<山麓の紅葉>
初冬の丹沢:紅葉と富士山が素晴らしい塔ノ岳(今年34回目)
(単独山行)
2010年12月1日(水) 晴
■久々の塔ノ岳
この所,本来暇なはずの私も,めずらしく諸事繁多.なかなか塔ノ岳詣でができないでいる.尤も,正確に言えば,諸事繁多なんて,単なる言い訳かも知れない.要するに何だかんだと理屈を付けて,塔ノ岳詣での優先順位を下げただけなのかもしれない.
とはいえ,今日は,もう12月.とにかく月日の過ぎ去るのは速い.それなのに,今年はまだ33回しか塔ノ岳へ登っていない.例年ならば今頃,もう50回程度は登っていなければならないのに.こんな体たらくな数字に気がつくと,さすがにボンヤリの私も気が気ではなくなる.
まあ,こんな気持ちを抱きながら,今朝,4時,私はガバと起床する.この所,温かい日が続いているとはいえ,さすがに朝は寒い.
「寒いな,イヤだな・・こんなに寒いのに出掛けるなんて・・」
私は5分ほど躊躇していたが,急遽,塔ノ岳へ行くことにする.ソソクサと登山の準備をして,しっかりと朝食を食べる.それというのも,前回はいい加減な朝食で出掛けたために,花立山荘でシャリバテになってしまったからである.朝食後,何時もの山行のときと同じ5時10分に家を出発する.
■渋沢発大倉行1番バス
例によって,大船から東海道本線で小田原まで行く.小田原では,たった3分しかない乗換時間に慌てながら猛ダッシュして,小田急線新宿行急行電車に乗り換える.私が電車に飛び乗ると同時に,発車のベルが鳴り出す.
毎度のことながら,この小田原での3分の駆けっこで,大倉尾根を登ったぐらいの「しんどさ」を味わってしまう.
渋沢発大倉行1番バスの乗客は,14人.その内,どうやら12人が登山客のようである.ただ,今日は,何時ものご常連が全く乗ってこない.不思議な日もあるものだ.ただ,顔見知りがお一人乗車してくる.ローギャー氏の弟さんの超韋駄天N氏である.
■見頃になった山麓の紅葉
バスが大倉に到着する.例によって,出発間際でモタモタしている私は,同じバスに乗り合わせた登山客の中では,かなり遅めの7時06分に歩き出す.
この所,好天気が続いているためか,路面は良く乾いていて歩きやすい.
紅葉前線は山麓まで降りていて,大倉尾根登山口付近から,もう紅葉した木々が美しい.歩き出しの気分も爽快である.大倉を歩き出してから4分で登山口に到着する.今日は久々に足許も軽く感じる.私は,
「今日は体調が良さそうだな・・」
とルンルン気分である.
7時19分に丹沢ベースを通過する.気温12.0℃.この時期にしては随分と温かい.体調はまずまずのようである.私は速くも遅くもないマイペースで歩き続ける.途中で,同じバスに乗り合わせた数名の登山客を追い越させてもらう.
高度が増すにつれて,紅葉した木々の間から,三ノ塔から続く尾根が垣間見えている.この尾根も紅葉で輝いている.温かい朝日が木々の間から水平に射し込んでくる.
「ああ・・綺麗だな~ぁ・・・だから登山が止められないんだ・・」
私は心の中で独り言を言う.
■紅葉に囲まれた見晴山荘
7時41分,見晴山荘を通過する.見事に紅葉した木々が山荘に覆い被さるように輝いている.絵になりそうな実に良い風景である.私は珍しく見晴山荘の写真を撮る.
見晴山荘を過ぎて,最初の難所である急坂に差し掛かる.私の前後には誰も居ない.こんなときは,前後の登山者の歩行速度に惑わされることなく,容易に自分のペースを守れるので安心する.
登山道周辺の紅葉が見頃を迎えている.周囲の紅葉を愛でながら登っていると,全く疲労することもなく,マイペースを守りながら,どんどんと高度を稼ぐことができる.ベリーハッピー.
■モミジ坂を登る
急な階段を登り切ってから一本松を過ぎる辺りまでのモミジ坂(俗称)の紅葉が正に見頃.実に見事である.私は心の中で,
「ああ・・良いな.綺麗だな・・」
の独り言を繰り返しながら,紅葉の写真を撮り続ける.
前方に見覚えのある女性の後ろ姿が見え出す.ご常連の方である.
「こんにちは・・暫く振りです.平らなところだけ先に行かせて貰います・・」
と挨拶して,ひとまず追い越させて貰う.
■堀山の尾根からの富士山
再び急坂を登って,8時08分に駒止茶屋を通過する.大倉を歩き出してからの所要時間は1時間02分.1時間は切れなかったが,僅か2分超過しただけ.今日は,まあ,まあ,の体調のようである.
やがて,堀山の尾根歩きになる.ここが大倉尾根で一番気が休まるところである.気温9.7℃.富士山がとても良く見えている.ここでも,少々時間を割いて,富士山の写真を撮りまくる.ただ,残念なことに,この辺りの紅葉は見頃を少し過ぎてしまったようである.
■萱場平
8時24分,堀山の家を通過する.ここからが大倉尾根最大の難所.長い登り坂が始まる.ここから花立山荘まで私の足で35~40分ほど,とてもきつい登り坂が続く.長い階段道が連続するところでもある.ただ,とても変化に富んだ山道なので,登っていても飽きることはない.むしろ私にとって,好きなところだと言えよう.
マイペースで登っていると,1人の若い女性に追い越される.私を追い越して軽々と急坂を登っていく後ろ姿に惚れ惚れする.
8時40分,戸沢分岐を通過する.このとき,突如,ご常連のYさんが,2本のストックを上手に使いながら駆け下りてくる.何時もより,Yさんの下山時間が遅いようである.
8時42分,萱場平を通過する.
■次々にご常連とすれ違う
後7分坂を,今日は標準の7分で登る.そして,9時03分に花立山荘を通過する.大倉からの所要時間は,1時間57分.僅かながら2時間を切っている.私としてはまあまあの記録である.
山荘付近には誰も居ない.山荘前の広場から,相変わらず富士山が良く見えている.ここでも富士山の写真を数枚撮る.
花立山手前のガレ場を登っているときに,下山してくる超韋駄天のNさんとすれ違う.私と同じバスに乗り合わせた方である.私がこんなところでモタモタしている内に,もう下山してくるのだから凄い.
「・・随分速いですね.今日はどのくらいで登ったんですか?」
「今日は1時間50分でした・・・」
「私も,せめて2時間20分台で登りたいと思っています」
「・・来年,満○○才でしょう・・凄いですね」
こんな立ち話を2~3分交わす.
花立山山頂から,相変わらず富士山が良く見えている.今日は空気が澄んでいるので,南アルプスもハッキリ見通せる.南アルプスの尾根も雪化粧している.ここでまた写真.雑談をしたり写真を撮ったりで,5分ほどロスタイム.
■花立場からの眺望
9時18分,金冷シを通過する.この辺りは,もう,すっかり冬景色になっている.
金冷シを過ぎて,最初の坂道を登っているときに,顔見知りの男性が降りてくる.名前は分からないが,何時も威勢の良い語り口の男性である.
「よう・・暫く振りだね・・今日温かいね・・」
と何時もの調子で,私に話しかける.
「相変わらずお速いですね・・」
「いや~ぁ・・そうでもないんだよ.年を取ると,なかなか・・段々遅くなるよ・・」
と愚痴る.私も全く同感.
「私も年ごとに遅くなっていますよ・・年毎に5分くらい遅くなっているようです」
「まあ,仕方がないな・・でも,まあ,お互いに元気で登山続けましょうよ・・」
別れ際に,
「今日は韋駄天のTさんが居ないようだね・・」
と私に聞く.私はTさんが,1番バスには乗っていなかったことを伝える.
■塔ノ岳山頂
ここまで来れば,山頂は間近.急いでもユックリでも所要時間の差は僅か.辺りの風景を愛でながら,マイペースで登り続ける.
9時34分,無事,塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は2時間28分.辛うじて2時間20分台をキープする.最近の私の体力を勘案すれば,まあまあの結果だと言えよう.とはいえ,数面前に出した2時間08分の記録に較べれば,20分も遅くなっている.やっぱり年に5分ほど遅くなっているのだろう.
山頂には誰も居ない.あまりに静かなので,何だか拍子抜けする.山頂の気温は7.4℃.この時期にしては温かい.
相変わらず富士山や南アルプスが良く見えている.山頂からの風景を一回りぐるりとデジカメに収める.
■尊仏山荘
久々に尊仏山荘に入る.
先客は居ない.ガランとしている.私が山荘に入ると,中から見知らぬ小屋番が現れて,
「いらっしゃい・・」
と私を出迎える.何時もの通り300円也のお茶を所望する.
新しい小屋番さん,ずっと以前,居られた方のような気がするが,名前が出てこないが・・まあ,いいや.私は,早速,
「ネコ,元気ですか」
と伺う.
「ネコですか,元気ですよ.今,どこかで日向ぼっこをしていると思いますよ・・」
これでひと安心.そこで,辺りを見回すがネコの姿はない.隣のネコ御殿の窓にも居ない.まあ,元気なことが分かれば良いかで納得する.
お茶を飲みながら,暫く,休憩を取ったが,誰も山荘に入ってこない.
■ユックリと下山
9時55分,山荘を出発して下山を開始する.
途中,花立山でご常連のX氏とすれ違う.ひさびさの再開である.X氏は,
「この頃,1時間ばかり(出発を)遅らせたよ・・今日は,韋駄天のTさんと会わなかったね・・」
と話しかける.
「1番バスにも乗っていなかったですよ・・」
「この前,FHさんが塔ノ岳に登った翌日,私も塔ノ岳へ登りましたよ・・FHさんが山荘に寄らなかったんで,体調が悪くて,途中で下山したんじゃないかって,皆,心配していましたよ.でも,ブログを見ると山頂まで登ったんですね・・」
「ええ・・あのときは,山頂に到着するのが遅くなってしまいました.それに富士山が綺麗だったので写真を撮っている内に,山荘へ立ち寄る時間がなくなったんです.それで,そのまま下山しまてしまいました・・水戸黄門が見たくて・・」
本当は,水戸黄門のテレビなど,どうでも良いのだが,あの日は,遅くても3時頃までには帰宅するつもりでいた.それで,折角の予定時間より帰りが遅くなるのがいやだった.
それにしても,私が山荘に顔を出さなかったばかりに,何人かのご常連に心配をさせてしまったとは.申し訳ないことをしたなと深く反省.
大倉発12時22分のバスに合わせて,ユックリと下山し続ける.
一本松付近の紅葉は,午後の太陽を真上から浴びて,燃えるような彩りになっている.あまりに綺麗なので,また何枚かの写真を撮る.
12時08分に,無事,大倉に下山する.
<ラップタイム>
7:06 大倉歩き出し
7:26 観音茶屋(14.8℃)
7:41 見晴山荘
8:08 駒止茶屋
8:24 堀山の家
9:03 花立山荘
9:18 金冷シ(11.7℃)
9:34 塔ノ岳山頂 着(7.4℃)
========================================
9:55 塔ノ岳山頂 発
10:09 金冷シ
10:24 花立山荘
11:01 堀山の家
11:17 駒止茶屋
11:41 見晴山荘
11:53 観音茶屋
12:03 大倉 着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要時間(雑談時間を含む)
大倉 発 7:06
塔ノ岳 着 9:34
(所要時間) 2時間28分(2.47h)
※正味2時間24分くらい.
登攀速度 1269m/2.47h=513.8m/h
■下降所要時間(雑談時間を含む)
塔ノ岳 発 9:55
大倉 着 12:08
(所要時間) 2時間13分(2.22h)
下降速度 1269m/2.22h=571.6m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/4541e56d76926259b19ec14fe6f7afd7
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/a39280d70f6040bc0219ad835e761ceb
初冬の丹沢:紅葉と富士山が素晴らしい塔ノ岳(今年34回目)
(単独山行)
2010年12月1日(水) 晴
■久々の塔ノ岳
この所,本来暇なはずの私も,めずらしく諸事繁多.なかなか塔ノ岳詣でができないでいる.尤も,正確に言えば,諸事繁多なんて,単なる言い訳かも知れない.要するに何だかんだと理屈を付けて,塔ノ岳詣での優先順位を下げただけなのかもしれない.
とはいえ,今日は,もう12月.とにかく月日の過ぎ去るのは速い.それなのに,今年はまだ33回しか塔ノ岳へ登っていない.例年ならば今頃,もう50回程度は登っていなければならないのに.こんな体たらくな数字に気がつくと,さすがにボンヤリの私も気が気ではなくなる.
まあ,こんな気持ちを抱きながら,今朝,4時,私はガバと起床する.この所,温かい日が続いているとはいえ,さすがに朝は寒い.
「寒いな,イヤだな・・こんなに寒いのに出掛けるなんて・・」
私は5分ほど躊躇していたが,急遽,塔ノ岳へ行くことにする.ソソクサと登山の準備をして,しっかりと朝食を食べる.それというのも,前回はいい加減な朝食で出掛けたために,花立山荘でシャリバテになってしまったからである.朝食後,何時もの山行のときと同じ5時10分に家を出発する.
■渋沢発大倉行1番バス
例によって,大船から東海道本線で小田原まで行く.小田原では,たった3分しかない乗換時間に慌てながら猛ダッシュして,小田急線新宿行急行電車に乗り換える.私が電車に飛び乗ると同時に,発車のベルが鳴り出す.
毎度のことながら,この小田原での3分の駆けっこで,大倉尾根を登ったぐらいの「しんどさ」を味わってしまう.
渋沢発大倉行1番バスの乗客は,14人.その内,どうやら12人が登山客のようである.ただ,今日は,何時ものご常連が全く乗ってこない.不思議な日もあるものだ.ただ,顔見知りがお一人乗車してくる.ローギャー氏の弟さんの超韋駄天N氏である.
■見頃になった山麓の紅葉
バスが大倉に到着する.例によって,出発間際でモタモタしている私は,同じバスに乗り合わせた登山客の中では,かなり遅めの7時06分に歩き出す.
この所,好天気が続いているためか,路面は良く乾いていて歩きやすい.
紅葉前線は山麓まで降りていて,大倉尾根登山口付近から,もう紅葉した木々が美しい.歩き出しの気分も爽快である.大倉を歩き出してから4分で登山口に到着する.今日は久々に足許も軽く感じる.私は,
「今日は体調が良さそうだな・・」
とルンルン気分である.
7時19分に丹沢ベースを通過する.気温12.0℃.この時期にしては随分と温かい.体調はまずまずのようである.私は速くも遅くもないマイペースで歩き続ける.途中で,同じバスに乗り合わせた数名の登山客を追い越させてもらう.
高度が増すにつれて,紅葉した木々の間から,三ノ塔から続く尾根が垣間見えている.この尾根も紅葉で輝いている.温かい朝日が木々の間から水平に射し込んでくる.
「ああ・・綺麗だな~ぁ・・・だから登山が止められないんだ・・」
私は心の中で独り言を言う.
■紅葉に囲まれた見晴山荘
7時41分,見晴山荘を通過する.見事に紅葉した木々が山荘に覆い被さるように輝いている.絵になりそうな実に良い風景である.私は珍しく見晴山荘の写真を撮る.
見晴山荘を過ぎて,最初の難所である急坂に差し掛かる.私の前後には誰も居ない.こんなときは,前後の登山者の歩行速度に惑わされることなく,容易に自分のペースを守れるので安心する.
登山道周辺の紅葉が見頃を迎えている.周囲の紅葉を愛でながら登っていると,全く疲労することもなく,マイペースを守りながら,どんどんと高度を稼ぐことができる.ベリーハッピー.
■モミジ坂を登る
急な階段を登り切ってから一本松を過ぎる辺りまでのモミジ坂(俗称)の紅葉が正に見頃.実に見事である.私は心の中で,
「ああ・・良いな.綺麗だな・・」
の独り言を繰り返しながら,紅葉の写真を撮り続ける.
前方に見覚えのある女性の後ろ姿が見え出す.ご常連の方である.
「こんにちは・・暫く振りです.平らなところだけ先に行かせて貰います・・」
と挨拶して,ひとまず追い越させて貰う.
■堀山の尾根からの富士山
再び急坂を登って,8時08分に駒止茶屋を通過する.大倉を歩き出してからの所要時間は1時間02分.1時間は切れなかったが,僅か2分超過しただけ.今日は,まあ,まあ,の体調のようである.
やがて,堀山の尾根歩きになる.ここが大倉尾根で一番気が休まるところである.気温9.7℃.富士山がとても良く見えている.ここでも,少々時間を割いて,富士山の写真を撮りまくる.ただ,残念なことに,この辺りの紅葉は見頃を少し過ぎてしまったようである.
■萱場平
8時24分,堀山の家を通過する.ここからが大倉尾根最大の難所.長い登り坂が始まる.ここから花立山荘まで私の足で35~40分ほど,とてもきつい登り坂が続く.長い階段道が連続するところでもある.ただ,とても変化に富んだ山道なので,登っていても飽きることはない.むしろ私にとって,好きなところだと言えよう.
マイペースで登っていると,1人の若い女性に追い越される.私を追い越して軽々と急坂を登っていく後ろ姿に惚れ惚れする.
8時40分,戸沢分岐を通過する.このとき,突如,ご常連のYさんが,2本のストックを上手に使いながら駆け下りてくる.何時もより,Yさんの下山時間が遅いようである.
8時42分,萱場平を通過する.
■次々にご常連とすれ違う
後7分坂を,今日は標準の7分で登る.そして,9時03分に花立山荘を通過する.大倉からの所要時間は,1時間57分.僅かながら2時間を切っている.私としてはまあまあの記録である.
山荘付近には誰も居ない.山荘前の広場から,相変わらず富士山が良く見えている.ここでも富士山の写真を数枚撮る.
花立山手前のガレ場を登っているときに,下山してくる超韋駄天のNさんとすれ違う.私と同じバスに乗り合わせた方である.私がこんなところでモタモタしている内に,もう下山してくるのだから凄い.
「・・随分速いですね.今日はどのくらいで登ったんですか?」
「今日は1時間50分でした・・・」
「私も,せめて2時間20分台で登りたいと思っています」
「・・来年,満○○才でしょう・・凄いですね」
こんな立ち話を2~3分交わす.
花立山山頂から,相変わらず富士山が良く見えている.今日は空気が澄んでいるので,南アルプスもハッキリ見通せる.南アルプスの尾根も雪化粧している.ここでまた写真.雑談をしたり写真を撮ったりで,5分ほどロスタイム.
■花立場からの眺望
9時18分,金冷シを通過する.この辺りは,もう,すっかり冬景色になっている.
金冷シを過ぎて,最初の坂道を登っているときに,顔見知りの男性が降りてくる.名前は分からないが,何時も威勢の良い語り口の男性である.
「よう・・暫く振りだね・・今日温かいね・・」
と何時もの調子で,私に話しかける.
「相変わらずお速いですね・・」
「いや~ぁ・・そうでもないんだよ.年を取ると,なかなか・・段々遅くなるよ・・」
と愚痴る.私も全く同感.
「私も年ごとに遅くなっていますよ・・年毎に5分くらい遅くなっているようです」
「まあ,仕方がないな・・でも,まあ,お互いに元気で登山続けましょうよ・・」
別れ際に,
「今日は韋駄天のTさんが居ないようだね・・」
と私に聞く.私はTさんが,1番バスには乗っていなかったことを伝える.
■塔ノ岳山頂
ここまで来れば,山頂は間近.急いでもユックリでも所要時間の差は僅か.辺りの風景を愛でながら,マイペースで登り続ける.
9時34分,無事,塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は2時間28分.辛うじて2時間20分台をキープする.最近の私の体力を勘案すれば,まあまあの結果だと言えよう.とはいえ,数面前に出した2時間08分の記録に較べれば,20分も遅くなっている.やっぱり年に5分ほど遅くなっているのだろう.
山頂には誰も居ない.あまりに静かなので,何だか拍子抜けする.山頂の気温は7.4℃.この時期にしては温かい.
相変わらず富士山や南アルプスが良く見えている.山頂からの風景を一回りぐるりとデジカメに収める.
■尊仏山荘
久々に尊仏山荘に入る.
先客は居ない.ガランとしている.私が山荘に入ると,中から見知らぬ小屋番が現れて,
「いらっしゃい・・」
と私を出迎える.何時もの通り300円也のお茶を所望する.
新しい小屋番さん,ずっと以前,居られた方のような気がするが,名前が出てこないが・・まあ,いいや.私は,早速,
「ネコ,元気ですか」
と伺う.
「ネコですか,元気ですよ.今,どこかで日向ぼっこをしていると思いますよ・・」
これでひと安心.そこで,辺りを見回すがネコの姿はない.隣のネコ御殿の窓にも居ない.まあ,元気なことが分かれば良いかで納得する.
お茶を飲みながら,暫く,休憩を取ったが,誰も山荘に入ってこない.
■ユックリと下山
9時55分,山荘を出発して下山を開始する.
途中,花立山でご常連のX氏とすれ違う.ひさびさの再開である.X氏は,
「この頃,1時間ばかり(出発を)遅らせたよ・・今日は,韋駄天のTさんと会わなかったね・・」
と話しかける.
「1番バスにも乗っていなかったですよ・・」
「この前,FHさんが塔ノ岳に登った翌日,私も塔ノ岳へ登りましたよ・・FHさんが山荘に寄らなかったんで,体調が悪くて,途中で下山したんじゃないかって,皆,心配していましたよ.でも,ブログを見ると山頂まで登ったんですね・・」
「ええ・・あのときは,山頂に到着するのが遅くなってしまいました.それに富士山が綺麗だったので写真を撮っている内に,山荘へ立ち寄る時間がなくなったんです.それで,そのまま下山しまてしまいました・・水戸黄門が見たくて・・」
本当は,水戸黄門のテレビなど,どうでも良いのだが,あの日は,遅くても3時頃までには帰宅するつもりでいた.それで,折角の予定時間より帰りが遅くなるのがいやだった.
それにしても,私が山荘に顔を出さなかったばかりに,何人かのご常連に心配をさせてしまったとは.申し訳ないことをしたなと深く反省.
大倉発12時22分のバスに合わせて,ユックリと下山し続ける.
一本松付近の紅葉は,午後の太陽を真上から浴びて,燃えるような彩りになっている.あまりに綺麗なので,また何枚かの写真を撮る.
12時08分に,無事,大倉に下山する.
<ラップタイム>
7:06 大倉歩き出し
7:26 観音茶屋(14.8℃)
7:41 見晴山荘
8:08 駒止茶屋
8:24 堀山の家
9:03 花立山荘
9:18 金冷シ(11.7℃)
9:34 塔ノ岳山頂 着(7.4℃)
========================================
9:55 塔ノ岳山頂 発
10:09 金冷シ
10:24 花立山荘
11:01 堀山の家
11:17 駒止茶屋
11:41 見晴山荘
11:53 観音茶屋
12:03 大倉 着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要時間(雑談時間を含む)
大倉 発 7:06
塔ノ岳 着 9:34
(所要時間) 2時間28分(2.47h)
※正味2時間24分くらい.
登攀速度 1269m/2.47h=513.8m/h
■下降所要時間(雑談時間を含む)
塔ノ岳 発 9:55
大倉 着 12:08
(所要時間) 2時間13分(2.22h)
下降速度 1269m/2.22h=571.6m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/4541e56d76926259b19ec14fe6f7afd7
「丹沢の山旅」の次回の記事
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