中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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富士山の傘雲とモミジ坂の紅葉を楽しむ丹沢;塔ノ岳(今年53回目)

2013年11月27日 20時03分28秒 | 丹沢の山旅

                          <花立山から富士山を望む>

  富士山の傘雲とモミジ坂の紅葉を楽しむ丹沢;塔ノ岳(今年53回目)
           (単独山行)
        2013年11月27日(水) 晴

早起きは三文の得?
 平日に塔ノ岳に出かけるには,湘南モノレールの初電に乗って,小田原駅での階段二段跳び乗換をクリアしないと渋沢発大倉行一番バスに間に合わない.これが如何にも慌ただしいので気分的に我慢ならない.そんなこともあって,この頃は
 “朝寝坊名湘南モノレールなど乗ってやるか”
と腹を立てる.
 湘南モノレールを利用すれば,我が家を5時10分に出発すれば,大倉行1番バスに間に合う.ただし階段二段跳び乗換が必須である.
 …で,階段二段跳び乗換を避けるには,東海道本線下り電車の初電,大船発5時10分の電車に乗らなければならない,この電車に間に合う湘南モノレールのでんしゃがないとなると,我が家を4時10分に出発して,大船駅まで下山しなければならない.この頃のように朝晩が寒くなると,一大決心をしないと,なかなか家を出る気にならない,実に困ったものである.
 そこで,この頃は塔ノ岳に出かける前夜に,登山用の衣服を着用してから寝袋に入って寝るようにしている.つまり,前夜から,
 “よし! 明日は塔ノ岳に行くぞ!”
と気合いを入れることにしている.
 早起きは三文の得かどうか分からないが,こんな七面倒くさい儀式を終えて,今朝も4時10分に支度を出発する.
 真っ暗な住宅地を抜けて,長い階段道を半ば手探りで下山する.たまたま途中で新聞配達の方とすれ違ったり,犬に吠えられたりして肝を潰すが,さすがに大船駅界隈は不夜城のように明るく沢山の飲食店が営業している.駅近くのチェーン店「す○家」で450円也のカレーライスを食べてから,大船5時10分発普通電車熱海行に乗車する.

大倉行1番バス
 私が乗車した電車は,早々と5時55分に小田原駅に到着する.次の電車では階段二段跳びになるのに,この電車では今度は早すぎる.駅でブラブラしていても仕方がないので,小田原発6時03分新宿行急行電車に乗車する.渋沢着6時20分.大倉行バス停に一番乗りである.まるでバカみたい.
 バス停のベンチにリュックを置いて,ストレッチをしたり,動物園の檻の中のクマのように,グルグルと歩き回りながら時間を潰す.その内に『尾根の瓦版』の編集長YKさんがヒョッコリと現れる.雑談をしている内に,豚肉を食べたら塔ノ岳山頂までの所要時間が随分と速くなったという耳よりの話を伺う.
 “じゃあ…オレも,今晩,豚肉を食うぞ”
と思ったが,帰宅後の夕飯のメニューは鶏の唐揚げだった.
 一番バスは平日にしてはかなり混雑している.立ち席がぎっしりである.NMさん,TGさん,TDさん,YUさん,NGさん,SSKさん,HNさん,MTさんなどのご常連も乗車している.

それぞれが自分のペースで…
 6時58分,バスは大倉に到着する.
 例によって,バスが到着すると同時にNMさんが歩き出す.続いてTDさん.MTさん,NGさんが続々と歩き出す.
 私はやや遅れて,7時05分,TGさん,SSKさん,HNさんと一緒に大倉を出発する.季節が一段と進んで,登山口付近の紅葉もそろそろ見頃になっている.
 つい先日,吹き荒れた強風のために登山道には落ち葉が降り積もっている.
 7時32分,観音茶屋を通過する.そして,ジグザグの坂道に差し掛かると,私たちの集団がバラケ始める.SSKさんが,
 「どうせ,山頂で一緒になるから,それぞれ自分に合った歩き方で登りましょうよ」
と提案する.勿論私にも異論はない.
 私は,当面,韋駄天のTGさんの後ろに付いて歩くことにする.
 7時44分,見晴茶屋を通過する.そして,直ぐに見晴階段に差し掛かる.私は,ちょっとペースが速すぎるかなと思ったが,そのままTGさんの後ろに付いて登り続ける.見晴階段の周囲を見回すと,そろそろ紅葉が見頃になっている,
 坂の上の方まで登山者の後ろ姿が点々と見えている.


<見晴階段>

モミジ坂の紅葉
 見晴階段を過ぎてモミジ坂に差し掛かる.
 この辺りの紅葉は,今が丁度見頃である.今日は天気も上々.紅葉が朝日を浴びて光っている.
 私は,引きつづきTGさんに引っ張られるように直ぐ後を歩いている.でも,写真を撮る度に,ジリッ,ジリッと間が広がっていく.
 モミジ坂の紅葉をユックリ見たいが,上りでユックリしてしまうと疲れるので,下山のときにユックリ見物することにする.

<モミジ坂>

■富士山は雲の中
 やがて駒止階段に差し掛かる.私は急坂が苦手,ここでTGさんとの間が,また少し開く.でも,止まりそうな速度で登っている方を2~3人追い越す.
 8時10分,駒止茶屋を通過する.大倉から駒止茶屋までの所要時間は1時間05分.先頭を行くTGさんに引きずられたので,まあ,まあ,のラップである.
 “このラップならば塔ノ岳山頂までの所要時間は2時間30分台後半だな”
と予想する.
 堀山の尾根道に差し掛かる.相変わらずTGさんのすぐ後ろを歩いている.先ほどまでご一緒していたSSKさんとHNさんの姿は何時の間にか見えなくなっている.
 やがて富士山が良く見える場所に到着する.今日は残念ながら雲が湧いていて富士山は全く見えないが,儀式として見えない富士山の写真を撮る.下の写真で富士山が見えないのは,私のバカカメラのせいではなく,本当に富士山が見えないのだ.

<堀山から見えない富士山を撮る>

■萱場平
 8時25分,堀山の家を通過する.ここまでは,何とかTGさんの後ろに付いて登ってきたが,ここから先の急坂になると,とても,とてもTGさんの後に付いていくのは無理.“ジリッ,ジリッ”とTGさんとの間が空いていくのは仕方がない.
 私はTGさんの後を追うのを諦めて,歩行速度を少々遅くする.
 8時43分,萱場平を通過する.この辺りからは完全な一人旅になる.

<萱場平>

花立山荘
 萱場平を過ぎてから,少しペースを落として登り続ける.後7分坂(花立階段のこと)の少し手前で,YUさんに追い越される.もちろん,先ほどまで後を付けていたTGさんの後ろ姿はとっくに見えなくなっている.
 今度はYUさんの後を付けるようにして登り続ける.後ろを振り返ると,私から60~70メートル離れたところを登っているSSKさんが見える.先ほどまではSSKさんの姿は全く見えなかったが,何時の間にか随分と近付いている.
 後7分坂に差し掛かる.階段を登り始めて,今日の私の体調が案外良いことに気がつく.何時もよりも多少速い速度で階段を登り続ける.私より30~40段先をYUさんが登っている.
 9時04分,花立山荘に到着する.まだ時間が早いためか登山者の姿はない,富士山の真ん前に雲が掛かっていて,残念ながら富士山は見えないが,青空が覗き始めている.
 大倉から花立山荘までの所要時間は,1時間59分.わずか1分とはいえ2時間を切ったのは久々のことである.ここから塔ノ岳山頂までの所要時間は30分もあれば十分…ということは久々に大倉から2時間20分台の所要時間で塔ノ岳山頂に到着できそうである.
 登山の所要時間など気にするなと,私は平素から悟ったようなことを言っている.でも,予想以上に速く登れれば,やっぱり嬉しい.

<花立山荘>

富士山が顔を出す
 花立山荘で写真を撮っている間にYUさんとの間隔がちょっと開いてしまう.もう,追い付くことは不可能である.
 “まあ,仕方がない…ここからは適当に歩くか…”
ということにするが,足の疲れも殆ど感じられないので,結構な速度で登り続ける.
 ガレ場に入ると,一気に視界が広がる.ラッキーなことに,先ほどまで富士山の手前に広がっていた雲が途切れて,富士山が見え始める.これはもう立ち止まって写真を撮るしかない.私は,花立山山頂手前で富士山の写真を5~6枚撮る.
 9時12分,花立山の山頂を通過する.花立山荘からの所要時間は8分.途中で写真を撮っていたにもかかわらず,何時もより2分速い.

<花立山山頂付近からの富士山>

塔ノ岳山頂
 9時15分に金冷シを通過する.YUさんが,私より30~40メートル先を歩いている.ここから先は,YUさんとの距離がこれ以上開かないようにしながら登り続ける.後ろを振り返ると,先ほどまで見えていたSSKさんの姿が,何時の間にか見えなくなっている.“どうしたんだろう?”と一寸気になる.
 また雲が湧いてきて,塔ノ岳山頂からは富士山が見えなくなっている.私より先に山頂に到着しているYGさんとYUさんは尊仏山荘に居られるのは確かだが,まだ時間が早いので山頂には全く人の姿はなく静まり返っている.
 今日の山頂の気温は0℃.
 大倉から塔ノ岳までの所要時間は2時間23分.多分,今年になってからの私の最速記録だろうと思う.久々に2時間20分台前半の記録なので,率直に嬉しい.それに全く疲労感なしに登れたので,私としてはまあ満足である.

<塔ノ岳山頂>

■尊仏山荘
 山頂で四方の写真を撮ってから,尊仏山荘に入る.
 今日の小屋番はWDさん.華伊達美弥雄さん(ネコのこと)は不在.先客はYGさんとYUさん.それに初めてお見受けする男性1人.300円也のお茶を所望する.
 お茶を飲みながら,取り留めもない話をしていると,まもなくSSKさんとMTさんが到着する.小屋の中がだんだんと賑やかになる.
 雑談をしている間に,山荘の窓越しに富士山を見ていると,だんだんと雲が取れて富士山が見え出す.
 10時前に,YUさんが山荘を出て下山開始.続いてTGさんが大倉でTDさんと打ち合わせがあるとかで下山開始.
 10時を少し過ぎた頃,山旅スクールの1期向拝のNJ女史,さらにNGさんが山荘に到着する.さらに,10時14分,HNさんが山荘に到着する.

素晴らしい富士山
 私は少し時間を取って富士山とモミジ坂の紅葉の写真を撮りたかったので,皆さんより一足先に下山しようと思う.
 10時15分,尊仏山荘から外に出る.
 外に出た途端に,凍えるような冷たい風に晒される.
 ほんの30~40分,尊仏山荘で油を売っていただけなのに,山頂の天候はすっかり変わっている.さきほどまで雲が一杯だったのに,青空が広がっている.そして,山麓に雲が棚引く富士山がとても良く見えている.
 とにかく,素晴らしい風景である.私は寒い風に耐えながら,早速,数枚の写真を撮る.

<塔ノ岳山頂からの富士山>

花立山からの富士山
 風が吹きさらしの山頂はとにかく寒い.
 防寒具を着てから山荘を出れば良かったかなとも思うが,花立山荘まで下れば暑くなることが分かっているので,とにかく一刻も早く,風のないところまで下山することにしよう.
 下りは一人旅.自分勝手の速度で降りられる.山頂直下の木道と階段を大急ぎで下る.間もなく,風が当たらないところまで下山してひと息つく.
 10時34分,花立山に到着する.
 ここからの富士山の眺めは一段と素晴らしい.私はここで十分に時間を取って,富士山の写真を撮りまくる.

<花立山からの富士山>

光る海
 花立山から相模湾を見下ろす.
 風になると太陽の位置が低くなるので,日光が海に反射して海が光るようになる.この光る海が見える季節になると,もうすぐ雪の季節になるなと予感する.
 もう私も十分に年を取っているので,厳冬期の北アルプスなどの高山は敬遠しているが,雪の丹沢を歩き回るのは大好きである.今年の冬はどんな具合になるんだろうなどと想像しながら,光る海の写真を撮る.

<花立山から光る海を見下ろす>

後7分坂
 10時44分,花立山荘を通過する.山荘前のベンチは登山客で賑わっている.
 後7分坂を慎重に下り続ける.坂の途中で,登ってくるサングラスの女性に,突然,
 「FHさん…」
と呼び止められる.
 サングラスをしているので,私には何方か分からない.それを察してか女性はサングラスを外す.ああ,顔見知りの××さんだ! と直ぐに分かるが,お名前が思い出せない.これも寄る年波のせいで,私がぼけてきた証拠だろう.
 「ブログ拝見しています…年に1度の海外登山良いですね」
と言う.私の拙いブログを見て頂いているとは…恐縮至極である.
 
萱場平でYKさんとバッタリ
 11時丁度に萱場平を通過する.そして,戸沢分岐に差し掛かるところで,これから塔ノ岳山頂を目指すYK編集長とバッタリ会う.
 「やあ…今日はお元気そうですね」
で立ち話.
 ついでに私ノデジカメで2人を入れた自分撮りを試みる.私は自分の右手にデジカメを持って手を伸ばし,シャッターを押す.数回繰り返してツーショットを撮ったので,この内,1枚ぐらいはチャンとした写真が撮れているかと思ったが,後で改めて見ると全部ダメ写真だ.この情けない状態もバカカメラのせいだとしたいが,こればかりは私ノ腕の悪さが原因だ.
 「良い写真があったら送ります」
と大見得を切ったが“ハズカシイ”.送れる写真がない.
 それにしても,コツコツと努力を重ねて,塔ノ岳山頂を目指すYKさんには心底から敬服する.

ご常連が追い付く
 途中で紅葉の写真を撮りながら,ユックリ下山し続ける.
 11時17分,堀山の家を通過する.勿論,今日は平日なので堀山の家はお休みである.堀山の家を通過して間もなく,堀山の登り坂に差し掛かる.それほどの急勾配ではないが,この登り坂,結構長いので下り坂モードで歩いている私にはシンドイ.ついついノタノタと喘ぎながら登る.
 11時27分,富士山が良く見えるところに到着する.登りのときはここからは富士山は全く見えなかったが,今度は雲が多いものの富士山が見えている.早速,写真を撮るが,案の定,バカカメラでは富士山は写っていない.
 ”ウンニャロ~…なんでテメエはオレの言うことを聞かないんだ…”
と愛用のバカカメラを罵りたくなるが,
 “待てよ,やっぱり,オレのカメラ術が未熟なんだ”
と反省する.
 そうこうしている内に,私より後に尊仏山荘を出たご常連4人に追い抜かれる.4人はHNさんを先頭に,勢いよく下山している.どうやら皆さんは私より15分ほど遅れて,10時30分頃下山を開始したようである.
 ここで会ったのも百年目…という訳ではないが,私も折角皆さんと一緒になったので,皆さんの歩調にあわせて下山することにする.

<堀山の尾根道にて>

冬枯れの散策路
 堀山の尾根道は,こぼれ日が美しい散策路である.
 こぼれ日の中を歩く常連の皆様の後ろ姿が美しい.私は,また,皆さんから遅れてしまうのを覚悟して,写真を撮りまくる.

<こぼれ日が美しい散策路>

モミジ坂の紅葉
 11時35分駒止茶屋を通過する.
 そして,モミジ坂に差し掛かる.この辺りの紅葉は今が見頃である.私はときどき立ち止まって紅葉の写真を撮りまくる.
 折角沢山の写真を撮ったのに,後で眼を通すと同じような写真ばかりである.でも,まあ,折角だから,その中から2枚だけここで披露しておこう.

<モミジ坂の紅葉(その1)>


<モミジ坂の紅葉(その2)>

■今日も無事帰宅
 先頭を行くHNさんの下山速度がとても速い.私も付いて行くのがやっとである.その内に,HNさん,SSKさん,それに私の3人と,後続の2人の間がバラケ始める.でも,どっちにしても大倉発12時22分のバスには間に合わない.ならば多少ばらけても大差ないので,私も成り行きに任せて下り続ける.
 12時27分,無事,バス停大倉に到着する.
 靴を洗ってから,バス停のベンチに座り込む.バス待ち.暖かい冬の日射しが実に心地が良い.程なく先ほどまでご一緒していた2人も到着する.その内に,近くの飲食店に居られたTGさん,TDさんがバス停に来られる.バス待ちの行列が少し長くなり始める頃,NGさんもバス停に到着する.結局,渋沢発大倉行1番バスに容赦していたご常連のほぼ全員が,帰りのバスでも一緒になる.
 私は,渋沢駅で皆様とお別れして,一人寂しく小田原行下り電車に乗車する.車内はポカポカと気持ちが良いので,ついつい居眠りをする.小田原駅での東海道本線上り電車の接続も良くて,14時45分頃,無事帰宅する.
 突然ながら,近くに住んでいる孫娘が来ている.家の中が賑やかになるのは有り難い.
 今日も良かった! 良かった!

<ラップタイム>

 7:05  歩き出し
 7:32  観音茶屋
 7:49  見晴山荘
 8:10  駒止茶屋
 8:25  堀山の家
 9:04  花立山荘
 9:15  金冷シ
 9:28  塔ノ岳山頂着(-0.0℃)
10:15     〃   発
10:27  金冷シ
10:44  花立山荘
11:17  堀山の家
11:35  駒止茶屋
11:55  見晴山荘
12:08  観音茶屋
12:27  大倉着

 [山行記録]

■水平距離         7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉   発        7:05
  塔ノ岳  着        9:28
  (所要時間)     2時間23分(2.38h)
  水平歩行速度    7.0km/2.38h=2.94km/h
  登攀速度       1269m/2.38h=533.2m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
  塔ノ岳  発       10:15
  大倉   着       12:27
  (所要時間)      2時間13分(2.22h)
  水平歩行速度     7.0km/2.22h=3.15km/h
  下降速度        1269m/2.22h=571.6m/h
                                      (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/b2d1181329452e3c071e2bd5c10150b8
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/6c0bbf4c71d89a8880b336962da35d3c



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