中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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新緑の鎌倉:日蓮ゆかりの古刹を尋ねる

2009年05月03日 07時56分47秒 | 鎌倉あれこれ

          新緑の鎌倉:日蓮ゆかりの古刹を尋ねる
           (長野県某高校同期「散策の会」)
             2009年4月2日(木)

            ※残念ながら写真は無し

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 2009年4月2日(木).晴.
 高校同期生の「散策の会」主宰の鎌倉散策が開催された.参加者は10数名.年齢の割には元気に散策を楽しんだ.散策終了後,鎌倉小町通のワタミで懇親会を開催された.
 鎌倉在住のflower-hillが案内役になる.ご年輩の方を案内するので,歩行距離はせいぜい5km程度以下に抑えることに苦慮する.鎌倉駅から往復で5kmで抑えるとなると,自ずから散策できる範囲は限られてくる.
 実は,そんな制約条件のなかで,一体何処を案内したらよいか,随分迷っていたが,最終的に妙本寺,安国論寺の2ヶ所を重点的に見学する計画を立案した.
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<散策地図>


       水平歩行距離    4.5km
       累積登攀高度   約90m

<大町の古刹を尋ねる>

■妙本寺
 私達は長野県上田市にある某高校同窓生である.私達は,第二次世界大戦が終戦の年に,旧制中学校1年生だった仲間である.その後,学制変更があって,いつの間にか,中学校が新制高校になり,同時に駅弁大学が誕生した.そんな関係で,私達は同じ学校に6年間も通学した.
 在校中に何回かの組替えがあったが,卒業して歳月が経過するにつれて,一体,自分が何組かも分からなくなる.同時に自分の組とは無関係に仲良く付き合っている.
 年に数回,散策の会を開催しているが,今年の春は鎌倉を散策することになった.
 鎌倉駅表口13時集合.参加者は10名余.
 13時15頃,駅前から歩き出す.本覚寺境内を抜けて,最初の訪問地,妙本寺へ向かう.年輩者ばかりのグループなので,歩行速度を超ユックリに保つように配慮する.
 13時40分頃,妙本寺に到着する.ここで,10分ほど見学時間を取る.境内の桜は丁度見頃である.

■別願寺,上行寺,大慈寺
 妙本寺を出発してから常栄寺の前を通過.そして,別願寺を詣でる.足利持氏の供養塔を見学した後,道路の反対側にある上行寺を訪れる.ここで左甚五郎作といわれる龍の彫刻を見学する.
 再び道路を渡り,安養院の前の小さな広場で,10分ほど休憩を取る.その間に,希望者は安養院の北条政子の供養塔などを見学する.
 全員が,1932年生まれの高年齢者である.鎌倉駅からほんの僅か歩いただけなのに,かなり疲労して,ヘタヘタと座り込む仲間も出てくる.

■大慈寺
 安養院から再び歩き出す.裏道を通って大町に出る.少し北上して大慈寺を訪れる.佐竹家の祖,新羅三郎義光ゆかりの寺である.寺の裏山に咲く山桜と新緑がとても綺麗である.この寺でも10分ほど休憩を取る.

<安国論寺へ向かう>

■漸く安国論寺へ

 大慈寺を出発して,住宅街の路地を東へ進む.大半の参加者がそろそろ疲労し始めたのか,歩行速度が鈍ってくる.10分余り歩いて,今日の最終目的地,安国論寺に到着する.入口で入山料100円を支払って,境内に入る.ここは日蓮が初めて庵を結んだ場所である.日蓮の立正安国論は,ここで執筆されたと言われている.
 境内は,御法窟,日蓮岩屋,直弟子日朗御荼毘所などがある.また,鎌倉市天然記念物の妙法桜,サザンカ,カイドウの巨木がある.
 

■安国論寺の境内を一回り

 静寂な境内である.
 まずは,本堂でお参りをしてから,本堂脇のベンチに座り込む.案内役の私は,
 「・・まだ,体力に余力のある人は,裏山を一回りしましょう・・・」
と呼びかける.
 数名の方が,即座に行くというが,躊躇している人が半分ぐらい居る.ところが,結局は全員が一回りすることになる.正直な所,少々,無理かなと思われる方々も数名居る.内心では,無理なら途中で引き返すつもりで,歩き始める.
 日朗上人御荼毘所の前から裏手の山に登る.少々長い階段を登り始める.そのとき,私達と反対廻りで裏山を廻ってきた中年女性の集団とすれ違う.
 「・・この先,随分と大変な山道ですよ・・・」
と余計なことを口々にいう.仲間の1人が,
 「まだ,ずっと登りなのかよ・・?」
と愚痴を言い始める.
 「じゃあ~・・・戻りましょうか?」
と返事をすると,黙ってしまう.


■平和の鐘と富士見台
 ほんの2~3分,階段道を登ると,裏山の尾根に到着する.尾根からは木々の間を通して,由比ヶ浜の海岸と大町付近の住宅地が見下ろせる.丁度そのとき,山の直ぐ下を,カタ,カタと車輪の音を響かせながら,横須賀線電車が鎌倉駅方面に走っていく.
 痩せた尾根道を少し西へ進むと,「平和の鐘」に到着する.ここまで来ると一段と視界が開ける.晴れていれば富士山が良く見える所である.あいにく,今日は春霞が掛かっていて富士山は見えないが,明るく眩しい風景が広がっている.
 平和の鐘を回り込むようにして,少し先へ進むと断崖の上に出る.一段と眺望が良くなる.ここが富士見台である.由比ヶ浜が入江のように見える.由比ヶ浜の先には稲村ヶ崎が見えている.見通しが良ければ,その先に富士山が見えるはずである.日蓮は,ここで富士山に向かって法華経を唱えたといわれている.

■急な階段を下る
 ここから,えらく急で段差の大きい階段を降りる.足の弱い人には大変な階段である.
 「手すりに掴まって,一歩ずつ,ユックリ降りてください・・」
と思わず注意する.全員尺取り虫のような足取りで,ユックリ,ユックリと下山する. 先頭の私が下山し終えると,丁度境内に入ってきた中年女性数名が坂道を下っている私達を見付けて,
 「まあ・・凄い坂ですね・・・」
と話しかけてくる.すると,仲間の1人が,
 「・・・私達,昭和×年生まれの年寄りですよ・・・元気でしょう」
と勝ち誇ったように答える.
 平素,山登りをしている私から見れば,この階段は特段どうということのない所だが,普段,平地しか歩いていない人にとっては,きつかったに違いない.彼が威張るのも一理あるなと納得する.
 結局,全員が「きつかったけど,面白かった」と感じたようである.

<鎌倉駅へ>

■由比の若宮

 安国論寺の参拝を終えて,寺の外に出る.さてどうしようか? もし,疲れているようだったら,長勝寺前のバス停から,バスで鎌倉駅に戻る積もりだったが,折角だから,鎌倉駅まで歩きたいという.
 そこで,長勝寺の境内を抜けて,水道道に沿って,西に向かう.この辺りには古刹が沢山あるので,その中の幾つかを,是非,訪れたいなと思うが,足が痛くなってきたと訴える人が出てきたので,途中の社寺見学は全て省略して,由比の若宮だけ立ち寄る.
 ここは,源頼義が源氏の守り神として,京都の石清水八幡宮を勧請した所である.現在の鶴岡八幡宮は,源頼朝が遷座したものだと知った一同は大変感動する.静かな境内で参拝を兼ねて一休みする.

■辻ノ薬師堂へ
 由比の若宮を出た後,横須賀線の踏切を渡って,辻ノ薬師堂を見学する.堂内には薬師如来,日光,月光の両脇侍像,十二神像が安置されているというが,私には良く分からない.
 辻ノ薬師堂を出てから,最短距離の道順を辿って,超ユックリの歩行速度で歩き続ける.そして,16時15分頃,鎌倉駅に戻る.

■鎌倉駅前「わたみ」で懇親会
 鎌倉駅で解散.希望者だけ集まって,小町通「わたみ」で懇親会を開催する.大半の方々が懇親会に参加する.
 私達が新制高校を卒業したのは遠い昔のことである.あれからもう数十年の歳月が流れている.振り返れば,これまでの人生は,アッという間の出来事だったような気がする.同窓生の中には,すでに旅立ってしまった人達も多い.今,存命の同窓生の中で,元気な方々の数は段々と少なくなっている.その中でも.「散策の会」に積極的に参加できる人の数は知れている.こうして高校時代の同窓生に会ってみると,足の強さという点から見ると.平素,丹沢の山々でお会いしているご常連は,かなり違った印象を受ける.
 足はそれほど強くないが,口先が元気な同窓生の会話を伺いながら,飲めないアルコールを,ほんの少しばかり嗜む.老いてなお,昔のやんちゃ気分が残っている同窓生を眺めながら,みんな何時までも元気でいて欲しいと願っている.
                              (おわり)

高校「散策の会」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/4361aceded380ec59fe7ddbaabd9aa09
「鎌倉あれこれ」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/b03a9ed59b4db0af1bf5045c50309d6e
「鎌倉あれこれ」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/7a8ddf34d9f3df358e83e025ffb73985


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