中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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セピア色の画集(2)

2009年01月02日 07時15分47秒 | 趣味三昧:セピア色の画集

                                 <タイのラオプラヤ川>

                      セピア色の画集(2)
                      2009年1月2日(金)

 2009年が始まった.今年はどんな年になるのだろうか.
 元日以来,孫6人とその親たちが,一度にわが家に集まっている.正に今年最初の台風,そう,台風1号である.嬉しくもあり,煩くもある.
 昨年1年間の丹沢塔ノ岳登頂データを早く集計したいなと思っているが,それも台風が通り過ぎないと,落ち着いてできない.
 私は,何時も通りに,早朝,暗い内に起床している.昨夜遅くまで賑やかだった孫どもは,まだ熟睡しているらしくて,小さな物音すらしない.静かな内に,いろいろ計算事をすればいいのに,それも何となく気が乗らない.そこで,晦日の大掃除で見付けたセピア色のスケッチ画を取りだして,暫くの間,回想に耽る.


             懐かしい自炊生活

 学生時代の一時,私は大阪郊外の寝屋川で部屋を借りて,自炊生活をしていた.
 台所は4.5畳ほどの広さである.その半分が土間.土間には井戸があった.この台所を2人共同で使う.
 このスケッチは,当時の私の台所用品の全てである.
 この頃は,お金もなかったし,随分と質素な暮らしをしていた.フエルトペンで描いたこのスケッチを見ていると,当時のことが懐かしく思い出される.


                              <私の台所>


                  <スケッチの裏の説明文>

 このスケッチの裏には,何やら説明文がある.どうやら,今は亡き母に向けて書いたもののようである.その頃,私の生活振りを心配している母に,ときどき絵手紙を書いていた.この絵は,母が亡くなってから,再び,私の手許に戻ってきたものである.
 スケッチの片隅に日付が記載されている.昭和32年2月11日に書いたものである.
 古くさい文章が,金釘流で書かれている.ああ,ハズカシイ.

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 台所
 大は大きなリンゴ箱.その中が戸棚.左のカンはノリが入っています.
 そして,その右は二,三日前に少しずつ買ってくる四〇円の漬け物入れです.その上の小さなカンにはコンブ茶が入っています.茶碗の右は阪急で買った新潟の田舎味噌が少し入っています.すってない味噌には,豆かすがそのまゝ半分になったり,細かくかけたり,そのまま入っています.葱を大きく切って油揚げを二,三枚,無造作に切って,この味噌でサッパリと作った味噌汁は又格別です.寒い朝,葱の香りのツンとするやける様な味噌汁を急いで喰べて行くと体中が暖まる様です.
 味噌のわきに,ころんでいるのは小梅漬.夜半お湯を沸かしてつめたい固いご飯にたっぷりとかけて,小梅漬でサラサラとかき込むと,大抵は十二時を廻っています.
 この他に湯沸し,緑茶用のヤカンと,紅茶用のヤカン.それに黒色の変わった茶わんと,大きなコップがありますが,炬燵の上に,のみ放しのまゝ散らかしてあります.

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         ご飯が炊けるのが待ち遠しい

 このスケッチを描いた日時は,ハッキリしないが,多分,昭和32年2月頃かと思われる.上の絵とほぼ同じ時期に描いたものだと思う.このスケッチも,母親に送ったものである. 


                               <私の台所(2)>

 このスケッチの裏にも,以下のような文章が書かれている.

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 台所
 飯をたいた後,味噌汁を作っている間に描いたものです.
 デッサンが下手なので,落ち着かない絵になってしまいましたが,台所の端に井戸があり,壁には色々なものがぶら下がっています.フライパン以外のものは同宿の人のものです.(以下略)

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 あの頃は,フェルトペン1本で,気軽にスケッチをしていた.
 勿論,今でも,スケッチは私の趣味の一つではあるが,この頃のスケッチには,少しは上手なスケッチを描きたいなという邪念が,画面に見え隠れしている.
 あの頃は,ただ遠く離れた故郷の母に,自分の様子を伝えたいという一心で,邪念もなしに描いていたような気がする.
 年末から年始にかけて,改めて見直している過去の自分のスケッチから,何か判らないが熱いものを感じている.
 「今年は,あの頃の原点に戻って,邪念の入らないスケッチを続けたいな・・」
と思う.
                             (つづく)
[加除修正]
2009/1/4 転換ミス訂正

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