<鎌倉中央公園>
閑話休題:残念の連続
2010年5月17日(月) 晴れ
■なんでもない所が危ない
朝から良い天気である.暑くも寒くもない.
今日は,五十三次洛遊会の皆さんと一緒に中山道中六十九宿巡りをする初日である.
今回は,高崎から碓氷峠を越えて軽井沢まで,2泊3日の旅をすることになっていた.私は今日からの旅を本当に心待ちにしていたが,残念ながら,不注意による右足の怪我で,不参加.“残念! 残念!”である.これも「身から出た錆」.誰を恨むわけにもいかない.自分の不注意だから,自分を責めるしかない.
そういえば,過去にも何回か足の怪我をしたことがある.何れも軽傷だったが,何とも情けない.
山登りを始めるようになってからの最初の怪我は,今から10年ほど前のこと.鎌倉の郊外に住んでいる私は,春うららの日に誘われて,近くの源氏山公園をブラブラしていた.
鎌倉に来られた方ならご存じかと思うが,公園の中央に源頼朝像が安置されている広場がある.この広場の鎌倉寄りに数台のベンチが設置されている.私は真っ青な空を仰ぎ見ながら,ベンチに座ろうとした.そのとき,芝生を保護するために地面に敷かれているプラスチック製のネットと地面の間の5~6センチメートルほどの段差に足を取られ,右足を強く捻挫した.痛いのなんのって・・
「痛テテテ・・・」
私は,捻挫した足首を押さえたまま,ベンチに座り込んで,痛みが和らぐのを待った.その後,びっこを引きながら,ようやくの思いで家に戻った.
一度捻挫すると,同じ所を直ぐ捻挫してしまう癖が付く.結局,このときは完治するまでに3~4ヶ月掛かってしまった.
2度目の怪我は,数年前,山旅スクール5期の方々とニュージーランドのルートバーントラックを廻っていたときである.山小屋に到着したとき,山小屋の玄関で小石を踏んで捻挫した.このときは,ツアーアルパインツアーのツアーリーダーが,とても上手にテーピングをしてくれたので,翌日からの行程も何とか歩き続けることができた.
このときも,完治するまでに2~3ヶ月掛かったように思う.
その後,懸命にストレッチを続けた.半年ほどの間,毎日ストレッチを続けている内に,滅多なことでは捻挫などしない丈夫な足首にすることができた.
とはいえ,私の場合,山では事故がないのに,日常の何でもないところで,“痛いっ!”を経験している.言い換えれば,日常生活の方が危ないともいえる.これも平素の緊張感が足りないからだろう.
・・で,今度も,私は普通の街中で,脹ら脛を痛めてしまった.今回の経緯は,前回「閑話休題」で詳述したとおりである.
■怪我をしてから4日目
今日は,怪我をしてから4日目.
昨日までは,自宅の中を歩くときには,2階の自室に出入りするときに患部が痛いので,登山用のストックを使っていたが,今日は,怪我も大分回復して,ストックなど使わなくても,2階への登り下りは,まあ,まあ,できるようになった.
そこで,そろそろリハビリをかねて,自宅から鎌倉中央公園を経由して,大船駅までの約2.5キロメートル,高低差約60メートルの道程を歩いてみることにする.
昼食後,早速,家を出発する.
新緑の鎌倉中央公園は実に気持ちがよい.平日にもかかわらず,近所の方々が,芝生に敷物を敷いて,のんびりと昼寝をしている.
坂道を下るときに,まだ多少の違和感があるが,まあ,まあ,ユックリ歩いている分には,特段,痛いところもない.用心をして歩いているので,元気なときの半分のスピードも出ていないような気がする.年配のヨボヨボ爺さんにも追い越されながら,とにかく,大船駅まで歩き通した.リハビリ第1日目にしては上出来である.
折角,大船まで出たので,駅前のマクドナルドに入って,120円也のコーラを賞味しながら休憩を取ることにする.フロントでコーラを受け取って,2階の客室に登る.登りになると患部の脛の裏が突っ張る感じの違和感があり,少し痛い.
■またコーヒー屋に入ってしまう
さすがに地の利の良い人気店である.店内は満席に近い.つい先日から"Drink first"の標語とともに,この店では喫煙席がなくなり,全席禁煙になった.たばこをたしなまない私には,素晴らしい朗報である.店内が混雑しているので,始めて元喫煙室に入ってみる.なるほど,こういう配置になっていたのかと,店内をキョロキョロする.
空いている席に座る.落ち着いてコーラを賞味している内に,
「・・・不注意で,こんなことを繰り返していたら,何時までたっても,山へ戻れないな・・・」
と心の中でぼやき続ける.
家を出るときには,大船まで歩いて往復しようかと思っていたが,何となく疲れた.知らず知らずの間に,足を庇いながら歩いているからだろう.どうせバスの定期乗車券があるんだから,帰りはバスにしよう.
今日に限って,バスで座りたい.そこで,少し早めに停留所に戻り,列に並ぶ.
何時なら,バスに乗車するとき,乗車口の階段は全く気にならないが,片足が痛いと,高いステップの上り下りが気になる.乗車するときはそれほどでもないが,下車するときは,足がかなり痛い.
バスの乗降で,年配の方がゆっくりのたのたしている理由が,とても良く分かる.同時に,年配者の苦労が,身に染みて分かった.陰の私が,表の私に,
「・・いくら若く見られたいって思っても,お前さんは年相応にしか見えないよ・・」
と嫌みを言う.でもその通りだから嫌みを言われても仕方がない.
夕方,五十三次洛遊会の世話役から携帯メールが入る.このメールによると,どうやら,皆さんは無事に軽井沢まで踏破したようである.良かった! 良かった!
改めて,自分が参加できなかったことが悔やまれる.
<マックのコーヒー>
2010年5月18日(火) 晴れ
■畦ヶ丸を諦める
今週末の5月22日(土)は,前から楽しみにしていた畦ヶ丸登山の日である.
この山行は,趣味人倶楽部の某グループが主催する山行である.多分,畦ヶ丸のシロヤシオツツジが見頃を迎えているだろう.
残念ながら,当日までに,私の足が元通りに回復できるか,全く見通しが立たない.ギリギリの前日になって,その日の足の様子を見てから,参加,不参加を決めようかとも思った.でも,ドタキャンしたら主催者に迷惑が掛かる.一昨日辺りから,
「どうしよう・・キャンセルしようか,どうしよう・・」
と迷っていた.
今日になって,私は意を決して“今回は不参加”と決める.心の中で,
「山は逃げない・・足が治ってから行けばよい・・」
と念仏のように唱え続ける.
そして,主催者に,
「“斯く斯く然々”の理由で不参加にします}
というメールを送る.これまた残念至極!
■またもやコーヒー
昼食後,今日もリハビリをかねて,昨日と同じコースで,大船まで歩く.まだ,まだ,本調子ではないが,昨日より大分スムーズの歩けるようになっている.それで着実に回復しているなと実感する.
まずは,大船駅ルミネ6階の文房具店に立ち寄る.
以前から欲しいなと思っていた絵筆を1本購入する.絵筆もなかなか高価なので,欲しい筆全部を一度に購入することは困難である.少しずつ,少しずつ,揃えていくつもりである.今回は,先日中断した塔ノ岳詣でに掛かるはずだった交通費の金額を上限にして,絵筆を揃える.
大船まで出ても,絵筆を買う以外に,特段の用事もないので,またもや大船駅前のファーストキチンに入り込む.そして,1杯200円也のブレンドコーヒーを注文する.ここのコーヒーは,少し苦みが強いような気がするが,いかにもコーヒーらしくて,私の好みに合ってる.
店内はかなり混んでいる.お隣のマクドナルドと比較すると,中年女性や子ども連れの客が多いような気がする.
コーヒーを味わいなら,
「さて,今度は,どんな絵を描こうかな・・・」
と思案し続ける.
小一時間の間,コーヒーを賞味してから帰途につく.今日も大事を取って,今日も帰りはバスを利用する.
<ファーストキチンのコーヒー>
※マックより少し値段が高いが,陶器のカップを使っているために,口当たりが
とても良い.その分,美味しく感じる.
■水彩画を描き始める
帰宅後,私は自分自身に言い聞かせる.
「山に登れない絶好のチャンスだ! 絵に専念しなさい・・・」
私は1ヶ月ぶりに,イーゼルを引っ張り出す.
イーゼルに画板を乗せる.そして,画用紙を貼り付ける.今回も20号(77cm×55 cm)の大きさの絵を描きたい.
本当は,この2倍の広さの絵を描きたいが,そんな絵を広げるスペースが,我が家にはない.
「“アトリエが欲しい”って・・」
そんな贅沢,口が裂けても言えないよ.
何を画材にしようかと迷った末,まず始めに,スイスアルプスの「グランジョラスとメールドグラス氷河」を取り上げることにする.
それから2時間ばかり,かなり集中して,鉛筆で下絵を描く.
何しろ現地で殴り書きしたスケッチや写真を見ながら,いろいろと思い出しながら,少しずつ描いていく.面倒くさいが,この面倒くささが結構楽しい.
描き進めるにつれて,あの日の感激が,つい昨日のことのように沸々とこみ上げてくる.
それで,
「ああ疲れた!“今日は,まあ,こんな所で我慢しよう”」
というのが,この絵である(まだ下書きは完成していない).
これから2~3日,鉛筆を動かす.それで納得したら水彩を施すつもりである.
円形はグランジョラス山.ゴツゴツとした岩山に氷河がまとわりついている.右上から左下に大きな弧を描いて流下しているのが,メールドグラス氷河である.私は断崖の上から,この雄大な風景を眺めている.
この位置に辿り着くまでに,まずこの絵の右手の川下にある断崖を降りてから,この氷河を渡り,こちら側の断崖を登り返した.どちたの断崖も,ほぼ垂直に近い角度で,数百メートルの落差がある.
登りも下りも,二度と行きたくないほどの怖いところである.
<仕掛り中の「グランジョラスとメールドグラス氷河」(鉛筆の下絵)>
上の絵は,下の写真に示すようなところを上り下りしなければ到着できないところからスケッチしたものだ.そう簡単には拝むことができない風景なのである.
そんな厳粛な雰囲気が,この絵で少しでも表現できたら嬉しいなと思っている.
<メールドグラスを下る> <メールドグラスを登る>
「閑話休題」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/9dae74881ba5c28a2e88477715bb1c6c
「閑話休題」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/6abff3ac6285e1b98cfa3c137939870e
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私も捻挫でくるぶしが3-4倍に腫れたことがありました。
半年かかり実につらかったのを思い出します。