<江の島の裏道を登る>
初夏の湘南;藤沢駅から遊行寺・片瀬古道・江ノ島周遊
(五十三次洛遊会)
2012年7月4日(火) 晴
<ハイキング地図>
<藤沢駅から遊行寺へ>
■藤沢駅から歩き出す
この所,九州は大雨に見舞われていて,大変な被害が生じているようである.被害に遭われた方には大変申し訳ないが,今日の湘南地方は昨日までの天気予報が大きく好転して朝から良い天気に恵まれている.
今日は五十三次洛遊会定例会開催日である.
9時30分,藤沢駅サンバール広場集合.今日の案内役は藤沢市在住のO村さん.平素,FHが案内役をすることが多いが,今日は一参加者として,案内役の後ろを付いていくだけなので,随分と気楽である.たまには,人の後を付いていくだけのハイキングも,実に気楽で良いな・・・下調べも要らないし,地図を作る気苦労もない.わざわざコンビニに立ち寄って地図をコピーする煩わしさもない.ある種の開放感があって,何とも言えない気楽さを感じる.
私は,集合時間に遅れたり,セカセカすrのが大嫌い.そんな気苦労を味わいたくないので,何時も集合時間の30~40分ほど前に集合場所に到着するようにしている.今日も,8時45分頃,藤沢駅に到着,駅ビルにあるコーヒーショップでホットコーヒーを味わいながら一時を過ごす.ゆっくりと薫り高いコーヒーを味わいながら,ボンヤリとした一時を過ごす.これがまた,たまらなく良い.私にとって正に珠玉の時である.
集合時間の15分前に,藤沢駅北口サンバール広場に移動する.すでに,参加者の大半が集まっている.本日の参加者は10名余り.全員が東海道五十三次を完歩した仲間である.
案内役のO村さんから,今日のコース地図と主要訪問場所を解説資料を頂戴する.
O村さんから,今日のコースの説明を受けた後,時間前の9時27分に歩き出す.
<境川に沿って>
■舟玉神社
まずは,駅前から真東に向かい,境川に突き当たる.ここで左折.境川堤防沿いの道を北西に遡る.
9時46分,舟玉神社に到着する.
グループの後ろの方に居た私は,折角渡された地図も見ずに,お喋りしながら,歩いていたので,すぐには現在地が分からない.でも,後で地図を確かめればいいなと思って,そのまま漫然と過ごす.
鳥居の傍らにある案内板によると,この神社の祭神は弟橘姫命.鎌倉時代には,江ノ島からこの辺りまで舟が出入りしていたようである.また,玉縄城に出入りしていた大鋸引達がこの辺りに居住していたという.
<舟玉神社>
■遊行寺
舟玉神社から大鋸2丁目の住宅地を抜けて,9時56分,遊行寺(清浄光寺)に到着する.遊行寺は時宗総本山.今更,ここで説明するまでもない名刹(詳しくは,http://www.jishu.or.jp/ を参照).
まずは境内に入ってすぐ左手にある「敵御方供養塔」を見学する.傍らの説明文によれば,1416年(応永23年)に起きた関東管領上杉禅秀(氏憲)の乱のとき,遊行寺の僧が敵味方の区別なしに戦傷者を収容し,治療し,戦死者を平等に弔ったという.
<敵御方供養塔>
■黒門
少々蒸し暑い.熱射病が心配である.木陰で小休止をして水分補給.
国定忠治の一の子分,板割浅太郎墓を見学後,総門を潜って外に出る.この黒門は天下の三黒門のひとつに数えられ,黒塗りの冠木門である.
<遊行寺の黒門>
<藤沢駅を経由して新林公園へ>
■江ノ島道の起点と庚申堂
10時07分,黒門を潜って遊行寺から外に出た私たちは,間もなく東海道との交差点,藤沢橋に到着する.ここが,江ノ島道の起点でもある.交差点からほんの数分,東海道に沿って南南西に歩いた後,三叉路を右折して旧道に入る.途端に自動車の交通量が激減して,閑静な道路になる.周囲にはマンションが建ち並んでいる.
やがて閑静な道も駅前の道路に突き当たって終わる.その突き当たりに庚申堂がある.ここは藤沢市重要文化財に登録されているところである.
<江ノ島道を行く>
<更新堂脇の石塔群>
■藤沢市役所・江ノ島弁財天道標
O村リーダーの後を追いながら歩く.わざわざ市役所前まで「コ」の字型に遠回りして,江ノ島弁財天道標を見学する.
<江ノ島弁財天道標>
■可愛い幼児達
JR東海道本線のガードを潜って石上公園へ向かう.
近くの保育園の幼児達が保母さんに連れられて遊びに来ている.金網越しに幼児達の可愛い仕草を見ていると,幼児達が集まってくる.
あまりの可愛さに,暫くの間,幼児達の声を掛けながらストップ.あどけない仕草が実に可愛い.
<公園の幼児達>
<新林公園>
■藤棚の下で休憩
奥田公園を横切って,奥田橋を渡る,境川左岸沿いの片瀬古道に入る.
10時55分,新林公園に到着する.園内藤棚の下で休憩.水分補給.何人かの皆さんがスナックや飴を配る.有り難く頂戴する.
<藤棚の下で休憩>
■長屋門
11時10分頃,休憩を終えて,公園内の中心部を一回りする.
まずは長屋門見学.
傍らの案内文によると,元渡内の名主福島家の長屋門で,藤沢市の重要文化財である.
この長屋門は,以前,日枝神社近くにあったもの.その頃,何回かニ伝寺から日枝神社辺りを散歩しながら,この長屋門を見たことがある.その頃のことを懐かしく思い出す.
<長屋門>
■小池邸
続いて小池邸を見学する.
傍らの案内文によると,元柄沢の名主小池家の住宅で江戸後期に立てられたもlの.藤沢市の有用文化財に指定されている.
今日の主要目的は江ノ島一周である.そのためにはこの辺りであまり時間を取りたくない.ところが,たまたま居合わせた掛かりの方が,親切心から長い説明を始めてしまう.観光地では毎度のことながら困惑する.
これは一般論だが,説明される方は,相手の都合や関心事を無視して,自分が知っていることを全部説明したがる.特に定年退職後の好事家にこの傾向がある.お話しをしていただくのは有り難いけれども,
「・・・なるべく簡潔にしてよ・・・!」
というのが偽りのない心境である.
「出掛けますよ・・・」
とリーダーが促す.
なおも,説明される方が,どこから来られたんですが,会の名称は,目的は・・・と,色々聞いてくる.
たまたま,居合わせた私は困惑する.
「・・・どこからと言われましても・・・藤沢,横浜,鎌倉・・いろいろなところからです・・・」
<小池邸>
<片瀬古道に沿って>
■庚申塔
11時19分,ようやく新林公園を出発する.
今日の私は進捗管理には無関係だが,予定より20~30分ほど遅れているような気がしている.果たして予定通り江ノ島を一周できるか心配し始める.
新林公園から南へ下ってすぐに片瀬1丁目の三叉路で片瀬古道に合流する.三叉路を本の1~2分北へ進んで,庚申塔を見学する.
<ミネベア裏手にある庚申塔前>
■馬喰橋
11時33分,馬喰橋(うまくらばし)に到着する.
ここには遺構のような物は何もないが,案内板がポツンと設置されている.この案内板の説明によると,すぐ横に,源頼朝が馬の鞍を架けて渡ったという伝説のある小川が流れている.この小川は道路の下を暗渠になって流れ,境川に合流している.
この辺り一帯に,鎌倉時代の船着場があったようである.
<馬喰橋>
■岩屋不動
11時36分,新屋敷橋の袂を通過する.相変わらず道幅が狭い道路が続く.橋の近くで境川を横切るパイプ橋の上に,沢山の川鵜(かな?)が,一列に並んで停まっている.どの川鵜も頭を川下に向けて止まっている.何時ここを通っても,必ず頭を川下に向けている.これには何か意味があるのだろうか?
11時37分,「岩屋不動明王入口」と朱色で刻字してある案内杭に到着する.ここで左折する.そして,住宅地内の細い路地を奥へ進む.なだらかな上り勾配である.
11時41分,山の際にある石龍山不動尊(岩屋不動)に到着する.
境内の説明文によると,境内には弘法大師が修行のために掘った穴に,快裕上人が不動尊を祀ったのが,岩屋不動の始まりだという.
境内は何となく薄暗くてジメジメしている.
<岩屋不動>
■片瀬山小学校内の道標と泉蔵寺
11時54分,片瀬山小学校校庭の片隅にある江ノ島道標を見物,続いてその隣にある泉蔵寺は,外からそっと拝観しただけで通過する.
傍らの説明文によると,これらは昭和になって移設された物で,江戸時代に何処にあったのか不明とのこと.
<片瀬小学校にある江ノ島道標> <泉蔵寺>
■諏訪神社下社
三叉路に立つ江ノ島道標を見ながら右折して12時丁度に諏訪神社下社に到着する.
温度計を持っていないので,今,何度あるのか分からないが,とにかく暑い.でも,この辺りは湘南の避暑地.東京は,多分,もっと暑いんだろうなと思いながら,日陰で一息入れる.
手許の資料によると,信濃の諏訪大社から分霊された神社で,祭神は建御名方命ほか.
<諏訪神社下社>
■下諏訪公園で昼食
12時04分,諏訪神社下社の裏手にある下諏訪公園で昼食を摂る.日射しが強いので,三々五々適当に日陰に座り込む.私は大船駅前のコンビにて購入した冷やし中華である.暑いときは冷たい麺類に限る.
食後,暫くの間,雑談.沢山の方々から,お菓子やスナック類が配られる.
<下諏訪公園に到着>
<ささやかな昼食>
■上諏訪神社
12時41分,昼食を終えて,いよいよ午後の部.
12時44分,まずは上諏訪神社を参拝する.急で長い階段の参道を見上げてウンザリするが,結局,全員が拝殿まで登る.拝殿からの見晴は最高である.
<上諏訪神社> <拝殿前からの眺望>
■密蔵寺
12時51分,密蔵寺を参拝する.信号宗の寺である.本堂の前に弘法大師の立像がある.境内にはおびただしい数の弘法大師石像が並んでいる.本尊は愛染明王.
一同,粛々とお参りをする.
<密蔵寺>
■一遍上人地蔵道跡
密蔵寺前の三叉路に江ノ島道標が立っている.三叉路を右折する.さらに突き当たりを左折する.そして,13時01分,片瀬3丁目まちかど公園に到着する.ここは一遍上人地蔵堂跡である.
傍らの案内板の説明によると,一遍上人が鎌倉で遊行しようとしたが,幕府がこれを制止され,ここに滞在して踊り念仏を唱えたという.
<一遍上人地蔵道跡>
■常立寺
片瀬古道に沿って南へ下る.近くにある本蓮寺と西行もどり松は見学を省略する.
13時07分,常立寺に到着する.ここは,元寇の翌年,元の死者5人が処刑され,彼らを供養したことで風命である.ここでお参りを兼ねて,暫く休憩.
<常立寺>
■龍口寺
13時16分,常立寺を出発,湘南モノレール駅の手前から,モノレール駅の下を抜けて,13時22分に龍口寺に到着する.ここは観光地としても有名なところなので,急に沢山の観光客と遭遇する.
1271年(文永8年),地震や洪水が続いたときに,日蓮上人は立正安国論を幕府に提出,龍ノ口刑場での法難の地である.ここに日蓮上人の弟子日法によって建立されたことで有名な寺である.
五重塔を見学する.
<龍口寺>
<龍口寺五重塔>
<江ノ島周遊>
■江の島弁天橋
龍口寺から江ノ島へ向かう.
多数の観光客に混じって,江ノ島弁天橋を渡る,吹き抜ける海風が実に心地よい.
リーダーの先導で,江ノ島ヨットハーバーに入る.私もこれまでに何回となく江ノ島を訪れているが,ヨットハーバーに入るのは初めての経験である.
<江の島弁天橋を渡る>
■聖火台と2箇所の灯台
13時58分,江ノ島ヨットハーバーの東京オリンピック聖火台に到着する.私も初めて見る.ついで,湘南港入口北側にある灯台まで行ってみる.階段状の小高い丘の上に灯台がある.ここからの江ノ島の眺望がよいので,風に吹かれながらしばらく休憩.
ついで,ヨットクラブの事務所を通り抜けて,湘南港入口北側の灯台まで行ってみる.
<オリンピック聖火台>
<二箇所の灯台>
■江ノ島を登る
女性センター裏から,狭い路地を抜けて,観光客で賑わう商店街に出る.沢山の観光客に混じって,坂道の商店街を登って,14時43分に江島神社辺津宮に到着する.
足の弱い人にはエスカーを利用して貰おうかと思ったが,リーダーのO村さんの判断で,近道を通って江島神社中津宮を目指す.坂道を登るにつれて,展望が良くなる.
道路脇には沢山のアジサイが咲いている.今が見頃である.
<江島神社辺津宮>
■江島神社中津宮
14時53分,商店街に突き当たる.ここからさらに階段を登って,14時56分に江島神社中津宮に到着する.
この辺りまで来ると,観光客の数は少し少なくなる.
「時間が押しているので,この辺りで戻ろう・・・」
という意見もあったが,是非,江ノ島を一回りしたいという強い希望をお持ちの参加者が気の毒なので,
「では,私が(このお一人を)大急ぎで弁天窟まで案内してきます・・」
と提案する.結局,大半の方が弁天窟まで行くことになる.
<江島神社中津宮>
■弁天窟
江島神社中津宮から先へ進む.
その先にも随分と沢山の階段がある.こんなに沢山の登り下りがあったかな思いながら先へ進む.やがて,稚児ヶ淵近くの断崖の上から,急な下り階段を一気に下って,ゴツゴツとした岩の海岸沿いの道に下りる.
ここからは陸橋になる.
15時05分,弁天窟入口に到着する.入場料は500円.私は何回も来ているので,どうせ500円を使うならコーヒーの方が良いと思う.そこで希望者だけ見学するように薦める・・・・が,中に入ったのは,結局,お一人だけ.この方が戻るまで,高いところから産みを眺めながら,ノンビリと待つ.
<弁天窟入口;写真の人物は無関係>
<弁天窟前から相模湾の外海を望む>
<仲良く雑談しながら戻る;楽しそう>
■鍵一杯の展望台
途中一寸脇道に入る.
15時25分,「恋人ナントカ」という展望台に到着する.場所が場所だけに,二人連れが何組か訪れている.私は,ただ,ただ,ベラボーに沢山の鍵に驚くばかり.
“何をか言わん哉”・・・只呆れるばかりである.
■江の島大師
15時33分,江の島大師の前を通過する.
もうかれこれ10年ほど前に,今は亡き大学時代の親友と,たまたまここを訪れて護摩焚きに参加したときのことを懐かしく思い出す.
<江の島大師>
<江の島でフィナーレ>
■江の島「サイゼリア」で懇親会
立ち並ぶ土産店の中を通り抜けて,長い下り階段を下りる.
15時42分,江島神社辺津宮を通過する.雑踏する観光客に混じって江の島弁天橋を渡る.
16時12分,江の島サイゼリアに到着する.ここで懇親会.
皆さんとても元気で,結構ヘビーな食事を注文している.私は,家に帰れば夕食があるので,何も食べたいとは思わない.温和しくドリンクバーで済ませる.
こんなときはホットコーヒーが一番.アイスコーヒーでは香りが一寸物足りない.
如何にもファミレスらしいデザインのコーヒーカップを眺めながら賞味する.
■夕方の散策を楽しみながら帰宅
17時10分,女性軍より早くお開きにする.
湘南モノレールの湘南江の島駅17時26分発大船行の電車に乗車する.およそ10分で湘南深沢駅に到着する.ここは自宅へ最も近い駅というわけではないが,少々散歩をしたかったので,わざわざ遠い駅で下車する.
途中,アジサイのI氏宅の庭先をちょっと拝見しながら,17時53分に無事帰宅.歩行距離16.7キロメートルの楽しい散策は無事終わった.
(おわり)
※ここで1回に掲載できる文章の容量を超えたので,続きは下記をクリック.
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/6eb32b9aa68578a958ed096cea9de6e9
「関東・上信越の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/78caecc8ebc1c96115ead75ee0f0bea1
「関東・上信越の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/6eb32b9aa68578a958ed096cea9de6e9
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/1257b89e764a5437be7d215acc72b84d
最新の画像[もっと見る]
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前