する。この辺りから山道になるが,320メートルまで登ったところから,再び山道になる。
13時35分に30番道標(390m)を通過する。そして,13時41分,日待供養塔前(415m)に到着する。小さな祠である。ここで数分休憩を取る。この辺りが峠道になる。集落の中をノンビリと歩き続ける。居合わせた住民の方と四方山話を交わしながら,ノンビリと先へ進む。瓜のようなものを軒先に吊している家の前を通過する。すると直ぐにゴザの上に大根を広げて干してある家の前に出る。
■比曽原王子社跡
13時43分に日待供養塔を出発する。標高415メートル地点から下り坂になる。そして,13時50分に31番標識(415m)を通過する。13時53分,バス停「比曽原」を通過すると,直ぐに比曽原王子社跡(400m)を通過する。苔むした石碑が建っている。
<比曽原王子> <日待供養塔>
■野中伝馬所跡
13時57分に妙因塔(400m)の前を通過する。石窟の中でブロックに囲まれた石像が鎮座している。この塔の曰く因縁は全く分からない。ほぼ水平の道が続いている。
13時59分に,32番道標(405m),14時06分に和歌山より27里一里塚を通過する。
14時11分,野中伝馬所跡(450m)に到着する。傍らに野中伝馬所跡を詳細に説明した案内板が建っている。
■継桜王子跡
野中伝馬所跡から,ほんの数分のところに継桜王子跡(460m)がある。境内には数十段の石段が続いている。周囲には巨大な杉が群生している。その素晴らしさに圧倒される。巨大な杉の一本に私達は手をつないで幹を一回りできるかどうか試したが,とうてい無理。とにかく凄い杉である。日当たりの関係で,杉の枝は日の当たる方だけに茂っている。このことから一方杉と言われているようである。
一方杉の近くに,とがの木茶屋,34番標識,秀衡桜がある。これらを一通り見学してから。これまで来た道を少し戻る。そこから,今日の宿舎「のなか山荘」を目指して,野中川右岸の急坂を下る。
<秀衡三代桜>
<巨大きな杉> <眼下に「のなか山荘」のある集落が見える>
■子中の清水
山腹で舗装道路に飛び出る。この舗装道路に沿って,下り続ける。途中,子中の清水で一休みする。道路から離れて,道路脇を少し下ると,小さな池に清水が流下している。池から流れ出す樋から水が飲めるようになっている。私も,話の種に,清水を一口飲んでみる。それほど冷たくはないが,美味しい軟水のようである。
大きく蛇行する道路を下って,14時54分に,今日の宿舎「のなか山荘」(395m)に到着する。
<子中の清水> <のなか山荘>
■「のなか山荘」の夕食
のなか山荘に近付くと,女将さんが出てきて,私達を出迎える。山荘の建物は,清潔感があって,とても綺麗である。私達は掃除が行き届いた2階の和室に案内される。1室2人ずつ割り当てられる。昨日の「きけうや」に比較すると部屋はやけに狭いが,2人が寝るには十分な広さである。
早速,風呂に入る。「きけうや」の風呂よりも少し広いが,せいぜい2~3人しか一度に入れない。風呂で濡れたタオルを干すところもないのが少々困る。 17時56分から夕食。天ぷらがとても美味しかった。
こうして,中辺路の旅,2日目は終わった。
<のなか山荘の夕食>
(つづく)
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