中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
最初に左下の“カテゴリー”を選んで,クリックして下さい.

北高尾山稜ハイキング

2008年03月27日 12時09分44秒 | 関東・伊豆箱根・上信越

             <北高尾山稜からの眺望>

           北高尾山稜ハイキング
          (山旅スクール第10期山行)
         2008年3月23日(日) 


 <登山地図>

■地形図

  使用地形図:1/25,000『八王子』『与瀬』
  プロフィールマップ:山と高原地図27『高尾・陣馬』


           ※プリントすると綺麗に見えます。

■プロフィールマップ




<ハイキング概況>

■ぼやきを一くさり
 一部の仲間によれば,私は山欠病という病気に罹っているという。その理由は,頻繁に山遊びをしているからだという。しかし,当の本人,つまりflower-hillに言わせれば,山と言っても,朝,山に出掛けて,夕方家に帰ってくるのだから,普通のサラリーマンと違わないのだが・・・
 事実,鎌倉散策を除いて,ここ数年,年間約100日余り山に出掛けている。だが,大半は日帰り。2年前,サンデー毎日になったが,行き先が勤務先から山に変わったに過ぎない。
 卑しい話だが,サンデー毎日になると,毎日が自由時間は喜ばしいが,そうなると,登ってみたい山が,際限なく広がってしまう。ところが,そこは良くしたもので,暇になるのと反比例して,小遣いは目減りしてしまう。そこが実に焦れったいのである。
 そんなこともあって,私の日常では,費用が比較的少なくて済む塔ノ岳往復に専念する羽目になる。その結果,年間約120日の山行の内,約45日は塔ノ岳という惨めな結果になる。
 楽をして,近場のどこかへ行きたい・・そんな思いが強くなる。たまたま某グループのメーリングリストを通じて,山旅スクールの甲羅ガイドから,山旅スクール10期山行に欠員がある。参加しないかというメールを頂戴する。
 「これ,これだ! こういう楽なハイキングに,気楽に参加したかったんだ・・」
ということで,急遽,山旅スクール第10期「北高尾山稜ハイキング」に参加させて貰うことにした。ただ,スクールの既卒者が,1人だけで参加するのも寂しいので,携帯メールを使って,スクールの同級生,何人かに声を掛けてみる。その結果,既卒者の参加は,私1人ではなくなった。

■八王子駅集合
 早朝,5時10分に家を出る。大船駅前のコンビニで,オニギリ2個,パン1個を購入してから,東海道本線,京浜東北線,横浜線を乗り継いで,集合時間の40分前に,JR八王子駅に到着する。まだ,十分に時間があるので,改札口横のBECKERSに入り込んで,暖かいコーヒーを味わう。コーヒーを飲みながら,ユックリと時間潰しをする・・・これが,私にとって珠玉の時なのである。
 私はコーヒーを賞味しながら,いろいろなことを考える。
 「さて,私は一体何のためにブログに熱中しているのだろうか・・・現役時代,私が持っていた専門的知識を活用して,自分の山体験を体系的に整理したらどうだろう(ブツ,ブツ,・・・)」
 すると私の奥底に巣くっているもう一人のハイド氏のような私が,
 「そうだよ,お前! あんたには経営情報システム論という十八番(オハコ)があるじゃないか! システム論の光を当てて,これまで山旅スクールで学んだことや,体験したことを纏めなさい・・そうすれば,一寸は小遣い稼ぎになるかもしれないぞ!」
と私の耳元で怪しく囁く。
 表の私は,この「小遣い稼ぎ」というゲスな動機が気に入らない。でも,そんな金銭的なことは,兎も角として,自分の専門性を生かして,山旅体験を纏めてみたいという衝動に駆られる。私はノートを広げて,今,考えついた「レジュメもどき」のメモを取る。そうでなければ,ただの山好きの方々と差別化できないではないか。
 そんなろくでもないことを考えている内に,瞬く間に時間が過ぎる。私は集合時間10分前に,集合場所に移動する。

■八王子霊園南門から歩き出す
 今日の参加者は10数名。顔見知りは既卒者3人だけである。今日のガイドはサンダーウエスト氏である。
 8時13分,私達は4人ずつタクシーに分乗して,JR八王子駅前を出発する。どこをどう通ったのか分からないが,八王子の西北西にある八王子霊園南門(標高187m)に,8時34分に到着する。門の前は一寸した広場になっている。辺りはとても閑静な所である。
 私は,自分で工夫して作ったマップケースに地形図のコピーと,プロフィールマップを入れて,準備を整える。また,カシミールでプリントアウトした資料を見て,およその数値データを頭に収める。そんな私の様子を,脇から覗き込んでいた10期生の1人が,
 「これ,ご自分でお作りになったんですか? みんなにコピーを配って貰いたいですね・・・」
と話しかけてくる。私は,少々,ムッとする。
 「プロフィールマップの作り方,スクールで習ったでしょう。自分で作らなければ,地形が頭に入りませんよ・・」
と少々嫌みを言う。でも,これ本音である。
 ウオームアップのストレッチを済ませる。4人ずつ班分けされる。
 ガイドのサンダーウエスト氏から挨拶がある。
 「今日はロングコースになります。途中で休憩時間を取りながら歩きますが,『出発』といわれてからトイレに行くようなことはしないで下さい・・・」
 9時03分に八王子霊園南門から歩き出す。
 暫くの間,舗装道路を歩き続ける。そして,9時20分に小さな駐車場(225m)に到着する。ここで,8分間,トイレ休憩を取る。

                    <八王子城趾を行く>

■八王子神社
 また暫く舗装道路を西に歩き続ける。
 9時55分,御主殿の滝へ行く道を分岐する(360m)。ここから,やや急な登り坂の山道になる。山道は稲妻上に2回折り返して高度を上げる。そして,10時09分に八王子神社に到着する。ここから,さらに坂道を登って,16時15分に小高い丘の上の広場(435m)に到着する。ここで,5分ほど休憩を取る。
 サンダーウエスト氏が,
 「これから,どちらに進みますか・・?」
と参加者に謎掛けを出す。地形図とエリアマップを見ると,そのまま尾根沿いに進むように見える。ところが,実際の散策路は,山頂から南へ一旦降りてから,ふたたび鞍部で尾根道に入るようになっている。地形図と実際が異なっている典型的な事例である。

                      <八王子神社>

■高ドッケを越えて狐塚分岐へ
 16時20分,小高い丘から歩き始める。南側の斜面を,一旦下って,再び登り返して,尾根の鞍部に出る。ここから尾根沿いの登山道を西へ歩き続ける。途中で小さな上り下りが連続する。
 11時18分,手書きで杉沢ノ頭と書いてある小さなコル(550m)に到着する。ここで,5分ほど休憩を取る。ずっと地形図をチェックしていた私には,どう考えても,このコルは杉沢ノ頭ではないと確信する。その理由は,本当の杉沢ノ頭ならば,その前で登山道が大きく北西の方向に向きを変えなければつじつまが合わないからである。従って,このコルは,私の独断で,偽杉沢ノ頭ということにしておこう。
 やがて登山道は大きく北西の方向に変わる。そして,少し坂を下って登り返して,11時31分に,本当の杉沢ノ頭(547m)を通過する。さらに,11時44分に小さなピーク(560m)を通過する。私はプロフィールマップを作った際に,残念ながら,この小さなピークを見落としていた。まだまだ自分は未熟だなと反省する。
 また,登山道が南西に大きくカーブして,11時51分に高ドッケ(560m)に到着する。そのまま標高差で50メートルほど下って,登り返す。そして,13時02分に562メートルピークを通過する。登山道は,ほぼ尾根に沿って続いている。地形図を見ると562mピークの北側を巻くように読みとれるが,実際には,このピークの真上を通過している。
 登山道は次第に西北西に向きを変えていく。そして,やや急な下り坂を標高差で50メートルほど下ると,進行方向右手,つまり北側の斜面に沿うように林道が走っているのが見えてくる。12時20分,登山道から,この林道に出る。ほんの10数メートル林道を歩いて,再び林道の南側に沿うよう走る登山道に入る。そして,12時29分,狐塚峠分岐(505m)に到着する。
 狐塚分岐の北側には,ほんの数10メートル先に,先ほどの林道が見えている。地形図には記載されていないが,林道から峠まで微かな踏み跡が残っている。私達は,ここで5分ほど休憩を取る。

                   <夕やけ小やけふれあいの道>

■黒ドッケから夕やけ小やけへ
 狐塚峠からは,やや痩せた尾根に沿って,緩やかな登り坂になる。周囲は針葉樹林帯である。こんもりとした森林の中を歩き続ける。進行方向左(南)から小さな尾根が合流する。続いて右側(北)からやや大きな尾根が2本立て続けに合流する。
 13時13分,狐塚峠から3番目のピーク,黒ドッケ(612m)を通過する。ここから,ほんの数10メートル下ったあと,坂を登り返して,13時19分,夕やけ小やけ(620m)に到着する。
 時間が押している。ガイドの判断で,ここでは休憩を取らずに,もう一つ先の600mピークまで歩き続ける。参加者の中には疲労し始めている人も多く,だんだんと口数が少なくなっている。
 13時38分,600mピークに到着する。ここで10分ほど休憩を取る。

■関場峠
 13時48分に600mピークを出発した私達は,直ぐに下り坂を進み,また登り返して,小さなピークを越える。その後,緩やかだが,やや長い下り坂を,ほぼ西北西の方向に進む。やがて,木の枝の間から送電線が見え始める。この送電線を越えると,間もなく三本松(605m)に到着するはずである。私は近くの人に,
 「ほら,あそこに送電線が見え始めましたよ・・・」
と指さしながら,励ます。
 13時56分,やや痩せた尾根の鞍部を通過する。頭上には送電線が南北に走っている。ここで現在地を地形図の上で照合する。14時05分,三本松(605m)を通過する。さらに,緩やかな坂を一気に下って,14時13分に611mピークを通過する。
 14時14分,私達は鞍部にある関場峠(575m)を通過する。

■堂所山
 関場峠から先の登山道は,一旦,西南西に向きを変える。その後直ぐに西北西に曲がる。さらに,きく南へカーブして,南東に向きを変え,さらに南向きになってから堂所山山頂(733m)に至る。途中に小さな上り下りがあるものの,全体としては標高差180メートルほどの登り坂である。今回のコースの中で,最大の登り坂ということになる。
 歩きながら,ときどき地形図を見て,自分の位置を確かめる。自分の予想と合致していれば嬉しいし,間違っていれば,どうして間違えたのかを考えるのが,実に楽しい。特に堂所山に至るまでの山道のように方向が大きく変わるところの地図読みは大変楽しく感じる。
 14時50分,私達は,無事,堂所山山頂に到着する。山頂は広葉樹と針葉樹に囲まれた空き地になっている。ここで,暫くの間,休憩となる。思い思いに,遅い昼食を摂る。その後,全員の集合写真を撮る。

       <堂所山山頂>                 <山稜からの眺望>

■大平小屋
 15時16分,堂所山を出発する。南西に伸びる尾根道を進む。途中,標高695mまで下り,また登り返す。そして,15時36分に底沢峠(755m)を通過する。底沢峠から美女谷温泉を経由して下山するコースもあるが,私達は矢ノ根コースを通って下山する事になっている。
 底沢峠から西に向かう尾根道を進む。極なだらかな上り下りをして,15時46分,明王峠(755m)に到着する。無人の茶店が建っている。休憩を取らずにそのまま通過する。
 この辺りからは,道路が良く整備されていて,登山道というよりは,散策路のような雰囲気になる。木製の階段道が続く。なだらかな下り坂を南西の方向に下り続ける。
 15時59分,林道と交差する。その後,再び登り返して,16時05分,矢ノ根(635m)を通過する。ここから登山道は南東の方向に向きを変える。単調な下り坂が続く。
 16時15分,大平小屋(565m)に到着する。小屋は無人である。ここで7分ほど休憩を取る。

                 <大平小屋で休憩>
           ※プライバシ保護のため画素数を落としている。

■与瀬神社
 16時22分,大平小屋を出発する。登山道は大きくカーブして次第に南から南南西に向きを変える。暫くの間は,緩やかな下り坂が続く。16時30分頃,大神山の西側の斜面のトラバース道を進む。
 トラバース道を過ぎると,進路が南西に変わり,急な下り坂になる。ややガレていて,ジグザグの道が続く。そして,飛び出るような感じで,与瀬神社(295m)の裏手に降りる。 神社の参道を降りる。ガイドから,
 「疲労した足で,下り階段を降りるのは危険ですから,脇の道を歩きましょう・・・」
と言われる。そこで,神社脇の自動車が通れるような舗装された坂を下って石段の下にでる。

                   <与瀬神社>
                ※画素数を落としてある。

■無事,相模湖駅に到着
 神社の参道を下り切ると,そのまま中央本線跨線橋につながっている。跨線橋を渡って,住宅地の裏の狭い通りを,相模湖駅に向かって歩く。道端に「通学路」の標識が建っている。
 17時30分,無事,相模湖駅に到着する。先頭のグループと末尾では,多少の時間差があったが,全員無事に山行を終える。
 駅に到着後,駅前の階段を利用して,坂道の上り方のレッスンが行われる。
 クールダウンのストレッチを終えて,17時55分頃,相模湖駅前で解散。
 私は,何人かの仲間と一緒に,相模湖発18時00分のホリデーナントカという電車に飛び乗る。車内は沢山の観光客で混雑している。八王子で下車,横浜線,湘南新宿ラインを乗り継いで,19時50分頃,無事,帰宅。
 交通の便が悪くて,なかなか1人では行けない奥多摩の山々は楽しかったが,山行と言うよりは,何となくハイキングのような気分であった。

[ラップタイム]

 9:03  八王子霊園南口歩き出し(187m)
 9:20  駐車場(225m)(9:28までトイレ休憩)
 9:55  分岐(360m)
10:09  八王子神社
16:15  八王子神社上広場(435m)(16:20まで休憩)
11:18  偽杉沢ノ頭(550m)(11:27まで休憩)
13:31  杉沢ノ頭(547m)
11:51  高ドッケ(560m)
12:12  562mピーク
12:20  林道と交差
12:29  狐塚峠分岐(505m)(12:36まで休憩)
13:13  黒ドッケ(612m)
13:19  夕やけ小やけ(620m)
13:38  600mピーク(13:48まで休憩)
13:56  送電線下を通過(560m)
14:05  三本松(605m)
14:14  関場峠(575m)
14:58  堂所山(733m)(15:16まで休憩)
15:36  分岐(735m)
15:46  明王峠(755m)
15:59  林道
16:05  矢ノ根(635m)
16:15  大平小屋(565m)(16:22まで休憩)
17:17  与瀬神社(295m)
17:30  JR相模湖駅 着

[山行記録]

■累積登攀高度
   1,110m

■累積下降高度
   1,100m

■水平移動距離
    15km

■標準所要時間
   7時間20分(7.33h)

■所要時間実績
(休憩時間を含む)
 八王子霊園歩き出し   9:03
 相模湖駅着      17:30
 (所要時間)   8時間27分(8.45h)

■所要時間比
    8.45h/7.33h=1.15
                            (おわり)



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
oban ojin (suzuka)
2008-03-28 10:52:24
「みんなにコピーを配って貰いたいですね」
19歳の愛猫を亡くし、喪明け犬とともに散歩するようになり浮世にこの次元のホモサピエンスが多いことを多々
体験している。私も十分オバンだが、FHさんをまね去ろうとしている、職場近辺の散策をした。駒場東大、民芸
館、近代文学館、と、残念ながら31日まで休館だあったが、渋谷デ、塩たばこ博物館。そして、戸栗博物館、同じ
ように歩いていたおじんから、東京塹壕めぐりも面白い慶応大学、日吉で、学芸員が説明してくれてと、一足さきにリタイアした友人は新聞のコラムを手書きし、字をわすれないようにしていると。幸い私は扶養家族はペットのみ、海外ばかり飛び回っていたが、近場での楽しみ方、またこのように記して、本当にいつも参考になり、楽しんでいます。
返信する
長文のコメントありがとうございました (flower-hill_2005)
2008-03-28 11:04:36
suzukaさん
長文のコメント有り難うございました。
私のブログ中の「・・オバン・・」は,失言でした。
後で,ブログの当該部分の言い回しを変えておきます。
私も頭がボケないように,全く自分のために,ブログを書き続けています。
今後とも,よろしくお願いします。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。