<祇園山の紅葉>
師走の鎌倉:名残の紅葉を求めて
祇園山・源氏山・鎌倉中央公園を歩く
2007年12月28日(金)
<はじめに>
本当は丹沢塔ノ岳に登りたかったが,今日の天気予報は曇り後雨。
仕方なく午前中に名残の紅葉を求めて,鎌倉駅から祇園山,源氏山,鎌倉中央公園を一回りした。暮れも押し迫り,もうすぐ新年を迎えるが,温暖な鎌倉では,まだ,まだ,紅葉を楽しむことができる。
鎌倉で所用を終えた私は,かまくら駅前を,10時頃,歩き出す。家を出たときは,用事が終わったら,すぐ帰宅するつもりだったので,ハイキングの準備は全くしていない。服装も木綿のものばかり,それに運動靴のまま,食料品も水も持っていない。でも,折角かまくら駅付近まで出掛けてきたのだから,このままバスで帰宅するのも勿体ない。ならば,2時間程度歩いて帰宅しようと思い立つ。
12月24日に塔ノ岳へ登ってから今日まで,ろくに歩いていないので,脚力が萎えてしまうのではないかと気が気ではない。これから2時間程度歩いても,どれだけ脚力維持の足しになるかは分からないが,まあ,全く歩かないよりはましだろうと思う。
<ルートマップ>
※プリントすると綺麗に見えます。
※使用地形図2,500分の1『鎌倉』『戸塚』
<祇園山ハイキングコース>
■八雲神社脇の登山口へ
10時頃,かまくら駅表口から歩き出す。
もう,大晦日が近いせいか,駅前広場を往来する人達も,何となく慌ただしい感じがする。天気予報が良くないためか,あるいは年の瀬が押し迫っているためか,良く分からないが,いつもに比べて,観光客の数が大分少ないように感じる。
どこを廻ろうかと迷うが,とりあえずは,このところあまり訪れていない祇園山ハイキングコースを一回りしようと思い立つ。一回りした後のことは,そのとき考えることにして,とにかく歩き出す。
今日は珍しく一人旅である。どなたかと同行しているときは,殆ど通らない裏道をクネクネと曲がって,もう廃業してしまった割烹料理「新田中」の前を通る。趣のあった割烹料理店の後には,現代風の住居が数軒並んでいる。これを見て,何となく寂しさを感じる。路地を抜けて,ぼたもち寺の前に出る。そのまま南へ下って,八雲神社から登山道に入る。ここから約1キロメートルの祇園山ハイキングコースが始まる。
落ち葉が貯まっている階段を一気に登る。途中の分岐を右に進む。坂道を登りきると,程なく祇園山見晴台に到着する。
<路地の向こうにぼたもち寺> <祇園山見晴台からの眺望>
見晴台からの眺望は素晴らしい。横須賀線の電車が逗子方面から鎌倉駅へ向かっている。カタ,カタと車輪の音が,意外に大きく聞こえてくる。
■祇園山の素晴らしい紅葉
見晴台から尾根道を北に進む。小さな上り下りが沢山続く。辺りには誰も居ない。祇園山の両側には,住宅地が迫っている。落葉した木の間から,山裾の住宅が見え隠れする。そして,絶え間なく生活音が聞こえてくる。
祇園山ハイキングコースの紅葉は,今の時期でもすばらしい。至る所で見事な紅葉を楽しむことができる。
■腹切りヤグラ
素晴らしい尾根道が続く。
ときどき,綺麗な紅葉が目を楽しませてくれる。10時25分,妙本寺に下る分岐を通過する。そのまま北へ進む。
10時35分に腹切りヤグラへ下る道の三叉路に到着する。そのまま北へ進んで,大倉稲荷に降りようと思ったが,進入禁止になっている。しかたなく腹切りヤグラ方面に下山する。
<気持ちよい尾根道が続く>
■北条腹切りヤグラ
腹切りヤグラから東勝寺跡を通り過ぎて,東勝寺橋を通過する。ここは,青砥藤綱銭拾い伝説の場所である。
<北条腹切りヤグラ>
<東勝寺跡>
<源氏山公園へ>
■刃稲荷
若宮幕府跡,大佛次郎邸前を通り過ぎて,若宮大路を横切る。
今小路踏切を横切って,刃稲荷の前を通り過ぎる。この辺りに,刀工正宗の屋敷があったという。
<刃稲荷>
■寿福寺
刃稲荷から寿福寺の方へ向かう。途中,ヤグラの手前の紅葉が素晴らしい。もう大晦日が直ぐだというのに,温暖な気候の鎌倉では,まだ綺麗な紅葉を楽しむことができる。
<やぐらと紅葉>
■寿福寺
刃稲荷から寿福寺に向かう。トンネルを潜ると寿福寺境内に入る。墓地の縁を回り込むようにして,坂道を登って,源氏山公園に出る。
<トンネルの向こうは寿福寺>
■大田道灌と了得院殿
源氏山公園の手前に,大田道灌の首塚がある。半ば朽ち果てている。最近,どなたかがウインペキアから引用した「大田道灌の首塚」の説明文を備え付けた。
<大田道灌首塚>
道路を挟んで,大田道灌の首塚の反対側,英勝寺の境内,草が生い茂る中にお墓がある。墓には「了得院殿」と書いてある。多分,高貴な方のお墓だろうと思うが,誰の墓か良く分からない。ある人は,大田道灌の奥方だと言うが,どうも怪しい。
ウインペキアででも調べてみようかと思う。
<英勝寺境内にある了得院殿の墓>
■源氏山山頂
100段余りの石段を登って,源氏山山頂(85m)に登る。山頂にあった椅子とテーブル2組が,いつの間にか取り除かれている。ゴミ箱を撤去されている。山頂から六国見山,勝上嶽などの鎌倉の山々が見渡せる。
<源氏山山頂>
■源頼朝の像
源氏山から源頼朝の像がある広場に降りる。師走のためか,それとも天気が良くないためか分からないが,不思議なことに全く人気がない。
広場を通り過ぎて,化粧坂に至る。紅葉が見事である。
<源頼朝の像>
<化粧坂の紅葉>
<鎌倉中央公園へ>
■公園の梶原口
山ノ内配水場の前を通過して,日当公園手前から住宅地の裏道に入る。谷の縁を廻るようにして,鎌倉中央公園入口に到着する。ガードレールが切れた狭いところが公園入口である。案内板も何もないので,少々分かりにくい。
<鎌倉中央公園梶原口>
自然のままに残された谷戸(やと)には,秋の名残の紅葉が至るところにある。谷戸にはススキが沢山繁茂している。谷戸を囲む山々は,まだ綺麗に紅葉している。
<鎌倉中央公園の谷戸>
広場では,近隣の方々が,三々五々集まっている。もう学校が冬休みになったためか,家族連れが目立つ。
<広場に近所の人達が遊びに来ている>
12時丁度に,鎌倉中央公園寺分口に到着する。
ずっと曇天だったが,ほんの一時柔らかい冬の日差しが射し込んだ。落葉した木の枝がシルエットに見える。綺麗だなと思う。
<曇り空に薄日が射し込んできた>
鎌倉の冬は暖かい。今日は暮れも押し迫った12月28日。
真冬が近いのに,鎌倉では,まだまだ紅葉が楽しめる。
(おわり)
当ブログにお運び頂き有り難うございます。また,丁寧なコメントを頂戴し,感謝しております。鎌倉は歩けば歩くほど,いろいろな史跡に遭遇するので興味が尽きません。
ただ,私の場合,やや本格的な山登りも続けている関係もあって,興味ある史跡を調べるところまで,なかなか手が回りません。
また,何かお気づきの点がありましたら,ご教示いただければ幸いです。
どうも有り難うございました。
文字に太田道灌と読めます。源氏山が整備されない前は本当にうっそうとして、こんなきれいな歩道はありませんでした。昼なお薄暗く不気味に感じで散歩コースから外していました。犬と散歩するようになり、すっかり整備され、びっくりし、また。このプログで知られない英雄の墓を
嘆いているご様子、簡単に作成してみました。リタイア
し、時間ができましたら、市役所へ出向いて、検討を
働きかけようと思います。やっと、もうひとつの墓をみつけました。英勝寺の墓に背を向けるよう目立たない石柱
私には文字が読み取れません。これのみならず、知られない古の出来事が、無念を知って欲しいというように、きずく人には知って欲しいといわんばかりに突然と目にする時がありますね。このコース私はいつも、源氏山から先(梶原)には、行っていませんが大仏切り通しなんかは行って
見たいところです。いつも、楽しんでいます。ありがとう
ございます。