中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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信州冬の旅;小諸市内観光と懐古園周遊(5);北国街道と島崎藤村ゆかりの遺構

2018年02月02日 04時34分01秒 | 関東・伊豆箱根・上信越

                                                                                                     <遙かなる北アルプス>

     信州冬の旅;小諸市内観光と懐古園周遊(5);北国街道と島崎藤村ゆかりの遺構

                 (亡姉の三回忌)
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<ルート地図>



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<懐古園から大手門へ>

▇蒸気機関車C56
 三の門の前を通り過ぎて駐車場に向かう.
 駐車場入口付近に蒸気機関車C56が展示されている.その向こうに見える白い建物は伊藤園が経営するホテルである.
 このホテル,私は何回も利用したことがある.料理が美味しいし,ホテルからの眺めも最高である.地元でも評判が良いようである.
 C56は小海線を走っていた蒸気機関車である.当時,小海線で使われていた蒸気機関車は,C56の他にC11というのもあった.今はもう忘れてしまったが,列車が走る音を聞いただけで,どちらの機関車が客車を牽引しているかが分かった.
 話は逸れるが…
 当時,あこがれの機関車は信越本線を走っていたD5195だ.
 ”格好良かったなあ…”


▇”わあ~”浅間山だ!
 懐古園から市街地へ向かう.
 途中から浅間山が見え出す.
 ”凄い! 格好良いな…!”
 右から順に,剣ヶ峰,前掛山,牙山(ギッパヤマ),湯の平を挟んで黒斑山,そして高峯山である.
 ”今年も,また,訪れてみたいな…”
 浅間山は幼少時代から何回となく登っているあこがれの山である.だんだんと年を取るにつれて,登るのがしんどくなっている.それが残念.



▇大手門
 大手門を目指す.
 大手門付近で,かなり広範囲にわたって工事をしている.どうやらこの辺り一帯を公園として整備するようである.
 長野新幹線(現在の北陸新幹線)が開通して以来,小諸は大分寂れてしまった感もあるが,その反面,だんだんと綺麗になり落ち着いた雰囲気の街に代わってきたように思える.
 小諸出身の私としては,小諸が新幹線から外れて悪かったような,良かったような,今はどっちつかずの気分になっている.
 やがて大手門に到着する.相変わらず威風堂々の構えである.
 先客が1人.中年の女性である.どうやら旅人.
 私は軽く会釈しながらすれ違う.
 なぜ旅人と判断したか.その答えは,
 「オハヨウございます…今朝も寒いですね…」
の定番の挨拶を交わさなかったからである.


<北国街道筋・本町界隈>

▇ほんまち遊子公園
 大手門から国道に出る.左折.
 すぐに本町の交差点に到着する.本町は北国街道(善光寺街道)の街道筋に当たる.ここを左折してほんの100メートル足らずの所に脇本陣跡があるが,少々時間が押しているので,立ち寄らずに,右折して本町を与良方面に向けて歩くことにする.
 まずは,ほんまち遊子公園に立ち寄る.
 昔,小諸唯一の本屋,西沢書店があった場所は,多分,この辺りだったなと思いながら,公園に入る.
 公園の一番奥まで行くと,広大な浅間山麓が見渡せる.その遙か向こうに雪で真っ白に輝く北アルプスの山々が見えている.実に素晴らしい眺めである.


▇ほんまち町屋館
 続いて,ほんまち遊子公園のすぐ近くにある「ほんまち町屋館」を訪れる.
 町屋館の建物の中に入るのは面倒なので,建物の脇から裏手の広場に入る.


ほんまち町屋館の広場
 ほんまち町屋館の広場の先にあるあずま屋まで行ってみる.
 昨年も,丁度今頃,ここを訪れた.去年はここに10センチメートル以上の残雪があったが,今年は綺麗に乾いている.


▇浅間山連山の眺望
 広場の先端から浅間山の眺望を楽しむ.もちろん,ここで沢山の写真を撮る.
 丁度そのとき,どこからともなく老人が現れる.私の方に近づいてくるような感じがする.私は何となく避けたい気分になり,気がつかないふりをして出口に向かおうおする.
 「オハヨウございます…」
 案の定,話しかけられる.
 彼はA5の大きさの印刷物を私に手渡す.そこには目の前に見えている浅間山のイラストが描かれている.
 「あそこに見えるのが,浅間山です…その隣が黒斑山と言います…」
 ご厚意で説明して下さっているのは良くわかるが,10時までに実家に行きたい私は,分刻みで行動している.したがって,説明をお聞きする余裕時間はほとんどない.
 「…す,スミマセン.私,小諸出身です.今見えている山には何回も登っています…」
と言いながら,お話を遮る.
 でも,それでは折角のご厚意に申し訳ないので,
 「今日は寒いですね,今,何度ぐらいでしょうね…」
とお愛想で質問する.
 「こちらに温度計がありますよ…」
ということで,町屋館と道路を挟んで反対側の家の軒につり下げてある温度計に案内される.
 この温度計によると,現在の気温はマイナス6.0℃.ちょうど今頃の塔ノ岳山頂の気温と同じぐらいである.
 私は,この親切な方にお礼を言ってから,次の目的地を目指す.


<島崎藤村ゆかりの遺構>

▇藤村井戸
 本町をほんの少し遡って右折して路地に入る.
 路地を100メートル足らず進むと古井戸がある.この井戸は島崎藤村も使用していた由緒ある井戸のようである.
 もちろん,今はもう使われていないが,
 ”ひょっとしたら,藤村の指紋でも残っているかな…”
と妙なことを考える.


▇藤村旧栖地
 藤村井戸の前を左折する.突き当たりに車が10台ほど停まれる駐車場がある.ここが藤村旧栖地と呼ばれるところである.
 駐車場入口には,「藤村旧詩地」と刻字された立派な石塔と案内板が立っている.
 「…藤村はここから小諸義塾へ通ったのか…」
 私は小諸に於ける藤村の日常を想像しながら,しばらくこの空き地を眺めている. 


▇相生町
 藤村旧栖地跡からすぐ近くの相生町に出る.
 ここは小諸を代表する商店街である.右手の突き当たりに小諸駅が見えている.
 今はちょっと静かになってしまったが,私が幼少の頃は,近隣からの買い物客で随分と賑わっていたところである.
 ここから先は,プライバシーの機微に触れるので記述は省略するが,某所を目指してまっすぐにあるく.そして予定通りの時間にぴったりに某所にある実家に到着する.


<亡姉の三回忌>

▇曹洞宗の名刹
 某所で私の長男を含む親族と待ち合わせである.
 揃ったところで,長男の車に乗って,姉が眠る曹洞宗の名刹に向かう.
 一同が揃う.
 本堂で読経.
 最初は般若心経.このお経は私もおぼろげながら大体知っているので読経の内容も大体分かる.その後,いくつかのお経をあげるが,これらのお経の内容は殆ど分からない.読経の間に焼香を済ませる.
 ”姉はお経を聞いて内容が分かるんだろうか…?”
と妙なことが気になる.
 余談になるが…
 つい先日,同じく親族の葬儀に出席した.こちらはキリスト教の葬儀である.会場で小冊子が配られる.それには聖書の抜き書きと賛美歌が数曲印刷されている.
 司祭が,
 「××ページを開いて下さい…」
と言う.参列者が声を揃えて,指定された場所を読む.そして賛美歌を歌う.これを繰り返す.
 さて,私も禅宗.
 でも,葬儀に関する限り,キリスト教の方が逝った人と心温まる交流ができたような気がする.


▇懇親会
 姉の三回忌は1時間ほどで終わる.
 その後,市内の某寿司店で懇親会が開催される.
 あれから足かけ3年…
 3年も経てば涙も薄れる.
 久々に集まった親族が,亡姉を偲びながら,和やかに過ごす.
 料理は下の写真の通りである.



<無事帰省>

▇自家用車で…
 夕方,無事,懇親会が終わる.
 一同,再会を訳して散会となる.
 私は息子が運転する自家用車に同乗して東京を目指す.
 高速道路は渋滞もなく至って順調に走り続ける.途中のナントカというサービスステーションで休憩を取る.
 日がトップリ暮れる頃,高速道路から一般道に降りる.
 平素,自動車に乗っていない私には,今,一体,どの辺りを走っているのか,余り良くわからないが,ときかく渋滞が連続する.
 「縦隊がひどいね…」
 「うん…まあ,…休日はまあこんなものだよ…」
と息子は平然としている.
 ”やっぱり新幹線の方が速かったかな…”
とチョッピリ反省.

▇やっと終わった
 JRの貿易で息子の車から下車.
 ここからは横須賀線の電車に乗って大船駅へ.
 電車はかなり混雑している.私は,何とか座れたが,
 ”…長時間,車の中で座っていたじゃないか…腰が痛いよ.電車の中ぐらい立っていた方が良いよ…”
と私の体内に巣くっている天邪鬼の私が愚痴を言う.
 ”まあ,そういいなさるな…折角,座ったんだから”
 こうして,小諸日帰り旅は無事終わった.
                          (完)
「関東・伊豆箱根・上信越の山旅」の次回の記事
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