<カインプレヒト小屋の食堂>
オーストリアの山旅:第8日目(4);穏やかな夕暮れ;8日目の纏め
(アルパインツアー)
2014年6月26日(木)~7月7日(日)
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第8日目;2014年7月3日(木) (つづく)
<夕暮れ寸景>
■屋根付きの案内番
短めのトレッキングを終えて,カインプレヒト小屋に戻ったが,夕食までまだ少し時間がある.
私は,一旦,部屋に入ったが,また,時間を持て余してしまい,小屋の周辺をブラブラする.さすがに日陰は長くなっているが,もう18時を過ぎているのに,まるで真昼のような明るさである.
小屋の前には屋根付きの立派な道標が立っている.私は道標を眺めながら,明日はどちらの方向に歩き出すんだろうと予想する.私にはあれこれと先のことを予想するのがとても楽しい.
<小屋の前に立つ立派な道標>
■小さな湖
道標の前から緩やかな下り坂の散策路がある.その先に小さな湖,というか池がある.地図を見ても,この池は記載されていないが,この池が小川の水源地になっているようである.
池の周囲を一周してみたいという衝動に駆られるが,そんなことをしている時間がないのが残念である.
<小屋の直ぐ近くにある池>
■明日の予定と注意事項
18時50分,食堂に集合する.
現地ガイドのWGさんの指示に従って,空いている席に適当に座る.一同が席に着いたのを確かめる.
ツアーリーダーのYDさんから明日の行動予定について説明がある.
明日は,
7:00 朝食(ただし,6:30から食べられる)
8:00 出発
10日目に宿泊するシュラートミンクのホテルに送り返す荷物は,朝食のときに玄関まで運ぶこと.荷物にはアルパインツアーのタグを付けておくこと.
…という訳で,本日宿泊する予定のランダヴィアゼー小屋1泊分に必要なものだけをリュックに入れておけばよい.私は,1泊ぐらい着替えなしでも構わないので,極々必要なものだけを残し,その他の荷物は全部シュラートミンクのホテルに送ってしまうつもりである.
<ボリュームタップリの夕食を楽しむ>
■スープと前菜
19時丁度に夕食が始まる.
まずはスープ(左下の写真).見ての通り,平素日本でもお馴染みのスープである.勿論,美味.満足.
ついで,野菜ドッサリの前菜(右下の写真).勿論,大満足.WGさんが私たち日本人が野菜をよく食べることを知っていて,わざわざ手配して,この小屋へ事前に送り込んでくれたものである.
WGさんのきめ細かい気配りに感謝しながら,美味しく頂戴する・
<スープ> <前菜>
■ボリュームたっぷりのメインディッシュとデザート
続いてメインディッシュ.
WGさんから3種類ほどの選択肢が提示されたが,私には,いずれも良く分からない.
“まあ…何でもいいや”
で注文したのが,大きな団子がド~ンと真ん中に鎮座している“ナントカ(?)ヌードル”という料理.写真では寸法が良く分からないけれど,このお皿,直径が30センチメートルほどもある大皿である.
とてもじゃないけど…全部は食べられない.団子の廻りに並んでいる牛肉の塊を2つほど食べたら,
“もう,いいよ…”
と私の胃が悲鳴を上げる.
“でも,折角だから…”
ということで,団子も,ほんの一寸食べてみる.食のことに疎い私には何を食べているのか良く分からないが,ペースト状にしたジャガイモかな?
皿を下げに来た小屋の主人に,
“とても,美味しいけど,私には量が多くてとても食べられません,スミマセン”
とブロークン英語で泣き言を言う.
「日本人の皆さんは余り沢山食べないので,これでも量を少なくするように頼んだんですが…まだ,多すぎますか?」
とWGさんが首を傾げながらニヤリとする.
量の多い少ないは,個人差が大きい.辺りを見回すと,結構完食している人もチラホラ.
“健啖家も居られるものだな~ぁ…!”
私は驚嘆するのみ.
デザートは,それほど甘みが強くなく,なかなか宜しい.甘いものは別腹と良く言うが,私も1人1片のノルマは難なく食べてしまう.
「デザートは,ごく少量にしておきましたよ…」
とWGさんが言う.
…で,書き忘れたが,夕食には,もちろん,この他に例の私が苦手な茶色で硬いパンが付いている.私の胃袋にはパンなど食べる余地など全くない.
<メインディッシュ> <デザート>
<夕食後のひととき>
■可愛い馬たち
20時20分頃,夕食を終えてお開き.
まだ外は真昼のように明るいので,腹ごなしに小屋の内外をブラブラ.
馬が2頭,小屋の近くに来ている.馬の仕草が実に可愛いので,思わず見とれてしまう.
この2頭,親子かな,それとも恋人(恋馬?)同士かな? お互いにじゃれ合っている姿を見ていると,何ともほのぼのとした気分になってくる.
<可愛い仕草の馬>
■馬たちもねぐらへ
沢山の馬たちが,小屋の近くに集まってくる.ノンビリとした雰囲気が漂う.
小屋の主人が出てきて,1頭の馬の頭や首を優しく撫でてから,
「○♯∂!∀△%∩$&#‰♯…」
と言いながら,馬のお尻をポンと押す.
すると,馬はノソノソと歩き出す.
他の馬たちも,この馬の後に付いて一緒に歩き出す.
われわれのグループに例えるなら,多分,先頭の馬が,WGさん.ちょっと群れから離れた所を歩いているのがツアーリーダーのYDさんという所だろう
…こんな埒もないことを連想しながら,ねぐらに向かう馬達を見送る.
<馬たちが塒へ>
■荷物が届いた
夕食後,6月30日にスポーツホテルロイヤーから,2泊目の予定の山小屋,ゴッリング小屋と,ここカインプレヒト小屋に分けて送った荷物が,両方とも届いているという連絡を受ける.これは有り難い(下の写真の右端2個).
先日の時ならぬ大雪のために,予定のコースを変更してしまった私たちはカインプレヒト小屋で受け取るべき荷物を受け取ることができなかった.そのためにここ4日間は下着を替えることもできないまま着の身着のままで過ごしてきた.
二つの荷物を一度に受け取るので,着替えも選り取り見取り(でもないか…)である.
早速,洗面所のお湯を使って体の汗や芥を拭き取って,衣類を着替える.実にサッパリした気分になる.
<スポーツホテルロイヤーで仕分けた荷物;右2個をそれぞれの小屋に送った>
■シュラードミングのホテルへ送る荷物
さて寝る前に,明後日宿泊する予定のシュラードミングのスポーツホテルロイヤーに送る荷物を選ばなければならない.明日,リュックで運ぶ荷物は,1泊分だけでよい.私は2日間ぐらいは着の身着のままで過ごすつもりなので,必要最小限の荷物を残し,後は全部送って貰うことにする.
その結果,送って貰うのは,下の写真の通りの荷物となった.
これで準備完了.後は寝るだけである.
<シュラートミンクのホテルに送る荷物>
■外は明るいが就寝
21時頃,まだ外は明るいが,明日のことを考えて就寝.
まだ眠くはないが…
<第8日目のラップタイム>
8:05 カインプレヒト小屋発
8:33 木造の小屋
8:40 小川を渡る
8:52 分岐点
9:16 最初の雪渓
9:24 2番目の雪渓
10:45 標高1,940m地点(10:55まで休憩)
11:25 標高2,170m地点(11:45まで休憩)
11:52 トロッケンブロットシャルテ峠着
12:20 〃 発
13:10 水飲み場
13:35 1番目の雪渓(往路で2番目)
14:17 木造の小屋
14:27 カインプレヒト小屋着
[トレッキング記録]
往路 復路 合計
■水平歩行距離(km) 6.0 6.0 12.0
■累積登攀高度(m) 365 僅少 365
■累積下降高度(m) 僅少 365 365
■所要時間(休憩時間込み)
カインプレヒト小屋発 8:05 8:05
トロッケンブロットシャルテ着 11:52
〃 発 12:20
カインプレヒト小屋着 14:24 14:24
(所要時間) 3時間47分 2時間20分 6時間19分
(3.78h) (2.33h) (6.32h)
水平歩行速度 6.0km/3.78h 6.0km/2.33h 12.0km/6.32h
=1.59km/h =2.57km/h =1.90km/h
登攀速度 365m/3.78h
=96.6m/h
下降速度 365m/2.33h
=156.7m/h
(第8日目おわり)
(第9日目に続く)
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