<塔ノ岳山頂>
丹沢;塔ノ岳リハビリ登山;蒸し暑くて参った(今年39回目)
(単独山行)
2012年8月15日(水) 曇・一時小雨・高温多湿
■平日なのに混雑の一番バス
昨日(8月14日)から,可愛い孫娘2人と孫息子1人が子供達だけで我が家に遊びに来ている.孫だけで我が家に宿泊するのは初めてのことかも知れない.折角孫達が泊まっているのに,早朝から塔ノ岳に出掛けてしまうのは少々残念だが,昨夜,夜更かしした連中が起き出すのは,多分,9時頃になるだろう.まあ,それなら,私は14時過ぎに帰宅できれば,どうということもないなと判断して,何時ものように5時10分に家を出る.
今回は,3週間前に受けた白内障手術後の4回目のリハビリ登山である.だから無理は禁物.
外へ出ると,昨日の熱気がまだ残っていて,風もなくじっとりと暑い.気温は27℃もある.ということは昨夜は熱帯夜だったかもしれない.京急バスのバス停の掲示を見ると,8月16日までは休日ダイアで運行すると書いてある.ひょっとして小田急電鉄も休日ダイアかなと淡い期待をするが,万一,平日ダイアだと困るので,小田原駅では何時もの平日通りに階段2段跳び駆け足で,小田急電車のホームに駆け込む.
案の定,小田急は平日ダイアで運行している.
渋沢発大倉行の一番バスは,平日にもかかわらず立ち席が出るほど混雑している.療養中の韋駄天のTは不在だが,U村さん,三角髭のTさん,三度笠のY内さん,T中さん,韋駄天のS藤さん,ホッシーさん,編集長のY川さんなどご常連も乗車している.
6時58分,バスは大倉に到着する.登山の準備をしていると,私が見知らぬ常連らしい方が話をしている.
「・・・毎日登っているXさんが眼の具合が悪くて手術をしたんで,この頃(塔ノ岳へ)登ってこないようですよ・・・」
横でこの話を聞いていた私は,多分,先ほど下山途中で怪我をされたXさん(プライベートなことなので何時も使っている仮名は伏せる)のことと,先日,白内障の手術をした私のことがゴッチャになっているようだ.全く,噂話ほど当てにならないものはないなと実感する.
■大倉から歩き出す
今回も,登山前の準備時間をなるべく短くして,7時02分にバス停大倉から歩き出す.
山麓の大倉の気温は26℃.無風.湿度が高くて,堪らなくなるほどムシムシする.
「・・熱中症に気を付けないといけないな・・・」
私は独り言を言いながら,沢山の登山者に混じって登山を開始する.
登山を開始して直ぐに編集長のY川さんに追い付く.私は,
「今日は,どちらまで登られますか?」
とY川さんに伺う.
「今日は堀山登山にします・・」
直ぐ近くをS田さんも歩いて居られるが,急坂になる前に少し速めの速度で歩きたかった私は,ひとまず先に行かせてもらう.
登山道に入る.相変わらず蒸し暑い.私の先にはご常連の皆様が歩いておられる.
<登山口付近の林の中を行く>
<ご常連の後ろ姿が見える>
■見晴階段
7時31分,見晴山荘を通過して,見晴階段に差し掛かる.むせるような緑陰の急坂を見上げると,数名の登山者の後ろ姿が見えている.
「・・・急坂は,極力ユックリ歩けよ・・・」
と,ついつい全力投球しがちな自分を諫めながら登り続ける.
相変わらず無風で蒸し暑いので,どんなにユックリ登っても体中から汗が噴き出てくる.
蒸し暑い日には,いくら「汗をかかないように登るのがモットー」と言っている私も汗をかかずには到底登れない.私はハイドレーションシステムを使って,意識的にこまめに水を飲み続けるが,それでも熱射病が恐い.
<緑陰の見晴階段>
■Y沢さんが下る
やがて駒止階段に差し掛かる.熱射病になってはまずいなと思いながら慎重に登り続ける.
見晴階段の中程を通過した頃,上の方から韋駄天のYさんが駆け下りてくる.私は振り返って,Y沢さんの後ろ姿をデジカメに収める.
8時11分,駒止茶屋を通過する.大倉を歩き出してからの所要時間は1時間09分である.数分遅いような気がするが,この蒸し暑さ,とリハビリ中の身であることを考えれば,今の私には丁度良い所要時間かもしれない.
<Y沢さんが下る>
■堀山の尾根から富士山は見えない
やがて堀山の尾根に差し掛かる.この辺りはほぼ平坦なところなので,自制しながら登っている鬱憤を晴らすのに丁度良いところである.私も,ここだけは歩行速度を思いっきり速めて歩き続ける.
途中,富士山が見える場所で立ち止まる.そして,晴れていれば富士山が見えるはずの風景をデジカメに収める.
8時20分,堀山を通過する.
<堀山の尾根から富士山が見える方向を望む>
■堀山の家
堀山の家から,10数メートル手前で,下山してくるK重さんとバッタリ.
「・・・やあ,やあ,メガネをしていないので誰かと思ったよ・・・」
「実は白内障の手術を受けていたんです・・・」
と,白内障手術の一部始終をお話しする.
「・・メガネをしない方が良い男に見えるよ・・・見えすぎて困るんじゃない・・?」
「そうなんです,なにせ,手術後は皆さんの顔の皺がとても良く見えるようになりましたよ・・・」
と嫌みを言う.男同士なのに,長々と下らない立ち話を楽しむ.こんな雑談も塔ノ岳の楽みの一つである.
「写真を撮らせて下さい・・・ブログへ載せますよ」
とお願いして,K重さんと常連さんのスナップ写真を撮る.でも,折角の写真も,カメラの位置が近すぎて,ろくでもない写真になってしまう.
K重さんと世間話をしている間に,三度笠のY内さん,T中さんに次々に追い抜かれる.そして,6~7分(10分くらいかな?)のロスタイムの後,8時30分に漸く堀山の家を通過する.
小草平のベンチで数名の登山者が休憩を取っている.
<Kしげさん他常連>
■萱場平
雑談で足を止めている間にに,山登りのリズムが少し狂ってしまう・・・が,絶対に無理はしないぞと,改めて自分に言い聞かせながら,花立山荘までの長い坂道を登はじめる.途中,2~3人の若い人にスイスイと追い抜かれる.
一人で気ままに登っていると,ついつい,いろいろ考え事をしてしまう.ふと正気に帰ると.何時の間にか気温が大分下がって涼しくなっている.そして,噴き出していた汗もおさまっている.ただ,衣服はこれまでの汗を吸い込んでベタベタして気持ち悪い.
8時50分,萱場平に到着する.萱場平には,人影がなく静まり返っている.
<萱場平>
■後7分坂
その後も淡々とした一人旅が続く.
私を追い越していったご常連の姿は,もう,全く見えない.多分,もうそろそろ花立山荘に到着する頃だろうなと思いながら登り続ける.
やがて,後7分坂に差し掛かる.大倉尾根で最も単調で辛いところである.例によって,私はなるべく上を見ないようにして,一歩ずつ登り続ける.心の中で,
「一歩,また一歩・・・こんなことを300回余り続ければ,この階段も終わりだ・・・」
と思いながら登り続ける.
もう3分の2ぐらい登ったかなと思って上を見る.予想したとおり,もうすぐ花立山荘である.
そのとき,精悍な体つきの男性が下山してくる.近付くと,私と同じ1番バスに乗車していたご常連のU村さんである.
「今日は孫が来ているんで,とんぼ帰りします・・・」
とのこと.
「そうですか,実は,私の家にも,孫達が来ているんです・・・」
で,またもや数分の間,立ち話.
U村さん達の南アルプス笊ヶ岳行の日程も間近に迫っているとのこと.
「では,気を付けて(笊ヶ岳へ)行ってらっしゃい!」
でお別れしようとする.
丁度そのとき,若い学生風の女性2人が,追い付いてくる.そして,
「鍋割山へ行く道はどこですか?」
とU村さんに聞いている.
U村さんから説明を聞いた二人が,私を追い越していく.二人は追い越しざまに,
「・・分岐までどの位時間が掛かりますか・・」
と私に聞く.
私はお二人がどの程度の速さで登ってきたのかが分からないので困惑する.そこで,
「・・・大倉から登られたんですか? ここまでどの位時間が掛かりましたか・・」
と伺う.二人は顔を見合わせながら,
「3時間ぐらいです・・」
という.
「えっ! 3時間? 2時間じゃないですか?」
「いえ,大倉から登ったので3時間です・・」
私は,一瞬,頭がこんがらかる.凄い勢いで私を追い抜こうとしているのに3時間とは・・・?!
とにかく,この二人の女性と一緒に,9時20分,花立山荘に到着する.
大分道草をしてしまったが.大倉から花立山荘までの所要時間は2時間18分.
「遅いよ!・・・幾らリハビリでも遅すぎるよ!」
ともう一人の私が,私を責める.
「無茶言いなさんなよ! リハビリ中なんだよ.それに立ち話していた時間だって全部で10分以上掛かっているんだよ・・」
ともう一人の私を宥める.
二人の女性は,ここで休憩を取るというので,
「また私に追い付いて下さい・・・そうしたらまたご案内します」
で先に行かせてもらう.
■金冷シから常連と次々にすれ違う
花立山荘前のベンチでは,数名の登山客が休憩を取っている.相変わらず富士山は雲の中である.
何時の間にか,辺り一面に霧が掛かっている.気温は涼しさを通り越して少し寒いぐらいになる.花立山荘で休憩を取らずに,そのまま登り続ける.途中で,雑談のために立ち止まっていたので,体力が回復している.肌で霧の感触を味わいながら,9時29分,花立山山頂を通過する.
霧のため花立山からの眺望は全くないが,少し寒いぐらいの涼しさが何とも心地よい.
金冷シ直前の階段で韋駄天のS藤さんとバッタリ会う.
「たまには写真を撮らせて下さい・・・ブログに載せて良いですか?」
「いや~あ・・オレも有名人になってしまうな・・・」
と言うことで写真を撮らせていただく.
丁度そのとき,韋駄天のF田さんが私に追い付く.F田さんは私が乗車したバスより30分遅い2番バスで来られている.したがって,私より30分も遅く大倉を歩き出した筈である.それなに,もう,追い付かれてしまう.
S藤さん,F田さんと一緒になることなど滅多にないので,韋駄天組お二人のツーショット写真を撮らせていただく.
ここでも,私の白内障手術をテーマに,長々とお話しする.
<超韋駄天お二人のツーショット;笑顔が素敵だ>
■三角髭のTさんとF田さん
雑談をしていると,三角髭のTさんが下山してくる.
また,新たな組み合わせで雑談の延長戦.滅多にない機会なので三角髭のTさんとF田さんのツーショットをデジカメに収める.勿論,ブログへの掲載の許可を頂いている.
今日は大倉尾根で日頃尊敬している韋駄天組の皆さんの写真が撮れたので,私は大満足である.
<三角髭のTさんとF田さん>
■塔ノ岳山頂
金冷シで随分道草をしたが,足の速いF田さんには先に行ってもらう.そして,私はノソノソと登り続ける.
9時54分に塔ノ岳山頂に到着する.山頂には濃い霧が掛かっている.山頂の気温は18.6℃.風が吹くと寒いくらい涼しい.
大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は2時間52分.いくらリハビリ登山でもちょっと遅いぞ! でも,言い訳がましいが,途中で随分と道草をしているので,実質は十分に2時間40分を切っているように思える.そう考えれば,リハビリ登山ということもあって,まあまあ許せるかな・・・と,手前勝手な評価を下す.
霧の山頂では,何人かの登山客が休憩を取っている.
「この霧では,何をデジカメに収めるか迷うな・・」
と独り言を言いながら,でも,適当に写真を撮る.
そんなことをしていると,霧の中からいきなり,
「FHさん・・・」
と呼びかけられる.私ビックリ.
声の主は,一足先に山頂に到着したF田さんである.
「今日は尊仏山荘に立ち寄らずに,このまま下山します・・」
とのこと.
<塔ノ岳山頂の尊仏山荘>
■尊仏山荘
山頂でのデジカメの儀式を終えて,尊仏山荘に入る.
今日の小屋番は,オーナーのH立さん.私はネコに会うことを諦める.
先客は,同じバスに乗り合わせていた三度笠のY内さん,T中さん,それに若い登山者2~3人.早速,300円也のお茶を所望する.
暫くの間,ご常連さん達と一緒に雑談.
「今日は沢山の若い人に追い越されましたよ・・・」
と私が愚痴る.するとオーナーのH立さんが,すかさず,
「だって,みんな(FHさん)より若いでしょう・・・」
と上手いことを言われてしまう.
言われてみれば,今日の登山者の中では,私が多分最高齢かも知れない.
もっとも私の心情では60~70最大の方々は,皆,私と同年代だと思っていた.だから私の気持ちでは,20~30歳代の方々が「若い人」なのだ.H立さんにうまいことを言われて,私,ガクン.
■ユックリと下山したい
私は,大倉発12時52分のバスに乗りたいなと思う.
下りは2時間20分程度の十分な時間を掛けてユックリ下山するつもりである.時間を逆算して,10時27分に尊仏山荘を出発,下山開始.
山頂付近の霧はますます濃くなっている.
10時40分頃,金冷シを通過する.馬ノ瀬付近で,登ってくるホッシーさんとすれ違う.
<霧が立ちこめる馬瀬付近>
■雨が降り始める
11時11分頃,元気でますます大きくなるアザミを見ながら萱場平を通過する.
萱場平付近で,霧雨が降り出す.どうやら雲の中を歩いているようである.ただ,雨具を着るほどの雨ではない.
下るにつれて,蒸し暑さも増してくる.
<萱場平のアザミ>
■緑の散策路
雨は直ぐに止む.
11時28分,堀山の家を通過する.小草平のベンチは登山者で満杯になっている.私はそのまま通過する.
やがて,堀山の尾根道に入る.ここは素晴らしい緑の散策路である.私は時間が許す限りノンビリと歩きたい.木々の緑が実に綺麗だ.
気分最高.
<堀山の散策路>
■「ありゃ~・・」バスは休日ダイアだ
12時11分,雑事場ノ平を通過する.この辺りから下は,山ヒルや蚊,アブが気になるので,速度を速めて歩き続ける.途中でかなりの人数のハイカーを追い越す.どうやら,これらのハイカーには,山頂まで登らずに,山麓だけを歩いている人がほとんどのようである.
「このまま歩き続ければ,12時35分頃には大倉に到着するな・・」
と大倉への到着時間を予想する.
丹沢ベースに差し掛かる頃,後ろ姿に見覚えのある男性に追い付く.S田さんである.どうせバスの時間まで間があるので,S田さんのペースでユックリと下山し続ける.
12時40分,大倉に到着するが,目の前で1台のバスがバス停から発車する.
「しまったっ! 今日は休日ダイアだ!」
途中からユックリせずにそのまま歩いていれば十分に間に合ったのに・・・こう言うのを後の祭りという.
結局,大倉発13時10分のバスに乗車する.同じバスに三度笠のY内さん,T中さんも一緒に乗車する.
渋沢駅での電車の接続が悪く,10分ほどの待たされる.しかも乗車した電車は各駅停車.小田原で特別快速高崎行に乗り換えて,14時35分に大船に到着する.
こうして4回目のリハビリ登山が終わった.今回も無事で良かった.
<ラップタイム>
7:02 大倉歩き出し
7:23 観音茶屋
7:49 見晴山荘
8:11 駒止茶屋
8:30 堀山の家
9:20 花立山荘
9:35 金冷シ
9:54 塔ノ岳山頂着(18.6℃)
10:27 〃 発
10:40 金冷シ
10:52 花立山荘
11:28 堀山の家
11:44 駒止茶屋
12:08 見晴山荘
12:20 観音茶屋
12:41 大倉 着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要時間(雑談時間を含む)
大倉 発 7:02
塔ノ岳 着 9:54
(所要時間) 2時間52分(2.87h)
水平歩行速度 7.0km/2.87h=2.44h
登攀速度 1269m/2.87=442.2m/h
■下降所要時間(休憩時間を含む)
塔ノ岳 発 1023
大倉 着 12:41
(所要時間) 2時間14分(2.23h)
水平歩行速度 7.0km/2.23h=3.14km/h
下降速度 1269m/2.23h=569.1m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/d6dcaa9571fed5a431b991b2baea2f37
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/21e0c27646d23c88900c36768f376499
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