戸隠山・飯縄山登頂(2)<物見岩>
<山旅スクール挑戦コース>
2007年10月13日(土)~15日(月)
第1日目 10月13日(土)(その2) 晴時々曇
<物見岩で岩練>
■岩練の準備
私たちは、11時01分に霊山寺駐車場に到着する。11時11分に駐車場から山道を登り始める。そして、11時28分に物見岩の上に到着する。
<長野北部概念図:物見岩は大峰山の山頂近くにある>
物見岩のベンチで,暫く休憩を取った後,いよいよ岩稜演習が始まる。まずはシットハーネス(以下ハーネス)を装着する。そして,ヘルメットを被る。装着する方向に注意しながら,ハーネスに安全環付きカラビナを装着する。さらにダブルフィッシャーマンズノットで環状に結んだロープスリングにインクノット(グローブピッチともいう)で安全環なしカラビナを固定する。これを2本作り,それぞれをハーネスに装着する。さらに,クレームハイスト用のロープスリングを1本用意して,ハーネスの脇に何時でも取り出せるように装着する。
<必要最低限の装備> <ダブルフィッシャーマンズノット>
<クレームハイスト巻きの途中> <クレームハイストの概要>
※メインロープに3回巻きつけて, ※右の安全環付カラビナをハーネスに装着
ロープの端を左手の環に通す ただし,写真のメインロープは8mmφで実際より細い。
まずは,平地に固定されているロープを使って,クレームハイストの操作法を復習する。これまで何回もクレームハイストやブリッジプルーシックを使った岩場の登り下りをしているが,ほんの数週間,間をあけただけなのに,何となくあやふやなところがでてくる。繰り返し練習していないと直ぐに忘れてしまうものだなと実感する。
■借り物のハーネス
写真のハーネスは,数年前,某ガイドの推薦により,私が縦走用として購入したものである。しかし,その後,ガイド協会(正式な名称は知らない)の指示で,私の持っているハーネスは必ずしも安全とはいえないという理由で使えなくなっている。そうは言っても,今の私は,これかも岩登りを続けていく気はない。当分はハーネスが必要になるたびに,旅行社からレンタルすることにしている。
ところが,レンタル用のハーネスは,さまざまな体形の人が使えるように工夫されている。そのために,実に複雑な構造である。どう装着するか迷っている内に,頭がクラクラしてくる。ガイドの助言を受けながら,やっとの思いで,借りたハーネスの装着を終える。
ハーネスを装着しながら,私は,
「こんな岩登り,私は一体何の目的でやっているんだろうか?」
と自分のことながら,とても不思議になる。
「毎回,怖い思いをして,岩登り練習をしているのに,お前は本格的な岩登りなど,端からやる気などないではないか・・・じゃあ,何で,毎月,毎月,性懲りもなく,練習をしているんだよ・・」
私は怖い練習をしながら,何回も,何回も自問自答する。
■岩を登ったり降りたり
岩場には2本のロープが岩場に設置されている。岩場の傾斜は良く分からないが70度位,落差は20メートルぐらいだろうか。岩の上に立つと,結構,高度感がある。
まずは,リュックを背負わずに,ロープダウンで,この岩場を下る。これまで数え切れないほどロープダウンの練習をしているが,それでもなかなか上手にはできない。ロープに全体重を任せて,尻の位置を下げて,水平な所を歩くように岩場に足の裏をピッタリ押しつけるようにして,歩きながら降りていく。手はロープから放していても良いが,右手だけ軽くロープを握っている。肩越しに下りる方向を良く見ながら,ゆっくりと下る。その際,下を見るときに上体が斜めになると,足の進みも斜めになってしまうので,そうならないように注意しながら下る・・・こんなことは頭の中では良く分かっているが,実際には身体がなかなか覚えていない。どうしてもロープを握る右腕に力が入ってしまう。
<物見岩を下る> <物見岩を登る>
次に,岩場に馴れるために,ロープで確保して貰ったまま,今下った岩場を登り,またロープダウンする。こんなことを数回繰り返す。私はもともと高所が苦手である。ロープで身体を確保して貰っていることは,重々承知しているが,それでも絶えず恐怖感がつきまとう。
さらに,リュックを背負って,ロープダウンした後,クレームハイストを使って,岩場を登る。足場の確保に気を取られていると,結び目を引き揚げるのを忘れて,上に登れなくなるだけでなく,身体が下方に引っ張られ,立ち往生する。
さらに登ると,途中にある2枚のカラビナで作られた支点に到着する。ここを通過する際には,最初にぶつかるカラビナを開いて,クレームハイストの結び目を通過させ,開いたカラビナを元通りに閉じたことを確認する。そして,次のカラビナを開いて,結び目を通過させる。さらに,カラビナを閉じたことを確認してから先へ進む。こんな何でもない簡単な操作でも,繰り返し練習しないと,実際の岩場では,気持が動転して,円滑にできなくなる。
<戸隠小舎へ>
■バス停「花岡平」
物見岩での岩場練習を終えて,14時54分に物見岩からバス通りを目指して歩き始める。結構,急な下り坂が続く。鬱蒼とした森林の中の坂道を下って,霊山寺本堂まで下山する。
<霊山寺本堂> <花岡平バス停>
15時10分にバス停「花岡平」に到着する。花岡平を英訳すると“flower-hill plains”になる。
「ハハ~ン・・・flower-hillとは『花岡』のことか・・」
と,妙に合点する。それにしても,とんでもないところにflower-hillがあったものだ。でも,
「どうせ漢字で表現するのなら,『花岡』より『華丘』の方が何となく煌びやかで良いかな・・・それとも『華岡』が良いかな。でも,華岡は有名な医師の姓なので,名乗るのはおこがましい。やっぱり『華丘』が妥当かな。これから,自分のブログ名を「オフィス華丘」にしようかな・・・英語では”The Flower-Hill Plain, Ltd.”,何だか変だな・・・」
ほんの瞬時の間に,こんなことが頭の中でグルグルと廻る。そして,正気に戻って,一人で苦笑いをしてしまう。そんな私の様子を見ていた痛子さんが,
「何をニタニタしているのよ・・」
と私を突っつく。
<花岡平の説明文>
■戸隠小舎に到着
バス停花岡平から戸隠まで,川中島バスの路線バスで行く予定である。ところが,所定の時間になっても,バスがなかなか現れない。皆が不安になって,ザワザワし始めた頃,定刻より10分ほど遅れて,ようやくバスが到着する。私達はドヤドヤとバスに乗り込む。バスの先客は殆ど居ないので,私達だけの貸切バスのような雰囲気になる。
私達を乗せたバスは,15時32分に花岡平を発車する。道幅は狭いが綺麗に舗装された道路がクネクネと続く。バスは七曲がりの急坂をグングンと登っていく。綺麗な森林の中をバスが進む。
バスは,16時16分に戸隠のバス停「森林植物園越水ロッジ」に到着する。辺りは広場になっている。片隅に「戸隠小鳥の森」と書いてある大きな石碑が建っている。バス停から少し離れたところに大きな石像が安置されている。その前に「萬霊供養」と書いた石碑が置かれている。
やがて,今夜から連泊する戸隠小舎の送迎バンが私達を出迎えに到着する。バンに乗り換えた私達は,16時25分にバス停前を発車し,16時28分に戸隠小舎に到着する。紅葉が始まった見事な林の中に,赤い三角屋根が可愛い戸隠山舎が建っている。
私達は,親切な小舎の主と奥さんの出迎えを受けて,小屋の中に入る。折から土曜日とあって,小屋は満席のようである。
(つづく)
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