<弁慶水の案内板>
中秋の延暦寺参拝と比叡山ハイキング(1):叡山電鉄に乗って
(東海道五十三次宿場巡りの有志3人旅)
2008年10月20日(月)
昨年(2007年)3月から始まった「歩いて巡る東海道五十三次宿場巡り」も,日本橋から歩き始めて延べ28日目の2008年10月19日に,無事,「あがり」の京都三条大橋に到着した.その翌日の今日,10月20日は,7時の朝食を終えたところで解散,自由行動となる.
私は,当初,早朝に京都を出発して,途中,伊吹山にでも登ってから帰ろうかとも思っていたが,一方では,折角,京都に来ているのだから,中秋の京都を散策するのも良いなと迷っていた.仮に京都を散策するにしても,比叡山か鞍馬山辺りをぶらつくか,あるいは,銀閣寺,法然院,哲学の道辺りの昔懐かしい場所を訪れようかと,色々と迷ってしまう.
もう四半世紀近く前になるが,私は学生時代に法然院近くで部屋を借りていたことがある.秋になると道を挟んで向こう側にある木々の紅葉が,私の部屋に反射して,天井が真っ赤に染まる.それはもう素晴らしい情景だったことを鮮明に思い出す.
私は,出発前から迷いに迷っていた.
・・・・そんな折,たまたま19日の夜,今回のツアーでたまたまご一緒する機会が多かった藤沢在住のOさんからのお誘いもあって,私の迷いも解消し,20日にはOさん他有志の方と鞍馬方面へ出掛けてみることにした.
<散策ルート>
<比叡山散策ルート>
(出所)叡山電鉄のチラシより引用
<鞍馬を目指して>
■兎に角,観光に出掛ける
妙法院前の和風旅館東山閣で朝を迎える.私は,調布市のHさん,海老名市のSさんと3人相部屋である.3人とも年輩者なので朝が早い.
6時に朝風呂に入る.随分と混雑している.
7時から朝食.大きな食堂でバイキング形式である.朝食を摂りながらOさん達と,今日,どうするか話し合いをする.四半世紀も前のことになるが,多少でも京都に住んだことがある私が案内役を務めることになる.とはいえ,昨日から五十三次宿場巡りで京都市内を歩いているが,以前,確かに来たことがある場所なのに,今は殆ど覚えていないところが多い.これには自分でも呆れるほどである.
「・・・まあ,兎に角,適当に行ってみよう・・・」
と気楽に出発する.
<東山閣の朝食:バイキング形式>
■八瀬叡山口駅へ
7時57分に東山閣を出発,七条駅から出町柳までは.地下鉄に乗車する.私の学生時代には,当然,地下鉄などなかったので,今回は私にとっても殆ど経験のないコースになる.
8時26分に,地下鉄の終点,出町柳に到着する.ここで,叡山電鉄に乗り換えて,鞍馬へ向かうつもりである.鞍馬駅までのキップを自動販売機で買うのに,機械の使い勝手が違うので,少々もたつく.その間に,鞍馬行の電車が発車してしまう.
大した待ち時間ではないが,ボンヤリしているのも辛いので,駅員に申し出て,一旦買ったキップを払い戻して,八瀬比叡山口駅行のキップを買い直す.
<叡山電鉄の電車>
■瑠璃光院
8時40分に出町柳駅を発車する.1両だけの電車である.昔の都電を何となく思い出す長閑な電車である.電車には,ソコソコの人数の乗客が居る.途中駅からは幼稚園児が数名,集団で乗ってくる.可愛い子供達の登場で,私達も思わず笑顔になる.
8時53分に,終点,八瀬比叡山口駅に到着する.緑に囲まれた長閑な駅である.駅前から向かって右手に続く道を辿って,ケーブル比叡駅へ向かう.途中の三叉路で,瑠璃光院の案内板が建っているのを見て,ついでに瑠璃光院に立ち寄ることにする.緑豊かで静かな住宅地を5分ほど進むと,瑠璃光院前に到着するが,参拝時間の開始が10時からなので,中には入れない.仕方がないので境内入口の写真だけ撮って,今来た道を引き返す.
<瑠璃光院の入口>
<ケーブルカーに乗る>
■可愛いネコ達
9時09分にケーブル比叡山口駅に到着する.
次のケーブルの発車時刻は9時30分である,まだ,大分時間がある.駅前の広場で暫く時間を潰す.そのとき,どこからともなく,子猫が現れる.可愛いので,このネコに近寄る.すると,彼方此方から,5匹の子猫が出てきて,じゃれ合い始める.この様子がとても可愛いので,数枚の写真をデジカメに収める.
そうこうしている内に,沢山の観光客が,ケーブル駅に集まり始める.ただ,リュックを背負っている観光客は,私達を含めて,ほんの数名しか居ない.
<ケーブル八瀬駅>
■ケーブルで登る
私達が乗車したケーブル車は,9時30分にケーブル八瀬駅を発車する.ほぼ満席である.
ケーブルは急な上り勾配を登り続ける.動いている間に,車内の拡声器からケーブルの由来や観光案内が流れてくる.
9時39分にケーブル比叡駅に到着する.
ここで,引き続きロープウェーに乗り継いで,大比叡(標高848.3m)まで,一気に登るか,それとも徒山頂まで歩いて登るか迷うが,折角だから歩いて登ろうということになる.
<急坂をケーブルは登る>
<延暦寺を目指して>
■ケーブル比叡駅
9時47分にケーブル比叡駅から歩き出す.
私達の前に,若い男性1人と,登山姿をした2人連れの高年齢の男性が歩いている.正確な地図を持っていない私達3人は,何の疑いもなく,この3人の後を追う.ところが,ほんの2~3分進んだ所で,間違った道を歩いていることに気が付く.再び出発点に戻ったので,数分ほど時間をロスする.
■見晴の良い散策路
緩やかな砂利道の登り坂が続く.
暫くの間,登り続けると,小さなスキー場に到着する.ゲレンデと建家の間を抜けて,西に流下する山肌に沿うトラバース道を進む.やがて,勾配が緩くなり,水平に近い道になる.暫くの間,長閑なトラバース道を進む.
10時02分,西側に展望が開けた高台に到着する.ここで,景色を眺めながら小休止する.どこを見下ろしているのか正確には分からないが,眼下には,八瀬比叡山口駅付近から鞍馬方面へ向かう谷間が見下ろせる.幾重にも重なる稜線の先には,かなり標高がありそうな三角形の山が見えている.
広場の道路側には,沢山の五輪塔が並んでいる.鎌倉で良く見掛ける五輪塔に比較すると,「水」を表し石と,「火」を表す石の形が,微妙に違っているのが面白い.
「水」を表す石は,鎌倉地方では,ほぼ球状に仕上げられているのに対して,ご当地では菱柿の用に断面が四隅を丸くした四角形をしている.また,「火」の石は,鎌倉の五輪塔に比較すると,縦方向に長く作られているのが分かる.
<素晴らしい見晴>
<五輪塔>
■弁慶水
10時05分に展望台を出発する.ここから緩やかな下り坂になる.手入れが行き届いている杉林の中を進む.そして,10時23分,弁慶水に到着する.井戸には小さな小屋が建っている.その小屋の後に,もの凄く大きな杉の木が3本,真っ直ぐに聳えている.これまで,私はこんなに凄い杉の木を見たこともないので,とてもビックリすると同時に畏怖の念を抱いてしまう.
<弁慶水>
■延暦寺境内に到着
直ぐ近くに,参観料を徴収する延暦寺の小屋が建っている.ここで参観料を支払って,境内に入る.小屋番の老人に,
「あそこに生えている杉の木の樹齢はどのくらいですか・・?」
と伺うが,門番は,
「知りません・・」
と素っ気ない.
いよいよ,私達は有名な延暦寺の境内に入る.
<杉の大木>
(つづく)
「延暦寺参拝と比叡山ハイキング」の次の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/31b5cde7191f6ac3517ca31b4bc56642
「東海道五十三次宿場巡り」の15回目の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/3011a34fcdaa96e17b1d6d931a3668e5
中秋の延暦寺参拝と比叡山ハイキング(1):叡山電鉄に乗って
(東海道五十三次宿場巡りの有志3人旅)
2008年10月20日(月)
昨年(2007年)3月から始まった「歩いて巡る東海道五十三次宿場巡り」も,日本橋から歩き始めて延べ28日目の2008年10月19日に,無事,「あがり」の京都三条大橋に到着した.その翌日の今日,10月20日は,7時の朝食を終えたところで解散,自由行動となる.
私は,当初,早朝に京都を出発して,途中,伊吹山にでも登ってから帰ろうかとも思っていたが,一方では,折角,京都に来ているのだから,中秋の京都を散策するのも良いなと迷っていた.仮に京都を散策するにしても,比叡山か鞍馬山辺りをぶらつくか,あるいは,銀閣寺,法然院,哲学の道辺りの昔懐かしい場所を訪れようかと,色々と迷ってしまう.
もう四半世紀近く前になるが,私は学生時代に法然院近くで部屋を借りていたことがある.秋になると道を挟んで向こう側にある木々の紅葉が,私の部屋に反射して,天井が真っ赤に染まる.それはもう素晴らしい情景だったことを鮮明に思い出す.
私は,出発前から迷いに迷っていた.
・・・・そんな折,たまたま19日の夜,今回のツアーでたまたまご一緒する機会が多かった藤沢在住のOさんからのお誘いもあって,私の迷いも解消し,20日にはOさん他有志の方と鞍馬方面へ出掛けてみることにした.
<散策ルート>
<比叡山散策ルート>
(出所)叡山電鉄のチラシより引用
<鞍馬を目指して>
■兎に角,観光に出掛ける
妙法院前の和風旅館東山閣で朝を迎える.私は,調布市のHさん,海老名市のSさんと3人相部屋である.3人とも年輩者なので朝が早い.
6時に朝風呂に入る.随分と混雑している.
7時から朝食.大きな食堂でバイキング形式である.朝食を摂りながらOさん達と,今日,どうするか話し合いをする.四半世紀も前のことになるが,多少でも京都に住んだことがある私が案内役を務めることになる.とはいえ,昨日から五十三次宿場巡りで京都市内を歩いているが,以前,確かに来たことがある場所なのに,今は殆ど覚えていないところが多い.これには自分でも呆れるほどである.
「・・・まあ,兎に角,適当に行ってみよう・・・」
と気楽に出発する.
<東山閣の朝食:バイキング形式>
■八瀬叡山口駅へ
7時57分に東山閣を出発,七条駅から出町柳までは.地下鉄に乗車する.私の学生時代には,当然,地下鉄などなかったので,今回は私にとっても殆ど経験のないコースになる.
8時26分に,地下鉄の終点,出町柳に到着する.ここで,叡山電鉄に乗り換えて,鞍馬へ向かうつもりである.鞍馬駅までのキップを自動販売機で買うのに,機械の使い勝手が違うので,少々もたつく.その間に,鞍馬行の電車が発車してしまう.
大した待ち時間ではないが,ボンヤリしているのも辛いので,駅員に申し出て,一旦買ったキップを払い戻して,八瀬比叡山口駅行のキップを買い直す.
<叡山電鉄の電車>
■瑠璃光院
8時40分に出町柳駅を発車する.1両だけの電車である.昔の都電を何となく思い出す長閑な電車である.電車には,ソコソコの人数の乗客が居る.途中駅からは幼稚園児が数名,集団で乗ってくる.可愛い子供達の登場で,私達も思わず笑顔になる.
8時53分に,終点,八瀬比叡山口駅に到着する.緑に囲まれた長閑な駅である.駅前から向かって右手に続く道を辿って,ケーブル比叡駅へ向かう.途中の三叉路で,瑠璃光院の案内板が建っているのを見て,ついでに瑠璃光院に立ち寄ることにする.緑豊かで静かな住宅地を5分ほど進むと,瑠璃光院前に到着するが,参拝時間の開始が10時からなので,中には入れない.仕方がないので境内入口の写真だけ撮って,今来た道を引き返す.
<瑠璃光院の入口>
<ケーブルカーに乗る>
■可愛いネコ達
9時09分にケーブル比叡山口駅に到着する.
次のケーブルの発車時刻は9時30分である,まだ,大分時間がある.駅前の広場で暫く時間を潰す.そのとき,どこからともなく,子猫が現れる.可愛いので,このネコに近寄る.すると,彼方此方から,5匹の子猫が出てきて,じゃれ合い始める.この様子がとても可愛いので,数枚の写真をデジカメに収める.
そうこうしている内に,沢山の観光客が,ケーブル駅に集まり始める.ただ,リュックを背負っている観光客は,私達を含めて,ほんの数名しか居ない.
<ケーブル八瀬駅>
■ケーブルで登る
私達が乗車したケーブル車は,9時30分にケーブル八瀬駅を発車する.ほぼ満席である.
ケーブルは急な上り勾配を登り続ける.動いている間に,車内の拡声器からケーブルの由来や観光案内が流れてくる.
9時39分にケーブル比叡駅に到着する.
ここで,引き続きロープウェーに乗り継いで,大比叡(標高848.3m)まで,一気に登るか,それとも徒山頂まで歩いて登るか迷うが,折角だから歩いて登ろうということになる.
<急坂をケーブルは登る>
<延暦寺を目指して>
■ケーブル比叡駅
9時47分にケーブル比叡駅から歩き出す.
私達の前に,若い男性1人と,登山姿をした2人連れの高年齢の男性が歩いている.正確な地図を持っていない私達3人は,何の疑いもなく,この3人の後を追う.ところが,ほんの2~3分進んだ所で,間違った道を歩いていることに気が付く.再び出発点に戻ったので,数分ほど時間をロスする.
■見晴の良い散策路
緩やかな砂利道の登り坂が続く.
暫くの間,登り続けると,小さなスキー場に到着する.ゲレンデと建家の間を抜けて,西に流下する山肌に沿うトラバース道を進む.やがて,勾配が緩くなり,水平に近い道になる.暫くの間,長閑なトラバース道を進む.
10時02分,西側に展望が開けた高台に到着する.ここで,景色を眺めながら小休止する.どこを見下ろしているのか正確には分からないが,眼下には,八瀬比叡山口駅付近から鞍馬方面へ向かう谷間が見下ろせる.幾重にも重なる稜線の先には,かなり標高がありそうな三角形の山が見えている.
広場の道路側には,沢山の五輪塔が並んでいる.鎌倉で良く見掛ける五輪塔に比較すると,「水」を表し石と,「火」を表す石の形が,微妙に違っているのが面白い.
「水」を表す石は,鎌倉地方では,ほぼ球状に仕上げられているのに対して,ご当地では菱柿の用に断面が四隅を丸くした四角形をしている.また,「火」の石は,鎌倉の五輪塔に比較すると,縦方向に長く作られているのが分かる.
<素晴らしい見晴>
<五輪塔>
■弁慶水
10時05分に展望台を出発する.ここから緩やかな下り坂になる.手入れが行き届いている杉林の中を進む.そして,10時23分,弁慶水に到着する.井戸には小さな小屋が建っている.その小屋の後に,もの凄く大きな杉の木が3本,真っ直ぐに聳えている.これまで,私はこんなに凄い杉の木を見たこともないので,とてもビックリすると同時に畏怖の念を抱いてしまう.
<弁慶水>
■延暦寺境内に到着
直ぐ近くに,参観料を徴収する延暦寺の小屋が建っている.ここで参観料を支払って,境内に入る.小屋番の老人に,
「あそこに生えている杉の木の樹齢はどのくらいですか・・?」
と伺うが,門番は,
「知りません・・」
と素っ気ない.
いよいよ,私達は有名な延暦寺の境内に入る.
<杉の大木>
(つづく)
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「東海道五十三次宿場巡り」の15回目の記事
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