<塔ノ岳山頂からの富士山>
青空に富士山と紅葉が映える丹沢;塔ノ岳(今年52回目)
(常連に同行)
2013年11月23日(土) 快晴
■前日の夜から…
毎度同じような書き出しになるが,11月も下旬ともなると,いくら気候が温暖な鎌倉でも,朝晩はかなり気温が下がる.そうなると,塔ノ岳に出かけるために,朝早く起床するのが辛くなる.ついつい,色々な理屈を付けて,出かけるのを止めてしまい,日中暖かくなると,
“やっぱり,塔ノ岳へ出かければ良かったナ”
と反省する.
こんなことを何回か繰り返している内に,塔ノ岳に出かけようと思ったら,その前日,就寝前に山登りの衣服を着てから寝袋に入って寝ると,当日の朝,何の抵抗もなく起きられることを発見した.
昨夜も,私は,この寝袋スタイルで就寝したので,今朝,3時には何の抵抗もなくスッキリと起床する.もちろん気分は最高である.
早く起床すると,今度は朝の時間を持て余す.私は何の躊躇もなく,4時10分に家を出発,山を下って大船駅までの約2.5キロメートルの早朝散歩を楽しむ.真っ暗な道を歩くのは少々薄気味悪いが,それでも意気揚々である.
大船5時10分発東海道本線下り初電熱海行に乗車する.今日は土曜日.休日のためか初電から沢山の乗客で電車は混雑している.どこか品川駅辺りで大規模な工事があるらしくて,今日の東海道本線の電車は浜駅が始発になっている.
■車窓からの富士山
小田原で小田急電鉄に乗り換えるが,そのままストレートに乗り換えると渋沢駅に到着するのが早すぎるので,わざと急行電車を1本見送って,小田原発7時16分の電車に乗車する.その頃,ようやく辺りが明るくなり始める.
どうやら,今日は天気が良さそうである.
私は,晴れた日には,何時も,小田急電車車窓の矢倉岳と富士山が重なる風景を楽しみにしている.ところが,今日はどうしたことか,薄らボンヤリしていて,この二つの名峰が重なる瞬間を見逃してしまう.
“しまった~っ!”
と思ったときはもう遅い.でも,真っ白に雪化粧した富士山の写真だけは撮っておこうと思う.それが下の写真である.薄暗いところで撮った写真を思いっきりトリミングしたので,随分と荒れた写真になったが,これも一興.
<車窓から矢倉岳と富士山を望む>
■居合わせたご常連さんと一緒に登山開始
7時35分に渋沢駅に到着する.バス停には,もう数名の方が並んでいる.近くにお住まいのご常連,YUさんが居られる.YUさんが,
「(FHさんが)家を出られるときは,まだ暗いんでしょう?」
と私に呑気な質問をされる.もちろん,暗いどころではない.
“鎌倉くんだりから塔ノ岳に来るのはやっぱりハンディがあるナ…”
とつくづく思う.
臨時バスは直ぐに超満員になる.沢山の乗客の中に常連の顔もチラチラと見え隠れする.
臨時バスは6時50分に大倉に到着する.ご常連の丹沢ウッズさんは,すぐに大倉から走り出す.今日も橋本まで行かれるのかな? 常連のTNさん,YUさん,TTさん,KIさん,TDさんが次々に出発する.
その内に定期のバス,さらに次の臨時バスが次々に到着する.どのバスも超満員である.今日の塔ノ岳は,どうやら混雑しそうである.
私は,7時12分,TGさん,SSKさん,NMさん,STさんなど居合わせたご常連の方々と一緒に大倉から歩き出す.気温は12℃.湿度もどうやら低く,路面も乾いている.今日はどうやら歩き易そうである.
一同かなりユックリペースで登り続け,7時37分に観音茶屋を通過する.この辺りから次第に列がバラけ始める.
<観音茶屋を通過>
■見晴山荘
7時50分,見晴茶屋を通過する.たっぷりの朝日が茶屋のテラスに射し込んでいる.テラスで堀山の家縁の方々が休憩を取っている.
「やあ,やあ,…何しているの」
と挨拶しながら,小屋の前を通過する.
何時の間にか,1本後のバスで来られたMGさんが私たちに追い付く.
<見晴山荘>
■見晴階段
すぐに見晴階段に差し掛かる.今日は休日.登山者が多い.坂を見上げると,数珠繋ぎになった登山者の後ろ姿が見える.
私たちはSSKさんを先頭にして,ごくユックリの速度で登り続ける.私は内心で,
“ゆっくり歩けるならば,何よりだ…ありがたい”
と重いながら後に続く.
坂道を登りながら,私は心の中でいろいろなことを考えている.
そろそろ私も,登山しながら所要時間を克明に記録するのを止めよう.そして,安全登山の指標を記録することにしようかなと思い始める.その指標とは…製造業に勤務した経験がある方なら誰でも知っているMTBFとMTTRを使ったらどうだろう.そういえば,数年前にも,同じようなことを考えていたことがあったナ…
ついでに一寸だけ補足すると,MTBFはMean Time Between Fairuiesの略.つまり,躓いたり転んだりしたときから,次に躓いたり転んだりする間の経過時間の平均である.勿論,MTBFが長ければ長いほど良い.この値を月単位ぐらいで測定してみようかな.
つぎにMTTRはMean Time To Repairの略.つまり,身体のどくかに故障があったときに,その故障が治るまでの時間の平均である,勿論,この値は短ければ短いほど良い.
自分の体調管理のために,このMTBFとMTTRをどう役立てようかな…なんていう雲をつかむようなことを考えている内に,見晴階段を登りきって,モミジ坂に差し掛かる.
<見晴階段>
■紅葉が見頃のモミジ坂
モミジ坂の紅葉がそろそろ見頃を迎えている.来週辺りが一番見頃になりそうである.今日は快晴.朝日が射し込むモミジが輝いている.思わず足を止めて写真を撮る.
やがて,駒止階段に差し掛かる.相変わらずユックリと階段を登る.八割方階段を登った頃,ユックリなテンポがもどかしくなったのか,MGさんの歩行速度が速くなる.MGさんに釣られて,私も後に続く.
8時25分,駒止茶屋を通過する.大倉から駒止茶屋までの所要時間は1時間13分.大分ユックリペースである.でも,
“これで良いんだ”
と自分に言い聞かせる.
<モミジ坂の紅葉>
■堀山の富士山
堀山の尾根に差し掛かる.
「私,富士山の写真を撮りますので,先に行っています…」
とお断りして,堀山の尾根を足早に歩く.そして,富士山が見える場所で,デジカメで10枚ほどの写真を摂る.
どうせ私のバカカメラである,ロクナ写真は撮れないだろうが,望遠にしたり,露出を変えたりしながら試行錯誤を繰り返す.そんな中で,何とか様になったのが下の写真である.
富士山に積もった雪が一時より少し溶けたようだが,それでも8合目付近から上は真っ白になっている.雲一つない青空が眩しい.
私が写真で四苦八苦している内に,同行の皆さんが私に追い付く.ここから先は,また,皆さんと一緒に登り続ける.
<堀山の尾根から富士山を望む>
■堀山の家
8時44分,堀山の家に到着する.まだ時間が早いので,堀山の家は開店していない.
小草平からも富士山が良く見えている.ここでも,富士山の写真を撮ろうとして,条件を変えて何回も試みるが,私のバカカメラでは,富士山を撮るのは全く不可能である.バカカメラを絵蹴飛ばしたくなるが…カメラが悪いのではなく,私の腕が悪いから上手く撮れないことを私は百も承知している.
私は,
「堀山の家から花立山荘まで,私は40分掛けて登る予定です…どうぞお先に…」
と皆様にお断りするが,皆さんが40分のユックリ速度でOKとのこと.有り難い.
■萱場平
私の経済速度を保ちながら,ユックリペースで坂道を登り続ける.
大倉尾根の中でも,堀山の家から花立山荘までの急坂が,もっとも山登りらしい雰囲気がある.だから,私はここを登るのが一番楽しい.それにノルウェーの山を経験してから,階段道の有り難さが身に染みて分かった.それ以来,階段道の連続は全く気にならなくなっている.
9時04分,萱場平を通過する.ここまで登ってきても,登山者の列は途絶えない.
ついこの間まで,木道の間で勢い良く繁茂していたアザミは,もうすっかり萎れている.
<萱場平>
■花立山荘
萱場平を過ぎてからも定速で登り続ける.今日の気温は冷涼で,湿度も低いので登りやすい.低速で登っているとはいえ,途中で何人かの登山者を追い抜く.
やがて,後7分坂(花立階段)に差し掛かる.ここからも富士山が良く見えている.すかさず富士山の写真を撮る.
後7分坂も無理をせずに登って,8時22分に花立山荘に到着する.相変わらず富士山が良く見えている.
大倉から花立山荘までの所要時間は2時間10分,堀山の家からの所要時間は39分.大倉からの所要時間が数分長すぎるのに比較して堀山の家からの所要時間が短いのが今回の特徴である.このことから,今回は前半の歩行速度がかなり低速だったことが分かる.
<花立山荘前から富士山を望む>
■花立山からの眺望
同行の皆さんは花立山荘のベンチで一休みするらしいが,私は花立山で沢山の写真を撮りたい.そこで皆さんにお断りして一足先に花立山を目指す.
9時32分,花立山山頂に到着する.
素晴らしい眺望である.富士山,愛鷹山,それに南アルプスの山々まで,とても良く見えている.私は花立山の山頂から四方八方の写真を撮りまくる.私のバカカメラも,この素晴らしい風景に感動したのか,とても機嫌が良い.なかなか良い写真が撮れる.
<花立山から南アルプスを望む>
■まるで鳥になったようだ…
花立山から相模湾を見下ろす.写真に
はよく写らないが,海が光っている.遠くに真鶴半島が見えている.眼下に見える街は小田原かな.とにかく素晴らしい眺望である.まるで自分が鳥になったようだ.
素晴らしい風景をバックにして,ご同行の皆様が花立山を目指して登ってくる.
<花立山から相模湾を見下ろす>
■新しい木道は怖い
花立山を過ぎて馬の背に差し掛かる.
途中の一寸した岩場付近の崩落が大分進んだので新しい木道ができている.高度感のある階段を下ると,片側が急な斜面の狭い木道になる.渡るのが結構怖い.それに渋滞しそうである.
この辺りは日陰になるところ.冬になれば残雪が凍結するだろう.危ないなあと思いながら通過する.
<新しい木道は怖い>
■塔ノ岳山頂
9時40分,金冷シを通過する.
私のすぐ後ろにNMさんが居られる.本当は私よりずっと高速で歩ける方だ.私はNMさんの気配を後ろに感じながら,尾尾から歩き始めたときと同じ速度で登り続ける.でも,金冷シから最初の階段を登っているときに,後続の皆さんの姿が見えないことに気がつく.
「少し,待っていましょうか…?」
とはいえ,金冷シから山頂までの所要時間はせいぜい15分,速い遅いといってもそれほど差が付くわけでもないので,そのまま登り続ける.
山頂直下で,もう下山してくるYUさんとすれ違う.
9時55分,塔ノ岳山頂に到着する.雲一つない青空が広がっている.例によって山頂からの写真を撮りまくる.山頂では沢山の登山客が休憩を取っている.気温は丁度0℃,微風.
大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は2時間43分.歩き出しが随分とユックリにしては意外にラップは良い.
そうこうしている内に,ご同行の皆さんが到着する.
一緒に尊仏山荘へ向かう.
<大賑わいの塔ノ岳山頂>
■尊仏山荘
尊仏山荘に入る.
今日の小屋番はW林さんと,F谷さん.華伊達美弥雄さんは不在.私たちより先に山荘に到着したKIさん,MTさん,TNさんが先客.
小屋番のW林さんに,神奈川美術協会会員展にお越し頂いたお礼として,出品作品の写真をお渡しする.写真をお渡ししながら,内心で,
“そろそろ来春の公募展に応募する作品に取りかからなければ…”
と居ても立っても居られないような焦りを感じる.
恒例の300円也のお茶を所望する.山荘内を見回すと常連客ばかり.
10時20分頃,先着のKIさん,MTさん,TNさんが,私たちより一足先に下山開始.
お茶を飲みながら暫し雑談.その内に,大倉から一緒に歩き出したHNさん,STさん夫妻も山頂に到着する.
<尊仏山荘>
■堀山の家
10時40分,TGさん,SSKさん,NMさんと一緒に下山開始.
山頂は寒い.でも花立山荘まで下れば暖かくなるのが分かっているが,前回のアクシデントを思い起こして,今回はユックリと下山し続ける.
山頂付近で,私たちと同じバスに乗っていた顔見知りの方とすれ違う.
11時20分,萱場平を通過する.一緒に下山し始めた方々の列がちょっとバラケ始めている.
私は,途中の堀山の家にも,先日の神奈川美術協会会員展案内ハガキを掲示して頂いたお礼を申し上げるために,速度を速めて一足先に下山することにする.そして,萱場平から堀山の家までは一人旅を続ける.
11時45分,堀山の家に到着する.
UMさん,三角髭のTDさん,KIさん,MTさん,TNさんのご常連が先客.そのうちにTGさん,HNさんも到着する.
私はコーヒーを所望したかったが,今日は皆さんと一緒に下山後,渋沢駅でコーヒーを賞味することになっているので,堀山の家では250円也のジュースを所望する.
堀山の家で“油を売っている間”に,SSKさんとNMさんは,堀山の家を通過されたようである.
<堀山の家>
■モミジ坂
TGさんが私に先に下山してくれとのことだったので,堀山の家からはTDさん,UMさん,KIさん,MTさんと一緒に下山開始.途中でNMさん,HNさんに追い付く.
下山途中で,モミジ坂の紅葉を楽しみながら,ユックリと下山し続ける.大倉発13時10分のバスに乗るしかないので,急いでも無駄.
<モミジ坂の紅葉>
■渋沢駅構内ケンタッキーで一休み
12時55分,バス停大倉に到着する.泥の付いた靴を洗ってから,13時10分発のバスに乗車する.バスは立ち席が出るほど混雑している.13時25分,渋沢駅に到着.
渋沢駅ビル1階にあるケンタッキーで30分ほどコーヒーブレーク.特に話題があるわけではないが,山の知人と一緒に賞味するコーヒーの味はまた格別である.
<渋沢駅ケンタッキーでコーヒーブレーク>
■今日も良かった!
13時55分,お開き.
私は渋沢発13時58分小田原行電車に飛び乗る.小田原駅で12時24分発快速アクティ浜行電車に乗車する.今日の快速アクティは辻堂駅にも臨時停車する.
大船駅でのバスへの接続も良くて,15時半頃には帰宅する.
今日はユックリ行動したためか,疲労感は全くなく快調である.
今日も良かった! 良かった!
<ラップタイム>
7:12 大倉歩き出し
7:37 観音茶屋
7:56 見晴山荘
8:25 駒止茶屋
8:44 堀山の家
9:23 花立山荘
9:40 金冷シ
9:55 塔ノ岳山頂着(-0.0℃)
10:40 〃 発
10:52 金冷シ
11:08 花立山荘
11:45 堀山の家(11:53まで休憩)
12:10 駒止茶屋
12:20 見晴山荘
12:35 観音茶屋
12:55 大倉着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要時間(雑談時間を含む)
大倉 発 7:12
塔ノ岳 着 9:55
(所要時間) 2時間43 分(2.72h)
水平歩行速度 7.0km/2.72h=2.57km/h
登攀速度 1269m/2.72h=466.5m/h
■下降所要時間(休憩時間を含む)
塔ノ岳 発 10:40
大倉 着 12:55
(所要時間) 2時間15分(2.25h)
水平歩行速度 7.0km/2.25h=3.11km/h
下降速度 1269m/2.25h=564.0m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/03eff17308e2204e3b8b02d38a79b0c5
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/4c87c6ecf37a1345c95aa2f0507a4179
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