中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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戸隠山・飯縄山登頂(5)<戸隠山へ>

2007年10月24日 04時45分15秒 | 関東・伊豆箱根・上信越

         戸隠山・飯縄山登頂(5)<戸隠山山頂>
          <山旅スクール挑戦コース>
       2007年10月13日(土)~15日(月)

第2日目 10月14日(土)(その2)
 晴時々曇

<「蟻の戸渡」を渡る>

■いよいよ蟻の塔渡だ

 9時20分に,全員が「蟻の塔渡」の手前にある岩場を登り終える。所要時間は26分である。登り詰めたところは小さな広場になっている。私達は,この広場で一息入れる。
 9時20分,この広場を出発する。また直ぐに急な登り坂の岩場になる。ふたたび,クレームハイストを使って岩場を登り詰める。
 9時35分,いよいよ「蟻の塔渡」のすぐ手前の岩塊に到着する。私はグループの後の方から歩いている。グループの先頭は,蟻の塔渡を渡り始めているようである。途端に先頭の歩行速度が鈍っている。列の後に居る私には,手前の岩に遮られて,蟻の塔渡は全く見えない。それだけに,蟻の塔渡がどんなところか,だんだんと不安になってくる。そして,9時35分から,いよいよ最大の難所,「蟻の塔渡」「蟻の刃渡」が近付いてくる。
 
                      <蟻の塔渡を行く>

 9時40分,いよいよ私の番になる。蟻の塔渡の手前の尖った岩に登る。登った途端に,鋭く屹立した蟻の塔渡が目の前に現れる。幅が50センチほどもあるだろうか,凸凹した岩の廊下がうねうねと続いている。廊下の両側は,殆ど垂直に切り落ちている。
 私が立っている岩から,廊下に移るには,ほんの1~2メートルほどの落差だが,岩を下らなければならない。特段に難しいところではないが,鋭く屹立した岩の頂上に居る。あまりの凄さに目が眩む。恐ろしくて,とても立ったままでは,降りられないので,腰を下ろして,少しずつ,オッカナビックリと下って,蟻の戸渡の端に立ち上がる。この私の姿を,端から見たら,多分,滑稽なほどに屁っ放り腰だろう。
 私の直ぐ前の行く,トドさんが,蟻の塔渡の途中で,
 「私,もうダメ・・動けない・・!」
と悲鳴を上げる。私は悲鳴こそ出さないが,できることなら,こんな怖いところを歩くのは,もう止めたいという気持ちは,トドさんと同じである。 トドさんの悲鳴を聞きつけたガイドのトートイスさんが,
 「じゃあ・・引き返しますか?」
と茶々を入れる。
 引き返すと言われても,これまで登ってきた峻険な岩場を下るとなると,これは大変である。もう,ここまで来たら先へ進むしかない。こんなときに,私は,ふと,山陰本線の余部鉄橋を連想する。勿論,余部鉄橋を歩いて渡ることはできないだろうが,多分,蟻の塔渡よりは楽に渡れるのではないかと想像する。
 前が渋滞している。蟻の塔渡の途中で待たされる。その間,体中の血が酢に変わって沸騰してしまったような気分になる。沸騰した酢がそこら中の毛穴から吹き出てくるような恐怖を味わう。
 私のすぐ後に付けている痛子さんが,怖さを隠すためか,それとも高所に鈍感で怖くないのか分からないが,
 「わあ,綺麗・・!」
を連発している。私には,周囲の風景を観賞する余裕は全くない。

■蟻の刃渡
 漸く,なんとか蟻の塔渡を渡りきる。つづいて,蟻の刃渡が続く。ここは最大の難所。尾根の幅はやっと立てるぐらいしかない。怖いもの知らずの人なら,蟻の刃渡を立ったまま渡れるかもしれないが,私にはとても無理。そこで,尾根から直ぐ下のトラバース道を使って渡る。10時10分,やっと全員が蟻の戸渡と蟻の刃渡を渡り切る。所要時間は35分であった。
 それにしても,怖かった。
 私は,「二度と,こんな所には来ないぞ」と強く心に誓う・・・が,喉元過ぎれば何とやらで,下山してから何日か経つと,また気分が変わるかもしれない。

■八方睨
 蟻の刃渡を渡って,休む間もなく・・・と,いうよりも休む場所がないので,そのまま先へ進む。暫くの間は,美しい紅葉の尾根道である。
 やがて,私達は,1,840メートル地点に達する。また,ここから急峻なチムニー状の岩場になる。私達はガイドがロープを張り終わるのを待って,8時54分から,クレームハイストで登り始める。ここも斜度は70度近くあるように思える。幅が狭くて長さ20メートルほどの長い岩場である。クサリが揺れて,上から絶えず細かい砂礫落ちてくる危険な箇所である。
 私達全員は,安全のためにヘルメットを被っている。お互いに応分の距離を置いて登っているが,それでも落下してくる小石を避けきれないことがある。私のヘルメットにも直径4~5センチメートルの小石が当たった。すぐ上を登っている人が落としたもののようである。勿論,ヘルメットを被っているので,何の問題もなかったが,恐ろしいところである。
 チムニー状の岩場を登り切ると,一寸した広場に飛び出る。ここが八方睨(1,900m)である。山頂には方向盤が設置されている。方向盤を見ながら山座同定をして楽しむ。
 
        <八方睨の案内板>              <八方睨から西岳方面への分岐>

■戸隠山山頂
 10時38分に八方睨を出発する。ここから戸隠山山頂までは,今までの峻険な登山道に比較すると,かなり穏やかな道である。直ぐに緩やかな下り坂となる。ただ進行方向右側は厳しい断崖である。ガイドから十分足元に注意して歩くようにアドバイスがある。
 途中,振り返ると,先ほど通過した蟻の塔渡,蟻の刃渡の全景が良く見渡せる。見れば見るほど,凄いところである。あんなに厳しいところを通ってきたのかと思うと,感慨一入である。

                 <蟻の塔渡全景:左端から右へ渡った>


                 <高妻山が良く見える>


               <途中から山麓の湖,鏡池が見下ろせる>

 10時50分に戸隠山山頂(1,904m)に到着する。ここで,写真撮影のために,数分休憩を取る。全員の集合写真を撮る。
 
     <戸隠山山頂>            <素晴らしい紅葉の中の稜線歩きが続く>

 
                             (つづく)



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
蟻の塔渡り (ユニフィ)
2011-07-29 11:59:17
はじめましてユニフィといいます。
蟻の塔渡りの写真がすばらしくぜひ長野をすくしでも紹介する上で使用させていただきたいのですが
返信する
コメント拝見しました (FH)
2011-07-30 07:41:06
ユニフィさん

コメント拝見しました.
出所を明記して頂ければ,写真を転用して頂いても結構です.
どうぞご活用下さい.
返信する

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